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ホテルの一夜  作者: アヤ
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違和感

会食が進む事に俺は違和感を感じた。


女の周りに男が寄り集まっているのだ、女の同級なら元友達として分かるが、俺の先輩やら同級やらがやたらと自分の隣の席に女を寄越したがる。


予想外だった。俺の中では女はまだ子供っぽい所があって、からかうくらいがちょうどいい年代だと思っていたが、よくよく見れば持ち前の明るさと共に落ち着いた対応も出来ており、その分黒の服が際立っていた。


迂闊だった、俺もまだほとんど話してないと言うのに、もう話しかけるのが難関になってきている。


再会をどう実現したものか、俺は考えあぐねてきた。


それぞれの二次会に進む頃、どう女に話しかけようかまだ悩んでいると、女の方から俺達の二次会グループに参加してきた。


さすがに酔ったのか、目元を赤くして笑顔がより子供らしくなっていた。


「大丈夫か?」


声をかけると一瞬ポカンとした顔をして


「大丈夫だよー。私がお酒に強いの知ってるでしょ?」


と満面の笑みを見せてきた、ご機嫌らしい。


次の店まで集団で歩いていると先輩が声をかけてきた。


「あの子お前の何?」


「え、元カノです。」


「可愛いじゃん、なんかヒヨコみたいに付いてくるし、何も知らなそうだし。」


こいつもか、俺が気付かなかっただけで女はしっかりと「女」に育っていたようだった。


「やめてくださいよ。」


「俺まだ何も言ってねぇよ。」


「手出さないでくださいね、あいつ本当に何も知らない感じだから。」


ヒヨコと言う表現が合致しすぎて少し笑ってしまった。中身は俺が知ってる元カノの女なのだが、外見はしっかりと女として成長している。つまり追いついてないのだ。


それで俺の違和感が理解出来た。




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