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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
131/652

131 『巨狼変化』

 おっと、忘れていた。


 俺的には惨敗だったボス戦だが、結局ドロップ品はゲットしているようなのだ。

 そもそもその検証が目的だった。


 ドロップ品に罪は無い。さっそく確認しよう。


『巨狼のシッポ☆3』


 あったぁ!

 巨狼シリーズその3。品目も予想通りだ。


「さっそく装備だ」

「シロ、よかったですね?」

「わおう!」


『巨狼シリーズがコンプリートされました。

 特殊スキル『巨狼変化』を取得しました』


 装備と同時にインフォが鳴り響いた。

 よしッ、ボーナスもゲットだぜ!


「わう!」

「こっちは健全そうですよ?」

「不健全で悪うございましたな」


 まったくだ。『悪鬼羅刹』、字面が悪すぎるぞ。

 それに比べて『巨狼変化』の頼もしそうなコトよ。うらやましいぜ。


挿絵(By みてみん)


『巨大な魔狼に変身する。VIT大幅UP、AGI大幅Down。

 継続時間、変動値はスキルLVに依存。

 クーリングタイム1時間』


 イズミの鑑定結果だ。

 これは通ったらしい。なんでだ。


「デカくて頑丈になるけど足が遅くなるのか」

「百聞は一見に如かず、です。シロ、やってみてくださいな」

「わうッ」


挿絵(By みてみん)


『グワオーン!!』


 雄叫びと同時にボンッと白煙が爆発。忍者みたいだな。


 白煙が晴れた後には巨大なケモノがお座りしていた。


「デカッ!?」

「わッ。スゴイ」


 あの小さかったシロが見上げるような巨狼に変身している。

 初めて遭遇したときの餓狼ボスとおなじくらいか?

 ごく単純なサイズアップなんだが……。倍率が凄いな。


「わう?」


 声はいつもの愛嬌たっぷりの子犬ボイス。

 ただし音量でかい。

 ステータスを確認してみると、なるほど。VITが倍、AGIが半分だ。

 他の数値は据え置きだから攻撃力が上がったワケじゃなさそうだ。

 体当たりは迫力ありそうだが。交通事故レベルだな。


「ココまで大きいと乗れちゃいそうですね。背中に」


 確かにそれぐらいデカイな。

 ん? おおッ!?

 それ、いいアイデアかもしれんぞ!? 

   

挿絵(By みてみん)


 騎乗できるか試してみるのは明日になった。


 何故なら俺が背中にまたがったところ、ゴンと天井にアタマをぶつけたからである。痛かった。

 さらに巨体が工房のドアを抜けることができなかった。狭いからね。


「明日、ミライナさんも交えて試してみましょう。

 きっと喜びますよ?」 


 ビックリして気絶しなきゃいいんだが。


「シロ、戻れるか?」

「わんッ」


 またボンッと白煙があがる。晴れたら元の子犬姿だ。


 やっぱカワイイのはこっちだな。デカイとなんかコワイ。


「よしよし。凄いスキルゲットしたな。明日からも頼むぞ?」

「わうッ!!」


 気合い十分だ。期待してるぞ。


「羨ましい……。わたしも巨大化したいですよ?」


 え? なにその願望。進撃のイズミ?


「特に胸ですね。2サイズほど巨大化したいです。

 パルミットさん討伐したら、巨乳スキルドロップしますかね?」


 ドロップするなら討伐するのか。

 冗談なのか確かめるのがコワイ。


「彼女に恨みはありませんが……。

 巨乳スキルが悪いのデスよ?」


 本気だった。パルミットさん、逃げてください!?

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