第7話ドルトンの死
ブルベアの森での戦闘から6年がたった。
この6年間は、ブルベアの森に行って魔法の練習と、何か効果のありそうな草花などを摘んできて本通りに薬などを調合したりしていた、そのおかげか『調合』スキルなどを手に入れた。
そして1週間前に毒魔法を完璧に習得した。
その毒魔法をマーリンに見せると
「お前に教えることは、もうない」
と格好をつけながら、いなくなった、
格好をつけていたのにはイラッとしたがマーリンのクソの様な顔を見なくていいとなるととてつもなく嬉しかった。
さて、明日はついにドルトンを殺せる。
だが、ただ殺すだけじゃあつまらない、いや許せない。
お前には苦しんで生きていた事を後悔させてやらなくてはその為には.....新しい魔法を作るか。
自宅の前の庭にある切り株に腰を下ろすと、意識を集中させ右手を前に突き出す、そして一気に光り輝くクリスタル状の魔力元素を生み出した。
本を読んで気がついたがマーリンはとてもバッサリと言っていた様で、魔法を生成するには元となる魔力元素から混ぜ合わせなくてはいけない、これに気づかなければ一生魔法など作れなかっただろう。
本当に使えないクズだ。
まず毒魔法の魔素を出来るだけ多くの魔力を使って発生させる。それに毒魔法の魔素、水魔法の魔素を合わせた毒液を発生させる。
【毒の魔素10%×(毒の魔素6%+水の魔素4%)=?】
さあ、どんなものができるだろう、手のひらで最初の毒の魔素と毒水の魔素を混ぜ合わせると.....
手のひらにファイアーボールのような形をした禍々しい色の魔法が出来上がった。
それを試しに岩にぶつけてみると、[シュー]と音を立てて一部が溶けてしまった。
(成功だ)
手で小さくガッツポーズをする。
そして念の為ステータスを見ると『消化魔法LV1』の文字がでていた。
これでドルトンを殺す準備が出来た。
今日の夕飯の後に殺そう
出来るだけ苦しめて、残虐に、いたぶって
(ようやく殺せる)
殺せるのが嬉しくてつい笑みが浮かんだ。
ドルトンが帰って来るまでまだ時間がある、どうするか。そんな事を考えていると、あくびが出た。
そういえば最近は、魔法の練習ばかりであまり寝ていなかった。
(寝るか)
家に入り階段を登り二階の自分の部屋に入る。
自分の部屋には、魔導書が散乱しているが気にする事なくベッドに倒れこんだ。
「帰ったぞー」
ドルトンの声で俺は起き上がる。
(はぁなんで寝起きまでこんなクズの声を聞かなくちゃいけないんだ)
内心いらっとする。
でも今日で終わりと考えると笑顔になれる。
「キリア、飯にするから降りて来なさい」
ドルトンに言われ俺は食堂に向かう。
食堂のつくえには、牛のステーキが乗っていた。
飯はいつも女の人が作ってくれている。
ドルトンとどの様な関係か知らないがいい人ではある。
ドルトンの目の前の席にすわるとドルトンが
「少しトイレに行って来るから待っていなさい」
そう言ってくる。
俺としては、先行っとけよ、ときれそうになるが、
この時だけは好都合だった。
ドルトンが食堂からいなくなったのを見計らって、ドルトンの飲み物に粉末状の薬物を入れる。
この粉は、ブルベアの森の睡眠草を粉にしたものだ。
この睡眠薬は速攻性の物で口に含むと倒れるように眠ってしまう。
これでドルトンが眠ればそれがこいつの最後だ。
粉をドルトンの飲み物に入れて少し混ぜあわせてから自分の席に戻る。
少しするとドルトンが食堂に戻って来た。
ドルトンは、席につきステーキを食べ始める。
早く飲み物に口をつけないだろうかと、ドルトンを見ているが、なかなか飲み物に口をつけない。
これ以上見ていると怪しまれる可能性があるため自分もステーキを食べ始めた。
魔物である、暴れ牛のステーキを一口サイズに切り分けて口に運ぶと、肉汁が口いっぱいに広がる。
