165 悶絶ゲーマー
「なにやってんの? 土方くん」
私は西崎左知代。
今日は日直だから早めに登校したんだけど。
誰も居ないはずの早朝の教室。
そこで孤独のゲーマー、土方くんがビクビクと悶絶していた。
顔真っ赤にして机にしがみついている。
さらにビクビク痙攣しながら、
「い、いずみぃ……」と呻いている。
「だいじょうぶ? オナカ痛いの? 保健室いく?」
「だ、だい、じょうぶ……。気にすんな……」
いや、ゼンゼン大丈夫に見えないんだけど。
「うッ、ひぃぃッ」
胸を押さえて奇声を発しだした。悪化している。
「胸が苦しいの? 呼吸器系?」
「い、イズミが、イズミが……」
は? それってゲームのイズミちゃん?
なに言ってるの。ここ学校だよ? リアルだよ?
「ちッ、ち、ち、ち……」
ち?
「お、俺の、ち、ちくび……。
ぐりぐり、グリグリってぇ⁉」
へ?
あ、あんた、イズミちゃんになにさせてるの?
「ふふふ、ここがエエんか? エエのんか?」
おっと、エロ親父的な口調になってしまいました。
さっきから、マスターの右乳首を責め立てています。
アバターの顔が真っ赤ですね。
苦悶の表情に歪んでいます。可愛いですよ?
うふふ。楽しい。超楽しいです。
わたしのこのバスタオル1枚の格好なんですけど。
運営的に危ないようで、実はとても安全な格好なのです。
なぜなら、わたしはほぼ、この格好で生成されたのです。
それもマスターの眠るベッドの中に。
わたしを転生させ、生成したのはシステムです。
システムは運営とほぼ同義ですから、運営お墨付きのコスチュームとさえ言えるのです。
つまり運営の初期設定ですね。
『い、いえ、そんなワケでは……』
なんか言い訳がましい空耳が聞こえますね。無視です。
この格好でマスターと同じベッドにいるのは、運営推奨と言ってもイイ状況なのです。
初期設定がそうなのだから当然です。
だから絶対安全。
ですよね? そうでなくてはオカシイですよ?
運営さん?
「ふふふ、カラダは正直ですよ?
こっちも弄って欲しいですか?」
左は明日のお楽しみです。
今日は徹底的に右を責めますよ?




