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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
191/652

191 土神の祠

 俺たちはそのまま橋を渡った。

 安全地帯は素通りだ。


 キャンプ設営はまた後で。

 まずゴーレムさんに挨拶しないと。


 橋からしばらく山道を登る。再び鬱蒼とした木々の中だ。


 そして山道は行き止まった。到着だ。


挿絵(By みてみん)


 ひときわ高い巨木が2本、そびえている。

 その巨木を背景に、古びた石の祠がポツンと置かれていた。


「これか? 土の神様の祠って」

「思ってたより素朴ですね?」

「わう」


 うむ。やけに小さいぞ?

 ゴーレムとか暴れたら壊れちゃうんじゃじゃないの?


 なんか心配になってきた。祠の中を覗き込む。


『参拝者よ。土神の恵みを望むか?』


 不意に声が呼びかけてきた。低い、落ち着いた声だ。


『はい / いいえ』


 目の前に選択肢が浮かび上がる。


 これに返事すれば戦闘開始か。神サマも気が早いな。


「だ、そうだ。イズミ、シロ。用意はいいか?」

「いつでもどうぞ?」

「わうッ」


 うむ。頼もしいな。さっそくやろうか。


 はい、よろしくお願いします。

 俺は両手を合わせ、アタマを下げた。




 ふぉん。


 視界が切り替わった。


 さっきまでいたのは鬱蒼とした山林の古びた祠の前。

 それが広々とした平原に変わっている。


「魔力に似たものを感知しました。転移したようですよ?」


 イズミが説明してくれた。さすが魔女。


 バトルフィールドに移動か。キチンとしてるね。


挿絵(By みてみん)


「土神の使い アースゴーレムが現れた!」


 うわッ。デカいな。


 ブロックを積み上げたような巨体が仁王立ちしている。

 マンドラゴラ・ガーディアンよりデカいぞ。


 かなり重そうだ。

 投げられるのかね、こんな重量級。


「為せば成る、ですよ? マスター」

「わうッ」


 お、叱られてしまった。


 その通りだ。やる前から負けるコト考えちゃいかんな。


「壁は俺に任せとけ。

 シロは死角から、イズミは遠距離から攻撃だ。

 それからイズミ、飛び出すなよ?」

「それはマスターしだいですかねぇ?」


 こいつめ。無理するなってコトだな?


「心配するな。今日は俺に守らせてくれよ? 行くぞ!」

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