100 友達
9/23更新3つめです。
全プレイヤー共通のスタート地点『始まりの広場』。
ログインできたらここで待ってるハズなんだが……。
「あのヒト達じゃないですか?」
中央の噴水前に2人、たった今ログインしたようでキョロキョロしている。
いや、東条ひとりのハズなんだけど。
向こうがコッチを見た。
2人して俺を指さしてから小走りでやってくる。おいおい。
「ひょっとして土方くん? やだ、ナニその格好?」
「そりゃこっちのセリフだ。だいたい、なんで西崎までいるんだ?」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
駆け寄ってきたのは男女二人連れ、アバターもほとんどイジってない。
東条と西崎だ。
「テーマは『お転婆令嬢とイケメン執事』よ。設定聞く?」
ご遠慮します。
こいつらカップルでログインしやがった。
呪われろ。リア充どもめ。
「この子はイズミ。子犬がシロだ。俺の仲間な」
「イズミです。よろしくお願いします。NPCです」
「わんッ」
挨拶する2人?に東条たちは興味津々だ。NPCは初めてか?
「俺は東条克也。ゲーム内じゃトージョです。よろしく」
「私は西崎左知代。サッチーって呼んでね」
笑顔で挨拶を返す。うん、それ大事だぞ。
相手がNPCだとついつい横柄になってしまうプレイヤーもいるらしい。
しかしこのゲームの中じゃ、プレイヤーもNPCも変わらんのだ。
戦闘や生産ばかりに目が行きがちだが、そういうのも含めてこのゲームだと俺は思う。
イズミ見てると特にね。