表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホテルの一夜  作者: アヤ
7/9

男達

二次会でも女は男達に囲まれていた。

と言うより俺達のグループは男だらけで女は俺の元カノ1人だった。


熱心に話しかけてるのはさっき俺が注意した先輩だった。


サークルでも幅を効かせていた為に他の男達が話せないでいるようだった。俺もその1人だ。


「へーヴォーカルしてたんだ、俺もそうだったよ。」


「どんなジャンルに興味ありましたか?」


女は楽しいようで酒も進んでいた。そして先輩との会話も弾んでいた。

俺はだんだんイライラしてきたしヒヤヒヤもした。この女、先輩としけこむ気じゃないだろうな。


女は斜め隣に座っている。俺はちょっかいをかける感じで女のふくらはぎに俺のふくらはぎを合わせた。


「いい加減落ち着けよ」という意味も込めた。どうにも飲みすぎている様子だったからだ。


俺は女が昔のように動揺するのを待った、俺の知ってるあの恥ずかしいともなんとも言えない表情で下を向くのだとばかり思っていたが、女は表情も変えずに先輩と話している。


少し驚いたが、俺はふくらはぎをそのままにしておいた。お前は俺の元カノなんだよ。


「あーそろそろ終わりだなぁ、オーダーストップ入るし。」


「早いですね。」


「そうだ、これあげるよ。」


先輩は自分の中指に付けていたリングを外すと女の指にはめた。


あれは結構高い奴だ、俺もよく先輩が大事そうにしてるのを見てきた。


おいおい、いいのかよ先輩…。


「いや、これ高そうだし、貰えませんよ。」


女はぶかぶかのリングを外して先輩の指に返そうとした。


「いいんだよ、今日楽しかったし、お礼みたいなもん。」


何度かそう言う会話を繰り返すと、女は諦めたように「じゃあ、頂きます…」と遠慮深そうに自分の親指にそのリングを付けた。


先輩の名残惜しさがそのリングに現れているようだった。


俺はホテルに向かった、女も当たり前のように着いてきたのは言うまでもない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