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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
174/653

174 さあ、合宿だ

「おはようございます。マスター」

「わうッ」

「おう、おはよう。イズミ、シロ。今日から合宿だ。頼むぞ?」


 セーラー服への敗北感はさておき、俺は再びログインした。 

 さっきログアウトの間に夕食と片付け、洗濯を超特急でこなしてきた。

 すでに、一日21時間ログイン大作戦は始まっているのだ。


「先にログイン、ログアウトの予定を説明しとくぞ?」


 イズミにメモ用紙をもらって、円型の相対時刻表を書き込む。

 かなり練り込んだからな。もうソラでもサラサラ書けるのだ。


「こっちの時間で言うと、2日ごとに深夜0時~朝6時までログアウトする。

 予定通り進めば今日含めて15日間ログインできるはずだ」

「なるほど」「わうッ」

 

 リアル側で説明すると、7時間ログインして1時間ログアウトするスケジュールになる。

 これを月曜の朝までひたすら繰り返すのだ。


挿絵(By みてみん)


「今は途中のココ。リアルだと17時だ。

 だから今日は次のリアル20時にログアウトして、21時に再ログイン。

 そこから、この時刻表通りに回していく」

「むしろリアルが大忙しですね。

 たった1時間で大丈夫ですか?」

「まあな。任せとけ」 

 

 ゲーム内はもちろんだが、ログアウト中の1時間X3こそ真剣勝負だ。

 この短時間で1日分の食事と運動、そして家事を消化せねばならない。

 もちろん俺一人でだ。ゲームもリアルも大忙しだぜ。


 ああッ、充実してるな俺ッ!


 端から見れば完全に非リア充なんだけどね。

 楽しいからいいのだ。


 さて、戦闘強化合宿とお題は決めていたが、内容はまだ白紙。

 今日、初日はその準備と情報収集に費やそうと考えていたのだが。


「目的地は『黒土山』。

 ターゲットは『ゴーレム』が良いとのお話です」


 イズミさんがキッチリ情報収集済だった。シッカリしてますな。


「『早朝組』の皆さん推奨ですよ?

 ドロップ品はあんまりだそうですけど」


 現役攻略組のあの人達の情報なら確実だろう。お礼せねば。


「『オムライス』を振る舞っておきました。好評でしたよ?」


 なんと攻略組餌付けされてました。うちの眷族ちゃん凄い。


『黒土山』は、始まりの町から徒歩で半日ほどの山岳ダンジョンだそうな。

 冒険者ギルドに行けば関連クエストがあるらしい。受けとくべきだな。


「食料や野外用の料理セットも準備済です。

『傷薬』『解毒薬』もストックがあります。

 いつでも出発できますよ?」

「イズミ、優秀だな……」


 昨夜、セーラー服着て『ヘタレ先輩と後輩ちゃん』ゴッコしてたオンナだとはとても思えん。


 いや、ドキドキはしましたけども。


「眷族なら当然ですよ?」


挿絵(By みてみん)


 ジト目でドヤ顔だ。


 こんにゃろ、うざ可愛いじゃないか。ありがとな。


「じゃあ、冒険者ギルドと『魔界飯』よって出発だな」


 何日か空けることになりそうだしな。

 挨拶はしとかないと。

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