第6話 初めての戦闘
右手に準備していた魔力で火魔法LV1の『ファイアーボール』を発生させる。
「ファイアーボール」
ブラックボアに当たると少し痛そうにしたが死ぬ事はなかった
だめか、やはりこの程度じゃ死なないか。
(はぁーめんどくさい奴らだ)
少しだけめんどくさいことになったため魔物を恨む。
(めんどくさいからさっさと殺そう)
ファイアーボールでは全く殺すには至らないため、右手に火魔法LV2の『ファイアーランス』を5個、左手に風魔法LV2の『ウインドカッター』を5個用意して構える。
普通は、無詠唱で、しかも5個魔法を出せたりしないのだが、そこら辺は、置いておく。
ブラックボアがこちらに牙を向ける。
「BOOOOOOO!」
すると魔物らしい咆哮を上げ自慢の牙を前につっこんでくる。
「うるさい」
ブラックボアの単純な動きをかわしながらブラックボアの首に1個ウインドカッターを押し当てて首を両断した。
今度は、こっちから攻めさせてもらおう。
にやりと笑いファイアーランスとウインドカッターを次々と魔物に投げ付けていく。
ファイアーランスがブラックボアの胴体に突き刺さったり、ウインドカッターが、ゴブリンの体を真っ二つにしたり。
それに対してゴブリンとブラックボアは、声にならない悲鳴を上げる。
そして、数分もすると
周りは、血と肉の残骸になっていた。
1匹を除いて、ゴブリンソルジャーは、無傷のまま立っていた。
ゴブリンソルジャーは、
周りを見渡して
「ギギャーー」
怒りをあらわにした声をあげると剣を振りかぶりながら俺の方に突っ込んで来る。
馬鹿な奴だ、そう思い『ファイアーランス』を真正面から叩き込む。
目の前に飛んでくるファイアーランス、だがゴブリンソルジャーは、抜き身の剣をで振り払い魔法を真っ二つにした。
(まじか...)
驚いている暇もなく、今度は俺の方に剣撃が飛んでくる。
それを俺は横っ飛びをして回避する。
(どうする、逃げるか?)
そんな事を考えている間にもゴブリンソルジャーは、次々と剣撃を繰り出してくる。
このままでは、マズイと思い。
風魔法LV1の『トルネード』を地面に放ちその反動を利用して距離をとる。
だが、すぐにゴブリンソルジャーは俺を目で追い、走ってくる。
これでは、逃げられそうにない。
仕方ない、一か八か試すか、魔力がもつだろうか?
少し心配するがどちらにしろ殺るしかない。
そう考え右手に自分の全魔力を込める
(あいつが次、突っ込んできたら魔法を放つ)
来たっ、ゴブリンソルジャーは、剣を上段に構えてつっこんでくる。
そんな、ゴブリンソルジャーに右手を向けるそして
「獄炎」
LV5の火魔法を放った。
『獄炎』は、ファイアーボールに似ているが、色が血のような赤色で名前の通りとても熱い。
いや、熱いなんてものじゃない、威力だけなら上級魔法だろう。
それをゴブリンソルジャーは、剣で切ろうと振りかぶった。
剣が『獄炎』に向けて振り下ろされると、剣はドロドロと溶けていった、走りながら切ったためゴブリンソルジャーをその勢いのまま『獄炎』に飲み込まれた。
ジュウという音と、ともにゴブリンソルジャーは、悲鳴を上げる暇なく消え去った。
「はぁー疲れた」
魔力を全て使いきったせいで体がだるい。
少し休むと、体が楽になって来たのでLVがどれだけ上がったのか、確認する事にした。
「ステータスオープン」
目の前に文字が浮かびあがる。
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ユウキ LV8 7歳
HP:245
MP:296
筋力:198
スタミナ:149
防御力:123
器用さ:72
魔法:火魔法LV5 水魔法LV2
風魔法LV3土魔法LV3 闇魔法LV2
光魔法LV1
スキル:剣技LV2 突進LV3
棍棒LV4
固有魔法:無属性魔法(記憶)
固有スキル:復讐者LV1
称号:元王様 復讐する者 無を使う者
奪う者
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なんだ、これ?
ステータスの成長が凄すぎるのだが、それに剣技、突進、棍棒なんてスキル持っていなかったはずだ。
もしかして、復讐者のスキル使ってステータス奪っちゃった?称号にも奪う者ってあるしそれならいろいろと説明もつく。
でも、俺べつに魔物の事、特に恨んでないんだけど......うーん
あっ最初に魔物に周りを囲まれた時少しだけ恨んだ。
たったそれだけで復讐者のスキル発動するのかよ。
案外復讐者のスキルの条件は緩いらしい。
ステータスの謎も解けたしブラックボアの死体から牙を5本剥ぎ取る。
これを持っていくことで倒した証明になるからだ。
少し欠けた物もあるが気にしない。
(さて、帰るか)
俺は、来た道を戻り始めた。
10分程でマーリンのいる馬車が見えて来た。
馬車の近くに行くと中でマーリンが昼寝していた。
(今なら、殺れるんじゃ)
そう考えるが、まだ辞める一番最初は、ドルトンと決めているし。
そんな事を考えていると、マーリンが「うぅーー」
と声を出して起き上がりこちらを見た。
「あれ、もう終わったの?」
「はい、終わりました、ブラックボアを倒した証明の牙です」
「ありがと、じゃあ帰りましょうか」
ユウキが馬車に乗り込むと、馬が走り出した。
次の投稿は、明日の予定です。