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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
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003 初めての報酬

まいどまいど短くて申し訳ない。

挿絵(By みてみん)



 はははははッ!!

 依頼がんばって良かった!


 今、とても上機嫌である。

 依頼主である牧場さんが俺の働きを高評価してくれたからだ。


 暴れ羊どもを引き連れて牧場を訪れたトコロ、なんと羊毛と羊肉をオマケしてくれた。

 今夜はジンギスカンだぜ! 鍋無いけどさ!


 羊たちに刀傷がゼンゼンなかったのが好印象だったらしい。

 もっとズタボロになっての帰還を覚悟してたそうだ。


 ハハハ!! 気配りの勝利よ!


 戦闘後、羊どもに薬草食わせたのも良かったかもしれないな。

 ちょっとフラフラしてたし。


 薬草を 食わせてうれし ジンギスカン


 こんな感じかね。もう川柳でいいや。


 あとは依頼主から預かった達成メダルをギルドに渡せば終了だ。

 うーん、報酬楽しみだぜ。


 冒険者ギルドでの依頼の流れだが、イロイロあるそうだ。


 今回はまず『牧場』が『冒険者ギルド』に依頼を申請。

 それを『冒険者ギルド』が依頼掲示板に貼って『冒険者』を募集。

『冒険者』である俺が依頼を受諾した流れだ。


 ターゲットである確保した羊は、直接『牧場』に連れて行くよう指示された。

 羊を受け取った『牧場』は、俺に受領書代わりの『達成メダル』を渡した。今ココな。


 これから俺は町に戻って『冒険者ギルド』にメダルを見せる。

 すると『冒険者ギルド』はあらかじめ『牧場』から預かっていた『報酬』を俺に支払う。

 これで依頼は完了となる。


 他に普通の討伐依頼などではもっとカンタン。

 例えばゴブリンの討伐依頼なら、証拠品になるドロップ品を一定数ギルドに納品すれば達成だ。


 今回は羊の群れだったからね。

 ギルドもそんなの連れてこられては大迷惑なんだろう。


 いちいち『冒険者ギルド』を挟むのはまずトラブル防止のタメ。

 そして『ギルド貢献度』のカウントのタメだそうだ。

『ギルド貢献度』が貯まれば、より高難度の依頼が受けられるようになる。

 それはより手応えがある、というコトだ。

 燃えるぜ。


 町に戻った頃には日が落ちかけていた。

 夕日が綺麗だ。リアルそのものだよ。


 ぐぅぅ。

 夕日を眺めてると腹が鳴った。


 ゲームシステム的には満腹度が減ったアラームなのだろう。

 だが俺は確実にリアルと同じ空腹感を感じている。凄いな。

 これ満腹度が完全にゼロになるまで放置したらペナルティがあるらしい。

 空腹で目が回ったりぶっ倒れたりするそうだ。

 HPMPの自動回復も効率がガタ落ちとか。


 俺はそんなの絶対にお断りだが。

『食う寝る遊ぶ』が人間の本質である。

 寝食を忘れて働く? ただの混乱状態です。


 御託はいらない。


 今は夕飯を、いやジンギスカンを食わねばならないのだ!


 ああ、食べたい。早くジンギスカンが食べたい。

 クセのあるマトンに辛口のタレを絡めて焼いた奴をガッツリ頂きたい!


 いかん。

 完全にジンギスカンの口になってしまっている。


 しかしゲーム始めたばっかの俺がジンギスカン鍋など持ってるハズも無い。

 それ以前にあるの? 鍋?

 いや、羊肉という食材が存在している以上、ジンギスカンは確定だろう。鍋はあるはず。


 例えばそこの居酒屋。

 裏通りの飲み屋街からタレ付きの肉を焼く香ばしい匂いが漂ってくる。じゅる。


『魔界飯 新宿』


 ここは新宿ではない。

 なんとも意味不明で不安にさせられる店名だが。


 このタレが焦げる匂いはホンモノだ!

 ココは美味いぞ!!


 あああ。もう、ガマン出来ない。

 いざ、突入せん!! 『魔界飯 新宿』!!



挿絵(By みてみん)

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