そのうまみを堪能しているとドルトンが話しかけてきた。
「もう、魔法は、強くなったのか?」
「はい、だいぶ強くなりました」
「そうか、じゃあ今度大都に行ってクエストを受けて稼ぎに行こうか」
そんな事を言いながら飲み物を自分の口につけ「ごくり」と喉を鳴らす。
そして床に倒れこんだ。
「お金を稼ぎに行く日なんて来ないけどな」
俺は寝ているドルトンにそう言った。
寝ているドルトンを家の後ろにある古びた小屋に運ぶ。
体を壁に貼り付けるために両手に小屋にあった杭を打ち付け、それを両足にも打ち付ける。
だがドルトンは、まだ起きない。
(あれ、こんな強力な睡眠薬だっけか?苦しむ姿を見たかったんだけど、まあどちらにしろ、起きたら地獄だ)
10分程でドルトンは起きた。そして
「あぎゃー!?いだい、いだい、いだい」
無様な悲鳴を上げるドルトン。
「ようやく起きたか」
「おお、キ、キリアかこれをぬいてくれ」
「なんで?それをお前に打ち付けたの俺だよ?自分でやったものをなんで抜く必要があるの?」
そう言ってドルトンに近づき杭に蹴りを入れる。
「実の父になんて言い草だ!!お前の様なクソガキが下手に出てれば調子に乗りやがって!!」
痛みをこらえながら子供にでもわかる怒り顔を作り、怒声をあげる。
「そんな態度とっていいのか?」
「さっさと抜け!!クソガキ!!これが抜けたらお前なんて殺してやる!!」
「今思い出させてやるよ」
そう言ってドルトンの頭に手を起き
無属性魔法記憶を発動させ自分の記憶を全て送りこんだ。
するとドルトンは、驚愕の表情をして
「な、なんでお前が........」
「なっ、すぐに分かっただろう?」
俺は満面の笑みを浮かべる。
そしてドルトンはすぐに状況を判断して、俺に命乞いをして来た。
「ちがうんだ私は、お前を裏切れと脅されたんだ、許してくれ」
(この愚王は甘ちゃんだ、ゆるしを願ってきた相手を殺せるわけがない、かるくゆるしてくれるだろ)
そんな風にユウキを甘く見ていた。だが帰ってきた言葉は予想外の言葉だった。
「なんで許さなきゃいけないの?」
「へ?」
その言葉に思わず声が漏れ出てしまった。
「お前に俺が殺された事実は、変わんないだろ、それに脅した奴もしっかり(あの世へ)送ってやるから安心して苦しみながら死ね」
そう言って俺は、消化魔法LV1の『消化液』をドルトンに浴びせる。
「い、いだい!!、いだいやめでぐれ、許じでぐれ」
顔は消化液によってただれおち唇も溶けていて上手くしゃべることができない状態で泣きながら懇願してくる。とても、惨めで気持ちが良い。
「あははははは!!、楽しいなー本当に!」
楽しくてたまらない俺を苦しめた奴をこんなに苦しめられるなんて、最高で、最高で仕方がない。
「なあ苦しいか?」
「ぐ、ぐるしい、もうやべでぐれ」
「じゃあもっと苦しんでくれよ」
ユウキのその、最悪な一言を言い小屋にファイアーボールを放った。
すると小屋に火がつき、周りは一面火の海とかした。
「じゃあなドルトン、火に焼かれて豚の丸焼きにでもなれよ」
そう言って小屋から俺は出て行った。
外から見てみると小屋は完全に火だるまになっていた。
(ここでも悲鳴は、聞こえるだるうか?)
少し心配するが、すぐに
「いぎゃーーーー!?」
悲鳴が聞こえてくる。
そんな声を10分程楽しむと声が聞こえなくなった。
(死んだかな?)
水魔法LV2ウォーターウォールを使って小屋の火が燃え広がらない様に消して行く。
炭になった小屋の奥には、何もなくただ、黒い炭が横たわっていた。
「スッキリしたし寝るか」
そう言ってユウキは自分の部屋に戻って行った。
そろそろヒロインを出そうかな、と考えています。あともし、面白いと思った方は
できれば、感想をください。
よろしくお願いします。
次の投稿は、明日になります。