129 それぞれの憂鬱
10/6更新5つめです。
ちゃぷん。
反省会を終えて、オフロ頂いてるわたしなんですけどね。
なんかね、湯船につかる前からカラダが温まってると言いますか。
特に顔が熱くって火が出ちゃいそうと言いますか。
手とか足とかお湯の中でバチャバチャしちゃってます。
あー、もーぉ。はずかしッ。
全部ね、マスターが悪いんですよ。
ヘンなコト言うから。ええ。
そんなのね、わかってるんですよ。
わたしだって嫌いなら眷族なんてやってませんよ。
嫌いじゃないからイロイロ頑張るわけで。
そんなの言うまでもないというか。
言われるまでもな……くも無いですかね。
うん。言われてあげなくもないですよ?
タマには。恥ずかしいですけど。
ホントに、全部マスターが悪いんですよ?
後先考えずに突っ込むからああなっちゃうワケで。
ボス狼の一撃でマスターのHPバーが吹っ飛んだ時は、心臓止まるかと思いましたよ。
気付いたら飛び出してました。
それで、ああいうのはヤメロと怒られたワケなんですけどね。
無理ですね。
まぁ、戦闘時に飛び出しちゃうのは自制しますよ?
約束しましたから。
でもそれ以外は無理。
頼りなさ過ぎます。マスターが。
うん。やっぱりわたしがシッカリしないと。
キチンと面倒見てあげないとどうなっちゃうやら。
だいたい、わたしのマスターのクセにわたしを放置する時間が多すぎるのです。
キチンと責任取って一緒に居るべきなのです。
リアルが大事だってのも分かるんですけど。
マスターが頑張って時間を作ってるのも知ってるんですけど。
サッチーさん達が教えてくれましたから。
ううーん。
まぁ、とにかく。マスターが悪い、のです。ええ。
ちょっとキツく言い過ぎたかなぁ。
傷薬を調合しながらずっと悩んでいる。
我ながら情けない。
組合から譲ってもらった上位の調合器具、『薬研』をゴリゴリ回しながらだ。
乳鉢の上位版ということで試運転を兼ねているのだが。
「また☆1か……」
集中できてないのがガッツリ反映されてる。
結果は正直だ。ダメダメだな。
悪いのはイズミじゃ無い。俺だ。
俺が弱いことが悪いのだ。
俺が『ボス狼LV15』より強かったならああはならなかった。
強くならねば。
錬金術師になれば装備の強化が可能になる。
しかしそれだけじゃ足りない。
LVアップ、特にスキルLVのアップを図らないと。昼間生き残れない。
ダメージ源が投げ技しかないのも痛い。
『打撃』や『蹴り』スキルを取得することはできる。
だが昼間だと攻撃する度に骨折しかねない。
『空気投げ』はどちらかと言えばカウンター系の技だ。先制攻撃には向かない。
地面に叩きつけた後の追撃も出来ていない。他に要る。
柔道なら投げた後は寝技で押さえ込みなんだろうが。
ココだと他にもエネミーがいるのだ。悠長すぎる。
総合みたくマウント取っても後ろから殴られるだけだろう。コレもだめ。
ボクシングは追撃禁止だし。
プロレスなら?
ボディプレスの後はストンピングかエルボードロップか。
スキが少ないのはいいが、蹴りと打撃だから結局骨折だな。
ううむ。
やはり『怪力』の強力さと、昼俺の貧弱さのギャップが酷い。
だいたい、中ボスとはいえ最初の町周辺のエネミーに惨敗とは。俺ってどんだけ弱いんだ?
インフォじゃ勝ってたようだがとんでもない。
いきなりあのザマでその後の記憶が飛んでいる。
いったいナニがあったのやら。
きっと無我夢中のラッキーパンチだったに違いない。
そんなの勝ちとはとうてい言えまい。恥ずかしい。
くそ。やりたいコトが多すぎる。
投げ技を鍛えたいし、『見切り』もLVアップさせたい。
調合しまくって『錬金術』ゲットは確定だ。装備も強化したい。
預かったダンジョンの種だって面白そうだ。育ててみたい。
そろそろ新しいフィールドにだって見に行きたい。町の周辺と叫びの森ぐらいしか知らないしな。
しかし、そのためには俺が強くなければ始まらないのだ。
時間が足りない。
廃人ゲーマーさん達が羨ましいぜ。




