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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
133/652

133 連携コンボ

 さて。反撃する隙も与えず、といえば……。

 連携、コンボだな。


 被ダメージ時のわずかな硬直時間に次の攻撃をたたき込んで連綿と攻撃を続ける、というのがコンボ攻撃だ。

 格闘ゲームの定番。


 俺なら『空気投げ』→『怪力投げ』と繋げてるのもコンボと言えなくはない。

 投げはダウンの効果があるから繋げやすいのだ。


 ただ、技のクールタイムの事情でコレをループさせるのは無理だ。

 特に『空気投げ』はカウンター系だしな。

 既に倒れている相手には使いにくいのだ。


 ちなみに『怪力投げ』はアーツではない。

『怪力』発動時の強引な投げをそう呼んでるだけだ。


 そういえば……、イズミはコレに『ファイア・ボール』を繋げて手下オオカミも一掃してたな。

 トージョ達もいたボス戦だ。

 LV5ボス狼のときだな。


「その場の思いつきでしたけど。

 ああいうのがコンボなんですか?」


 そうなんだよ。思い返せばアレはいいコンボだった。


挿絵(By みてみん)


 ……ふむ。

 硬直時間長めの技や呪文なら繋げられるか?


 思えば投げた後のダウン状態は絶好の連携チャンスだ。

 追撃を繋げばそれが連携コンボになる。


 攻撃力より破壊力、相手を足止めするパワーのある呪文やアーツなら、更に後が続くコトも可能かもしれない。


「呪文はどうしても詠唱時間がありますから連発は厳しいですね。

 この間はあらかじめ詠唱を終えていた呪文を、『怪力投げ』に合わせて発動させました。

 途中からでは間に合いませんよ?」


 イズミの呪文は一度しか組み込めない、か。それでも充分だ。


「偶然でも3連コンボが成立してるんだ。

 シロが続けば4連もいけるかもしれない。

 連携コンボ、練習する価値はあるぞ?」 


 こうなると『巨狼変化』がさらにありがたいな。

 あの巨体が繰り出す攻撃は破壊力に優れそうだ。


「よしよし、イロイロ見えてきたぞ?

 さっそく明日から練習だなッ」

「ダメですよ。ミライナさんも来るんですから。

 明日は調合の日ですよ?」


 あーッ、そうだった。忘れてたよ。

 キャンセルは、出来ないよなぁ。


「マスター?

 バトルも大事ですけど、お店も大事ですからね?」


 怒られてしまった。すみません。

 こっちから呼んどいてキャンセルとか失礼にもほどがあるよな。反省。


 だけど俺の興奮も仕方ないのだ。

 VRMMOで連携コンボとか熱すぎるのだ。

 つまり合体攻撃だぞ?


 いずれ、ミナデなんとかとかナントカ玉とかできるかもしれない。

 あの『みんなの力をオレにくれ』系の技だ。


 それだけじゃない。


『空気投げ』→『怪力投げ』と繋ぐことができているのだ。一人でもコンボを続けられる可能性もある。


 つまりチェーンコンボだ。


 そうすると、あのナントカ乱舞とかナントカ獄殺さえ出来ちゃうんじゃないか!? VRで!!

『乱舞』系だぞ? ゲーマーの夢だ!! カッコ良すぎだろう!!


 爺サマも墓から起き上がって踊り出すぞ。

 火葬しちゃったけどさ。


 あああ、練習したい。

 なんというコトに気付いてしまったのか。


 ソワソワしだした俺をイズミがいつものジト目で見ている。呆れてるな。


「だいたいドコで誰を相手に練習するんですか。

 植物コンビなら一発で沈んじゃいますよ?」


 は、それもそうだ。

 連携コンボ試すなら相応にタフな相手が要る。

 ご近所様にはそんな手頃なエネミーはいないのだ。アウチ。


「とりあえず連携コンボは保留で。

 明日は新しい道具で真面目に調合です。わかりましたか?」


 あうう。はい、わかりましたよ。

 だからそう、コワイ顔しないで?


挿絵(By みてみん)

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