197 ご馳走
「うわ!? これはご馳走だな!!」
「わおーんッ!!」
ドンと置いた大皿には綺麗に盛り付けた丸ごと照り焼き。
ヤンチャどもが興奮してますね。
やっぱり、ニワトリ丸ごと1羽というのは迫力ですしね。
ふふふ、恐れおののくがいいですよ?
落水騒ぎで時間を取りましたが、鶏のオナカには弱火木炭が刺しっぱなしです。
内側からイイ感じに火が通ってます。
アツアツですよ?
「うまい!! 美味いぞイズミ!! さすが我が家の料理長!」
「わわんッ!!」
凄い勢いでガッついてます。
うふふ。頑張って作った甲斐がありましたかね?
おっと、わたしも頂きませんと。
食べ尽くされちゃいますよ?
一番のメイン部分はやっぱりモモ肉なんですけど。
片方残ってます。
1本はシロがガジガジ囓ってますね。
マスターは食べないんですか?
「いや、イズミが頑張ったんだから。そこはお前が食べないと」
「じゃあ、半分こしましょう。
はい、どうぞ」
「ああ。ありがとな」
二人でわけわけ味わいます。
鶏モモは特に熱々ジューシィ。
うん、美味しいです。
ね、マスター?
『丸ごとチキン☆1』は『はぐれニワトリ』のドロップ品だったんですけどね。
かなり大きい上にメチャクチャ脂がのってます。
「肉汁が凄いな。それが照り焼きダレとバッチリ合ってる」
「☆1でこれなら☆2とか、かなり期待できますね」
「まったくだ。ナンで包むとまた美味いな。いくらでも食えるぞ」
「わわんッ!」
『はぐれニワトリ』はかなり丸々してましたからね。
ドロップ品にもそれが反映してるんでしょうか。
手と口元がギトギトになっちゃいます。お恥ずかしい。
マスターとシロはギトギト通り越してドロドロです。
あー、手も口も酷いことになってますよ。
これは中途半端に拭いても無駄ですね。
食べ終わるまでほっときますか。
うん。付け合わせの焼き野菜もいいお味です。
シャッキリ野菜が口のアブラを落としてくれます。
お肉ばかりというのもなんですしね。
「ナンだけに?」
「そんなダジャレは言いません」
「ワン?」
「ワンでもないですよ?」




