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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
144/652

144 オヤツとシエスタ

挿絵(By みてみん)


『マナポーション☆2』10本が完成したトコロでひと区切り。


 おやつタイムである。


「ミライナさん、今日はどれがイイですか?」

「ふ、ふおぉぉぉぉ?」


 ミライナ先生が謎の奇声を洩らしている。

 感動しているようだ。


「こ、このチョコレートのケーキでも、イイんでしょうか?」

「どうぞどうぞ。マスターは?」

「イズミが先に選べよ。俺はどれでもイイからさ」

「じゃあ、お言葉に甘えて。今日は、シフォンケーキにしましょうかね?」


 なら俺は残ったイチゴのショートケーキだな。

 ふふふ。好きなのだ。


 やっぱり女の子はデザートに妥協しないね。

 俺も好きなのだが、オトコ一人じゃケーキ屋はちょっと敷居が高いのだ。


「わうわう♡」


 シロはシュークリームを器用に割って中のカスタードを舐め回している。

 至福の表情だな。リアルなら確実にメタボ犬だぞ?


「あああぁ、しあわせです……」


 ケーキフォークを口にくわえたまま、ミライナ先生がだらしなく溶けている。

 そんなマブダチをイズミがニコニコ笑って見ている。

 オモテナシ成功だな。


「マスター、ナニ笑ってるんですか?」


 おっと。俺も笑っていたようだ。

 甘いモノって、ホント人を幸せにするよな。


挿絵(By みてみん)


 さて、オヤツ後のシエスタ導入を試してみたのだが。


「あふぁーん。しろぉぉぉ♡」


 またミライナ先生が駄目になっている。


「今日は、ミライナ先生をダメにする日だな」

「リアクションがカワイイから、ついつい弄っちゃうんですよね」


 わかる。


 もともと小っちゃくて小動物的な可愛さがある上に、生真面目で働き者だからついつい甘やかしてしまいたくなるのだ。

 また食事やオヤツひとつひとつにいいリアクションを見せる。

 可愛がり甲斐があるというか。

 こう言っちゃナンだが、エサをあげずにいられない動物なのだ。


「意外と魔性の女かもしれんな」

「うらやましい。わたしもそんな風に呼ばれたいです」


 お前はステータスに『魔女』って大書きされてるじゃないか。

 そのまんま魔性の女だろ。


「そういう意味じゃないのですよ?」


 まぁ、そのへんは後で相談しよう。


「今は俺たちも、巨狼モフモフの威力を堪能しようじゃないか?」

「目覚ましは買ってきましたけど……」 


 この後、目覚まし時計無しではまったく起きられないコトが判明した。

 魔性のワンコだった。

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