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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第八章反撃開始
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第81話化け物

少し短いかな?と、思います。

エミリーが右手を振ると周りの氷が全て消え去る、まるで存在そのものが無かったように。

目の前の氷の銅像を一瞥してから辺りを見渡してみる。


「ちょっとやり過ぎた....わね.....」


改めて見るとここまでやる必要は無かったのではないか、そう思う。

周りの家は全てボロボロで完全になくなっているものまである。


「そういえば.....ミキ、は?」


今思いだした、私はミキを、義弟と一緒に来ていたのだ。


「ミキ!!ミキ返事をして!!いないの!?」


エミリーの叫び声も虚しく、どこからも返事が返ってくることはない。


まさか.....さっきの氷に巻き込まれた!?


嫌な予感が旨を貫く。

だが、その時後ろから。


「安心しろエミリー、ミキは助けといた」


後ろから聞こえてきた声にビクッと体が震えた。そこに居たのは今一番会いたく無かった、この姿を見せたく無かった人。


「ユウキ....さん.....」


「どうしたエミリー、そんな暗い顔して」


「いえ、何でも....どうしてここに?」


「流石にあんな馬鹿でかい氷塊見せられて来ないわけないだろ?」


そう小さく嘆息する。


「その時偶然ミキが氷に巻き込まれてたから助けといた.....まあ気絶してるがな」


ユウキの腕に抱かれているミキは何故か笑って寝て居た。

エミリーはミキに恐る恐る手を伸ばすが、触れる寸前で、手を止める。


「ごめんミキ......もう私...ミキに触れる事も出来ないみたい....」


エミリーが触れかけたミキの腕には霜がびっしり

張り付いている。

エミリーは下を向く、泣いているのかよく分からない。

そんな様子に苦々しく、顔を歪めた。


「エミリーすまなかった.....」


ユウキは優しくエミリーを抱きしめる。

エミリーは嬉しく感じたが凍らせてしまう事に畏怖して離れようとした。

だが、離れる事が出来なかった。

抱きしめてくれているユウキはとても暖かい、既に体温機能が壊れてしまっているエミリーが唯一理解した優しい暖かさ。

涙目で顔を見上げるとそこには.....


髪や腕が凍りついているユウキの姿。


やはり私は化け物......人とは一緒に暮らせない。


そう物語っていた。

涙が止まらない......いや、もうこれも涙ではなかった、氷の結晶が地面に落ちる。

そんな私にユウキがそっと耳打ちした。


「お前だけ化け物でいさせない」


そんなことを言うとエミリーの涙をそっと拭って体を離した。


「ヒースミル、ミキとエミリーを家に連れて行っておいてくれ」


「ご主人は何をぉ?」


ユウキの体から炎が出現したと思うと、体を腕を燃やし、氷を溶かし鎮火した。


「俺は.....この復讐に決着をつけてくる」


何かを決めたような、決意をした目で城を見上げた。


この時ユウキをエミリーに合わせなければと、後にヒースミルは後悔する事になる。



「案外あっけないものですね」


「後あなた1人ですよ?救援を呼ばなくて大丈夫ですか?」


見てみれば周りには銃兵がたおれ気絶している。

後はオーデンただ1人、そのオーデンは不気味に笑っていた。


「何を笑って?.....ッ!危ない!!」


妖狐はオーデンがあまりに不気味なので心を読んでみれば案の定。

後ろには銃兵が隠れていた。


「ッ!妖狐!?」


気づいてカノンを庇ったのはいいのだが、その結果自分が銃弾に左腕をうがれた。


「いったぁ.......」


「妖狐!大丈夫!?」


その言葉を最後に妖狐はもう言葉を発さなくなくなった。


「妖狐!返事をして!!聴いてる!?......」


「妖狐ぉ?こっちにぃ来なぁさぁいぃ?」


「はい」


まるで指輪で命令されたように妖狐は素直にオーデンのもとに行く。


「ッ!妖狐.....」


「ざまぁ見ろぉ!!仲間にぃ殺さぁれるぅが良いのでぇす!!」


オーデンは狂った瞳でカノンを見、叫ぶ。


「さぁ、狂人同士で殺りあいなぁさぁーい!」


その一言で妖狐が一気に動き出しカノンの前に飛び込むと命を刈り取ろうと手に力を入れる。

カノンもそれに応戦しながらなんとか凌ぎきっている。


「仲間を殺せぇますかぁ?出来ぃませぇんよねぇ?ざまぁないですよぉ〜!!」


オーデンが全て掌で踊らせていることに歓喜に打ち震えた声を出す。

その時カノンは笑っていた。


すいません妖狐、不謹慎なのは分かってるんですが........どうしても笑いをこらえきれないんです


自身の顔を笑みに変えると、エミリーの風魔法をしゃがんで回避し、地面に手をつく。


「消えろ!」


その言葉と同時に妖狐の足、真下に穴が空き吸い込まれるように妖狐は穴の中に消えて行った。


「な、なにぃ!?なぜだぁ!?」


「私はこの事を知っていました、その対処法も」




『いいかカノン、この国にはある弾丸がある』


『弾丸ですか?』


『その弾丸なんだが、もし当たると体の自由が奪われ、人形にされる......まあ、指輪と一緒だな』


『そんなのどうすれば?』


『だからそのために一応『瘴気』スキルをカノンに渡しておく、もし仲間の誰かがその弾丸に当たったら落とし穴に落とせ、その隙に命令者を殺れ』




「言った通りすぎて笑みが止まりませんでしたよ」


ユウキの考え通り拳銃を使ってきた、出来る事なら使わせる前に殺しておきたかったが、オーデンの勝ちを確信した顔を見た時つい、わらってしまった。

だってここまで掌の上で踊ってくれる馬鹿はそうそういないでしょう?


