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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
143/652

143 おうどん

挿絵(By みてみん)


 お昼の時間、なんですけどね。


「遅いですね。ヒジカタさんとシロ」


 マスターとシロが帰ってきません。

 MP補給だけって話でしたのに。


「どうせ戦闘に夢中になってるんですよ。

 お先に頂きましょう」


 今日はキツネうどんとお握りです。

 ちょっと和食の勉強なのです。


「おうどん美味しいですね。油揚げも甘くて」


 ミライナさんが褒めてくれます。

 お約束ですけど嬉しいです。


 フフフ、油揚げはちょっと頑張りましたよ?

 甘辛く煮詰めましてね。

 マスターがコッソリ買い込んでた白ダシでおつゆを作ったんですけどね。

 簡単にオイシイうどんつゆが出来あがりました。白ダシ凄い。


「悪い遅れた!」

「わうんッ」


 バタバタと飛び込んできました。

 やれやれ。ヤンチャどもが帰ってきましたよ?


「遅刻するヒトに食わせるおうどんは無いですよ?」

「ゴメン。そういうなって。凄い美味そうじゃないか」

「くぅーん」


 マスターはともかくシロが悲しそうです。

 はぁ、仕方ないですねぇ。


「はい、どうぞ。ちゃんと手を洗ってくださいな」

「了解了解。お握りの具は?」

「オカカと塩昆布ですよ?」

「いいなぁ。どっちも好きだぞ?」


 マスターは舌が庶民的で助かりますね。

 オカワリしてイイですよ? 


 いかんいかん。

 特訓に夢中になりすぎて飯の時間に遅れてしまった。


 イズミはこういうのうるさいんだよな。気をつけねば。

 特訓といってもちょっとしかできなかったしな。

 継続が大事です。


 午後からは引き続き商品作成タイムだ。

 調合しまくって在庫確保&スキルLVアップを目指す。

 頑張ろう。



挿絵(By みてみん)



「おおッ、また『料理』スキルが上がりましたよ?」


 調子いいなイズミ。

 つか、朝からメチャクチャみじん切りしてるよな。

 すっかりみじん切り職人だ。

 キャベツのせん切りとか強化されてそう。


 まぁ、俺もちょこちょこ『調合』と『器具操作』上がってるけどね。

 朝からかなり作成してるからなぁ。

 俺だってゴリゴリ職人だよ。


「イズミ。今って在庫どれくらいになってる? 『傷薬☆2』」


 出来上がった商品はいったんイズミに預けている。

 いちおう『鑑定』する必要あるしな。

 商品だし。不良品とかマズイ。


「400包くらいですかね。

 ざっと1時間で100包ペースですね」


 うわー、頑張ったなー。

 だけど、それでも3日分の在庫には足りない。

 前回600売れてるのだ。最低でも同量ほしい。


「まだまだ頑張らないとな。

 うん? そういや、素材は足りてるのか?」


 昨日も合わせるとかなり使ってるぞ?


「ゼンゼン大丈夫ですよ?

『薬草』も『毒キノコ』も1000以上あるので」


 え? なんでそんなにあるの?


「素材の買取を始めたら皆さん殺到しまして。

 標準価格で買い取るのが珍しいそうです。

 とても好評でしたよ?」


 へー。確かに素材屋とか、足下見まくってるもんなぁ。

 植物コンビに謝っていただきたいね。


「とはいえ、ちょっと集まり過ぎましたかね?

 次から控えましょうか」

「いや、続けてくれ。

 好評なんだろ? いい宣伝になる」


 集まった素材は俺が『傷薬』にすればいいのだ。

 幾らあってもいい。


 プレイヤーは高めで買い取って貰えて、俺たちは安値で仕入れられる。

 しかも好評だというのなら悪いコトなしだ。継続で。


「『三方良し』って言葉があってさ。

 昔の商人の言葉なんだけど。

『売り手良し、買い手良し、世間良し』っていってな。

長く商売する秘訣なんだそうだ。爺サマが言ってた」

「出ましたね。マスターの『爺サマ語録』。

 お爺サマ博識ですね」


 まぁ、100年生きてたからなぁ。半分妖怪みたいなもんだよ。


「運動不足解消にって、よくゲーセンでダンスゲームやってたんだけど。

 俺よりゼンゼン巧いんだよ。

 100歳越えの老人がビシバシSS級のトリック決めまくる光景ってのは、ちょっと異様な世界だったなぁ」

「都市伝説になりそうですね」

「えーと、人間のお話ですよね? モンスターじゃなくて」


挿絵(By みてみん)

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