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自殺不可少年  作者: ふゆのイブ
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レイ

自殺をする人は弱いと言う。 たぶん現実の重さに耐え切れず諦めるからだろう。だがそれは間違っていると思う。 諦めるのにも勇気が必要だ。 特に、自殺の場合、諦めるのは学校の試験や就職じゃない人生なのだ。 それは明かに数万倍の勇気が必要だ。それに、自殺をする人が感情的で性急という考えも正しいとは言い切れない。彼の場合がそうだった。孤児院で育った彼は物心がついた頃から自然に自殺を考えるようになった。彼、レイは誰よりも冷静でいつも深く考えるような子だった。彼がそうなったのは、やはり子供の頃親に捨てられ社会の悪いところを知りすぎてしまったからだろう。

そのレイもいつのまに18。 孤児院から出なければならない年になった。簡単な荷物とお金だけで追い出されたレイは明るい日差しに目を細めながら言った。


"いい天気だな。自殺するにはもったいないー"


町にはいろんな人たちがいた。誰かは知り合いに出会い、誰かは一人であるいていた。今までも町の風景を見たことはあったが、観戦に一人になって見るのは新しい気持ちだった。

大きく息を飲んだ後彼は近所のホテルに向かった。ホテルに到着したら彼は安い部屋をキープして疲れた体をベッドの上で休ませた。そして彼は、今日の疲れを忘れるように眠った。

次の日、彼はロープを買いに行った。それも、普通のマートには人の重さに耐えれるようなロープは売らないため、さがすのにもじかんがかかった。

いつもより冷静な顔でホテルの部屋にたどり着いたレイは天井にロープを固定させた。


"短い人生だったが、これ以上に生きたって変わることはない。未練なく死ねる。"


静かに自分自身へ言ったあとレイはロープに首をいれて、椅子から降りた。ゆっくりいきができなくなったがレイの目に恐怖はなかった。そして彼は、彼らしく死んだ。


そのはずだった。目を開けたら、ベッドの上だった。自殺そのものが夢だったと思った彼だったが、首の周りがとても痛かった。

キノコを食べる前にはキノコアレルギーがあるのを知らない。レイもそうだ。死んでみる前には、自分が死ねない体だったことがわからない。そしてこの事件は、レイの人生にとってすごく大事な、出会わない方がいい人間に会わせる。

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