172 怒りのマラソン
キーンコーンカーンコーン
とうとう本日の授業が終わった。
課題は……。
ひとつも残っていない。全クリだ。
ヒャッハァーッ⁉ やってやったぜ⁉
見たか、俺、根性の集中力。メチャクチャ頑張ったぞ。
朝イチからずっと脳みそフル回転させてたような気さえするな。
途中、5分間2セット、地獄の調教タイムが挟まったが。
アタマとカラダを切り替えて授業に集中するのは苦労したぞ?
正直ヘトヘトだ。糖分を補給せねば。
懐からサプリを取り出し飲み下す。学習用の栄養サプリだ。
受験生とかが詰め込み勉強するときに使うヤツ。合法ですよ?
よしッ。補給完了!
こっからマラソンだ。ジャージに着替えて家に直行なのだ。
急がねば。
三度目の調教タイムが始まってしまう。
あんにゃろう、ゼッタイに許さんからな⁉
正座で説教だ。
『義務』もキャンセルだ。カーミラさんに怒られても構うモノか。
アイツには一度ガツンと言ってやらねばならぬ。ならぬのだ‼
家までノンストップで走り切り、俺はそのままバスルームに飛び込んだ。
裸になってシャワーを浴びながら息を整える。
ゼーハーゼーハーゼーハー……。
滝のような汗と灼熱の体温を、冷水シャワーで片っ端から流しきる。
ふー、やっとサッパリした。
しかしコレで終わりではない。
いま、時刻は15時45分。
D&C世界じゃ夜の10時半頃のはずだ。
そろそろイズミがカンオケ部屋に忍び入ってくる。
そして3度目の調教タイムを始めてしまうだろう。
させるかぁッ!
開始前にとっ捕まえて説教だ。
正座に座らせてコンコンと説教してやるのだ。
授業中、俺がどんなに苦しんだか。
そして級友たちからどんないらぬ疑惑を持たれてしまったのか。
NPCにセクハラして、ご奉仕させて、授業中も愉しんでるなんて、どんな高レベルの変態紳士だよ⁉
完全に違うゲームだよ⁉
『吸血』とか隠しながら説明するのホント苦労したんだからな?
前回の『お仕置き』はまったく効果がなかったのだ。
今日は厳しくいくぞ! 泣いても許さん‼




