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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
194/652

194 おつかれさま

 さて、みんなのお楽しみドロップ品なのだが。


 倒れたゴーレムがサラサラ崩れだした。

 見る間に土の山になる。

 そしてピカッと光って麻袋に化けた。


 ……元のゴーレムと同じサイズの。


挿絵(By みてみん)


『腐葉土☆2』


「腐葉土でかっ!?」

「ヒトが10人くらい入れそうですねぇ」

「わう……」

 

 ドロップ品『腐葉土☆2』はシャレにならんデカさだった。

 見上げるような麻袋だ。

 いくらゲームだからといってもやりすぎだろう。

 中に相撲取りでも入ってそうなサイズだ。


「大農場の土壌改良に使うそうですし。

これでも足りないぐらい?」 

              

 そういや大量に欲しいって言ってたっけ。

 完全に土木工事だよ。


 ポーチが無限収納でよかった。

 現実ならひとつ運ぶのに軽トラが必要なところだ。


 ドロップ品の演出から見るに、ゴーレム自体が腐葉土の化身なんだろう。

 あの攻撃力がまるまる栄養になるのだ。

 さぞかし、いい肥料になるに違いない。


 これを大農場に届ければとりあえずクエストは達成なのだが。


「50個ぐらい持ってけば農場さんも喜んでくれますかね?」

「まぁ、ゴーレム相手に特訓してれば勝手に溜まるだろうさ」


 このゲームのクエストは達成度合いでボーナスが加算される。


 50と言わず、1000トンくらい渡してビックリさせてやろうぜ?



挿絵(By みてみん)

 

 ボス戦を勝利した俺たちは元の祠前にたたずんでいる。


 この祠に祈りを捧げれば、何度でもボスはポップするらしい。

 連戦したいトコ、だが……。


 今、午後の4時過ぎだ。

 暗くなる前に、さっきの安全地帯に戻っときたいのだ。

 キャンプの設営とか晩飯の準備とかしないとな。先は長いので。


「じゃあ、今日はここまでにしとくか。続きは明日だ」

「そうですね。MPも心許ないですし」

「わう」


 ふぅ、とイズミが息を吐く。お疲れだったようだ。


 このあたりは安全地帯でこそないが、エンカウントも無い。

 緊張を解いても大丈夫だろう。


 そういえば、今日は特に戦闘面でイズミの負担が大きかった。

 部位破壊に弱点狙撃にと大忙しだ。

 そりゃくたびれる。


「今日は大活躍だったな。おつかれさん」

「あら、珍しい。眷族おだててもナニも出ませんよ?」

「美味しいご飯が出るだろ?」

「そりゃ、モチロンですけど」


 肩をもんでやると嬉しそうだ。

 ふふふ。褒め甲斐があるヤツだ。


「わうッ」


 ああ、スマンスマン。シロも大活躍だったな。

 特に朝から『巨狼変化』で駆け通しだった。凄い時短になった。


「二人とも、今日はよく頑張ってくれた。ゆっくり休んでくれ」


 初日としては大成功だ。おつかれさん。  

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