125 庭いじりと『ピザ』
組合を後にした俺たちは市場でイロイロ買い物して帰宅した。
「今日の買い物は激しかったな」
「はい。ホントに」
一番の大物はタダでもらったのだが。
押しつけられたとも言う。
まずはその大物、『迷宮樹の種☆?』を植えてしまわないと。
「大きくなりそうだし、植える場所は店の日当たりとか考えなきゃな」
「そうですね。そうなると北か西側ですけど」
相談して西側に植えることにした。
店の正面横、いちおう庭先だ。
しかしココは町外れとはいえ町の中であるには違いない。
勝手にダンジョンとか植えてイイのだろうか。
行政から苦情とか来ないか?
「ダメなら運営がストップ掛けてくるんじゃないでしょうか?」
それもそうだな。心配しすぎか。
まぁ、怒られてから考えればいいよ。
地面をスコップで軽く耕す。
そこに市場で買ってきた肥料を混ぜ、ジョウロで水をまく。
うん、いい感じ。
ちなみに水は『蒸留水☆2』だ。
「大きくなれよ?」
「立派なダンジョンになるんですよ?」
声を掛けながら種を植える。
アイテム捧げるのは芽が出てからでいいそうだ。
なんかあったらカーミラさんに聞けばいい。
もし立派なダンジョンに育って、そこからモンスターとか溢れだしたらパニックだな。
俺たち大戦犯だよ。ははははは。
「後の『魔界大迷宮』である」
「なんちゃって」
「わう?」
俺たちは顔をあわせ笑いあった。
たまには庭いじりもいいもんだ。
庭いじりを終えたらもう日が傾いてきた。
少し早いが夕食だ。
イズミがやる気なのである。
先に到着してた最新型石窯オーブンレンジにテンション上がりまくり。
黒猫獣人宅急便さんありがとう。
「今夜はピザです。
誰がなんと言おうともピザです。変更はありません」
わかってますよ?
買い物の内容からしてチーズとかサラミとかピーマンとかトマトとか丸わかりだった件。
俺はアンチョビも好きなので買い物かごにそっと忍ばせました。
わかってくれるだろう。
「ホントはピザ生地から作りたかったんですけど……」
小麦粉とかこねて指先でクルクル円盤回すアレだな。楽しそうだが。
初回と言うことで自粛したようだ。うん、進歩しました。
今日は市販のクリスピーなようだ。クルクルはまた今度な。
「フーン♪ フフーン♪」
「わーん♪ わわーん♪」
イズミの鼻歌に合わせてシロが跳ね回っている。
食う気マンマンだな。
さて、俺はコーラとフライドポテトでも用意しとこうかね。
アメリカンニートスタイルで。
サッチーが聞いたら泣いて羨ましがるだろう。
明らかに脂肪増産メニュー。
そのうち皆でピザパーもいいだろうな。
夜通しで、思い切り怠惰に。
仮想現実ってきっとこんなコトするタメにあるんだろう。
楽しもう。




