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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
126/652

126 アメリカンニートスタイル

10/6更新2つめです。

126・127・128話 同時更新します。

3話同時更新その1です。

順番ご注意ください。

挿絵(By みてみん)


 イズミの初ピザは大成功だった。超うまい。


「☆1ですけどね」

「☆は関係ないぞ。美味いって、コレ」

「おん!」


 シロもそうだと吠えている。な? 


 ピザやハンバーガーの美味さは他のオカズとはまた違うのだ。

 お手軽さ込みの味というか。

 今日みたいにあちこち出かけた後で、そのまま手で摘まんで食える無作法な優しさというか。


「分かるような、分からないような……」


 ズボラ者のご馳走だな。

 特に忙しいときとか出してくれると嬉しい。


「まぁ、作るのは簡単でしたけど。

 今日は特に市販のピザ生地に具を乗っけただけなので。

 いつでも作りますよ?」


 お願いします。

 サラミと野菜のアメリカンなピザも美味いが、追加のアンチョビたっぷりロマーナがまた絶品だ。唐辛子がよく効いてる。


「夜食に出されたらいくらでも徹夜できるな」

「ちゃんと寝てくださいよ。

 寝不足はペナルティあるんですから」


 わかってますって。

 徹夜するのはログアウト前だけな。


「ログアウト前でもです。

 リアルにペナルティ出たらどうするんですか」


 うーん。そう言われると、こないだちょっと寝起きが悪かったかな?


「わかった。気をつけるよ。

 お前も食べろよ。アンチョビ美味いぞ?」

「言われなくても食べますよ。ハフッ。うん、おいしい」


挿絵(By みてみん)


「じゃあ、この後はどうします?」


 ピザかじりながらイズミが聞いてきた。

 ピザやポテトつまみながらゲームの相談って。

 すごくソレっぽいな。ゲーマーらしい。


「夜の平原で巨狼シリーズ3つ目にチャレンジしたいんだが……」


 どの程度向こうのLV が上がってるかなんだよなぁ。


 正直昨夜の強化はかなりのものだった。

 マンドラゴラで確認済だったから慌てずに済んだが、不意打ちだったなら酷いことになってただろう。

 負けてた可能性もある。


 昨夜の勝利で俺たちはLVアップしたし、シロは新装備も得た。

 イズミは今日防御力強化のアクセサリーを追加した。

 俺たちも強くなっている。


 ただその強化が、3戦目の餓狼ボスの強化に追いついているかと言えば疑問がある。

 前回がLV5、おそらく今回はLV10。厳しい。


「昨夜はマスター、かなり余裕があったように見えましたけど?」

「パターンとタイミングを覚えた後はな。

『見切り』と『五体連動』の補助で直撃は避けられたし」


 ……そうだな。

 パターンとタイミングは覚えたんだよな。

 基本の戦闘スタイルと弱点は変わらないように思える。ステータスが上がってるだけで。


 直撃さえ避ければ大ダメージは無い。

 俺には『再生』もある。

 大技を確実に避けて空気投げでカウンターに徹する。

 コレならいけるか?


「マスター?」

「やってみるか。

 ただ、もし俺がやられたらお前はシロと撤退だ。いいな?」

 

挿絵(By みてみん)


 目の前が真っ赤だ。


 足下にはズタズタになった餓狼のボス。

 どうやって倒したか覚えていない。


 それどころじゃなかった。

 俺のステータスも真っ赤だ。

 身体がだるい。

 夜なのにステ1に戻ったような気さえする。


 だけど、そんなコトなんてどうでもいい。

 どうでもいいのだ。


「くうーん?」


 シロが心配げに見上げている。


 だいじょうぶ。

 俺は大丈夫だ。生きている。


 イズミが、死んだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今更ですけど吸血鬼に寝不足ペナルティはあるのだろうか... 最後のは...しっかり話を読んでいたので!
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