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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
32/651

032 眷族の感謝

挿絵(By みてみん)


 うらやまし 『鑑定』スキル レアスキル


 川柳と呼ぶのもおこがましい出来だ。

 5・7・5ならいいってモンじゃないんだよ?


 町中をトボトボ歩く。ああ、欲しかったなぁ。


「あげませんよ?」


 わかってるよッ。

 後ろをついてきているイズミがすかさず突っ込む。


 そんなホイホイあげたり貰ったりできるモンじゃなかろうし。

 カーミラさんはホイホイくれたけど。


「カーミラ様はとても上位の権限を持ってらっしゃるんですね。

 ビックリしました」


 自称『始祖中の始祖』だしね。

 ただのプレイヤーでもNPCでもなさそうだし。

 まさに謎の人物だ。話すことも結構ナゾだし。


「だけど、いいヒトだよ」

「はい。それは間違いなく」


 そこんトコが一番大事だよ。つか、そこだけでイイ。


「イロイロ貰っちゃったし、『魔界飯』には足を向けて寝られないな」

「お礼をする必要があるでしょう。ナンデモ持ってらっしゃいそうですけど」


 それも問題だな。お礼のしようがない。

 多分、期待されてもないけどさ。


 お返しの件は置いとこう。どうせロクなモノ持ってないし。

 一番イイモノで『オオカミの尻尾☆2』だ。

 こんなのあのヒト達が欲しがるとは思えないしな。


 これからフィールドで経験値稼ぎだ。


 その前にステータスの確認だな。

 俺じゃない。ステ1に決まってるし。

 イズミの方だ。


「『杖に支配される魔女』だった頃と基本は変わりませんよ?

 ただ転生でLVとステータス値は下がってますけど。

 あと『暗視』は増えましたね。称号もです」


 もともとのLVを聞いたらなんと40あった。申し訳ない。


「ゴメンな。LVがドカンと減って、増えたのが『暗視』だけじゃゼンゼン大損だよなぁ」

「そうですよ。責任取ってください、と言いたいトコロですが……」


 イズミは軽く首をかしげる。う、可愛いじゃないか。


「『杖に支配される魔女』の頃は自我はほとんどありませんでした。

『支配する杖』のオプションのようなモノだったので。

 それに比べて今はNPCとしては破格の自由度を頂いております」


 だいたい引き結んでいる唇とジト目をフッと緩めた。

 笑顔、なのか?


「その点では、わたしはマスターに本当に感謝しているのですよ?

 杖から解放してくださったのは、誰でもないマスターなのですから」


 笑顔は一瞬。またジト目に戻る。


「ただ、そこから眷族として囚われてしまったのは別問題ですが。

 当然、あのトラウマになりそうな『吸血』もです」


 結論。俺はまだ、許されてはいないと。

 よくわかりました。



挿絵(By みてみん)

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