「それにしてもいい武器ですね?私も欲しくなっちゃいました」


妖狐の穴に借りている木属性魔法LV1で穴を塞ぐと後ろの隠れていた銃兵に飛びかかった。


「ひっあっ!.....」


「ふむ、これは.....材料のレシピさえあればいくらでも創造出来そうですね....城を後で漁りますか」


銃兵から銃を取り上げアイテムポーチに入れると。


「さぁくせん通ぅりぃだぁとぉー!?!?ふざけぇるなぁ!!!神の武器をぉ!!愚者にぃ!狂人にぃ!!渡すものかぁ!!!」


オーデンがあいつらを掌で踊らされていると思えば全くの逆、自分があいつらに踊らされていたという事実。

あまりの屈辱にオーデン激昂した。


怒りのままに2丁の拳銃を両手に構え、発砲。

カノンに多数の銃弾が襲いかかる。

だがその軌道とは全く違う空中にカノンは高く跳躍、する。

すぐにオーデンも拳銃を上に向けカノンを追尾するが、そこにカノンの姿はない。


「どこにぃっ!?」


「ここです」


声が聞こえたのはオーデンの真下、ロープが後ろに伸びている事から、跳躍した時に紐を伝って降りてきたことは明白。

そして次に自分の体が切り裂かれる事も明白だった。


「神よ!!神よ!!我にたすけぇをぉ!!」


「神なんていませんよ、この国にいるのはただの人ですから」


カノンの精霊剣焔・氷による流れるようなニ閃、

4枚の輪切りに切り裂かれていた。


「くへぇ!?」


「哀れですね」


その一言でオーデンの体はバラバラに崩れ落ちた。



「すいません妖狐さん、流石に深く落としすぎました」


穴から妖狐を引っ張り上げ、服についた土を払う。


(む?これは.....)


その時手が胸に触れた。

これはまさか......無防備で棒立ちする妖狐の胸を揉みしだく。

この大きさは.......私より上!?

普段はおんなじくらいに見えるのに......着痩せするタイプだったとは。


「こんな所にとんだ伏兵が.......エミリーちゃんにも負けてるのに.....」


今度創造のスキルで胸を大きくする薬でも創造して見ようかな......

そんなくだらない事を考えていると....

後ろから多人数の足音、振り返ればそこには。


「お前ら....愛の国の騎士様達になんて事を.....」


「てめぇら、可愛い顔して、何て、何て残虐なんだ!!」


今まで散々な目にあっていたというのにまさか仲間だったとは、だが一応操られているのだろう。


「殺すわけにはいかないですよね」


「殺しちまえ!!そしてリク様に捧げろぉ!!」


「逃げますか妖狐さん.......ってまだ人形でした」


仕方なく妖狐を抱き上げて走り出した。

向かったのは城方面だ。



「まだか!まだ帰ってこないのか!?」


リクが苛立ち交じりに地団駄をふむ。

ここは城四階のど真ん中玉座の間。

その上にふんぞり返り執事やメイドにいばり散らしている。


「すいません、アビィスナイツ様方に連絡を取ってはいるのですが.......全く繋がらず.....」


「ええい!!何をしておるのだ!!遊んでおるのか!?」


「そのような事はないと思われますが......」


腕を悩ましげに組ませ指を手に着くひつじ、リクが我慢ならんとばかりにその場を立ったーその瞬間。


「よお、久しぶり、リク」


傍にいきなり現れた無礼ありすぎる態度の少年。


「はぁ?糞ガキ、お前何様フゲェ!?!?」


少年が目の前で指を折り曲げ拳の形をとった、するとリクの顔面がいきなり歪み、空に螺旋を描きながら壁に激突。

あたりに壁の破壊音を響かせた。


「な、なんて事を!....」


「神を殴るなど天罰が下るぞ!?」


などと頭を抱える者や、少年を罵倒するものなど。

だがそんな事気にしないとばかりに目から発せられる怒りの相貌はさらに強く黒く輝いていた。


「やっと会えた、俺はお前に会いたくて仕方なかったよ......」


少年の顔は狂気、満面の笑みに歪められた。

その顔を見た瞬間リクはなぜか記憶にもないこの少年から恐怖に似た何かを感じた。


「ようやく殺せる」


瞳から殺意が漏れ出し、足が動く。

壁に背を預け冷や汗を垂れ流しながら、こちらを見ているリクの頭に手を置いた。


待ち望んだこの瞬間、今からリクを拷問する。

燃やす、呼吸困難、水責め、鞭責め、内臓を抜く、血を抜くのもいいな......それともオークのメスにでも襲わせようか。


記憶魔法を使いながら想像を働かせていると。

突然の風切り音。


「ッ!......」


咄嗟に手を離し後ろに距離を取ると、先程少年が立っていたそこには光り輝く槍が突き刺さっていた。

その時上の階から床が抜け落ちる。

落石がリクの上に落ちたと思えば、そこには青年が立っていた。


「お前は誰だ?」


何故か黒い礼服に身を包み、帽子を深くかぶった青年がそこにはいた。


「君という悪を倒しに来た正義だよ、くはははは!!」


両手を広げ高笑いをする青年。

狂った正義がついに歩みを進めた。

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