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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
142/652

142 俺たちの義務

挿絵(By みてみん)


 さて、ひとまず一戦終えた『巨狼変化』なのだが。


 強いな。かなり。


 小さいシロでも植物コンビなら一撃で沈めていた。

 今回は変化したコトで体格、体重が激増。

 一撃に重さが加わった結果、破壊力とノックバック効果が追加された。

 これは攻撃を加えると同時に足止めが期待できるということだ。

 かねて懸案の『連携コンボ』の一角として大きく期待できる。


 クーリングタイムが長いのが惜しいな。1時間ある。

 ただ継続時間も1時間あるので長距離移動も大丈夫だ。鞍が欲しいとこだが。

 AGI減少の影響はあまり感じないな。

 一歩が大きいから距離を詰めるのも速い。

 回避行動には影響があるかもしれない。

 これだけ大きいと躱すより受け止める前提でいたほうがいいな。

 VIT値も増えてるし『巨狼の毛皮☆3』も装備している。

 ひょっとすると夜の俺より堅いかも?

 壁的な働きも出来そうだ。


 総合的に見て、かなり頼もしさが増した。強い。

 俺が敵中に突っ込んでる間、イズミを守りつつ戦う役目もバッチリだろう。いっそ騎乗しててもいいしな。

 期待してるぞ?

 そしてこの暴れっぷりを見ていて、確信したコトがあるのだ。

 戦えるぞ? 『アイツ』みたいに。


「シロ、覚えてるか? 昨夜、俺をボコボコにしてくれた、あの『餓狼のボスLV15』」

「わうん?」


 覚えてはいるようだな。

 俺が話振った意味はわかってないが。

 イズミほどじゃないが俺も意思疎通はできるのだ。練習したし。


「アイツ、凄く強かっただろ?

 特に俺をぶっ飛ばした『技』な」

「わう」


『防御姿勢』ぶち抜いて俺のHPバー粉砕したあの『技』。

 その前日、LV5のときも使ってた、あのフェイント溜め引っ掻き。そのLVアップ版だ。


 逃げる、と思ったらズバッと来たアレ。


 引っ掻き、なんてカワイイもんじゃないけどね。完全に斬撃だった。


「あの『技』、覚えようぜ」


挿絵(By みてみん)


「わうッ⁉」


 驚いてるな。


「わうッ。わうわうん?」


 うんうん。

 その通り、アイツは俺だけじゃなくイズミまで死に戻らせた悪い奴だ。


 だからこそだよ。


 アイツにリベンジするために、俺たちはもっと強くならなきゃイカンのだ。

 お前もオオカミだ。あの『技』、使えると思うんだ。

 それに、アイツの『技』でアイツを倒すとか、カッコイイぞ?


「わんッ」


 そうそう、かなり燃える展開だ。

 お前も男の子だ。わかるだろ?


 オトシマエを着けなきゃイカンのだ。


 やられっぱなしで置いといてはいけない。

 俺たちのイズミを死に戻らせといて、そのままで済ましていいハズも無いのだ。


 正直ね。当の本人はサバサバしてるよ?

『死に戻り? そんなのありましたっけ?』てな感じだ。

 しかし俺としては、俺たちとしては気が済まん。


 済ませちゃイカンのだ。


挿絵(By みてみん)


「アイツをぶっ飛ばすことが戦闘部門の第一目標だ。

 そのために連携コンボと『必殺技』を編み出す。

 そのつもりで俺は頑張る。シロも頑張ってほしい」

「わうッ!!」


 いいお返事です。やる気になってくれて嬉しい。


 あの事態を引き起こした第一戦犯は俺だ。俺が一番悪い。

 しかし、負けっぱなしはもっとイカン。イイ悪いでは無い。

 勝ってこそ、水に流せるのだ。


『悪鬼羅刹』がアイツを退けたらしいが、そんなの俺たちには関係ないのだ。

 俺は負けた。それが全てだ。


 次に会うとき、アイツはもっと強くなってるハズだ。

 それをねじ伏せる。それが俺たちの『義務』だ。 

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