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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第六章 国ホープでのたわいもない日常
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第57話エミリー誘拐

今回の話にレイとキミヲが出てきます、よく分からない方は50話を読み返してください。

少し臭い馬宿には人間達が集まっている。

だいたいが商人か貴族のぼんぼんだろう。

そして俺達も旅の馬を借りにエミリーとミキと一緒に馬宿に来ていた。

ちなみにカノンとリンは

「確かにこれは夜中にコソコソと食べるだけあるの!!」

「そうですね!やはり甘いものは美味です、至高です!」

などと言ってホットケーキやケーキを家で食べまくっていた。

「あいつらを無理にでも連れてくればよかった」

今俺達は馬宿に来てはいるのだが、貴族や商人に囲まれていた。

理由は簡単だ、エミリーだ。

エルフ族のエミリーは高値で取引されており、そしてなかなか手に入らない代物でだいたいが大物商人に全て持って行かれるのだ。普通の商人としてエルフを売ることは夢のような話なのである。

貴族からすれば可愛いく愛奴隷としてよく、子供を産ませれば強い子供が生まれる、そしてエルフを買うことは権力の象徴とも言われている。

そして何よりエミリーが可愛いのもあるだろう。

「俺は金貨10枚出すぞ!」

「俺はその倍の20枚だ!」

「だったら俺は25枚だ!」

「なら俺は......」

(おい、なんで勝手に話が進んでるんだ、俺は売るなんて一言も言ってないぞ?)

「どうしましょうキリアさん」

「こいつら姉ちゃんに手を出すならぶっ飛ばしてやる」

「馬鹿やめろ、今は事の成り行きを見守ろう、逃げ出せる瞬間があるはずだ」

とりあえずじっと待つことにした。

「待て待て商人ども貴族達よ、エルフは私がもらう」

商人貴族をかき分けて出て来たのはミクロス卿、この国の大貴族だ、なんともデブだ。

隣には大柄の男達がいる、ボディーガードと言うところだろうか。

「あっあなたはミクロス卿!!」

「悪いが私はあの子に惹かれた」

そう言ってエミリーの前まで行くと、

「姉ちゃんに寄るな!」

「なんだこのガキ、失せろ」

「なにをっ!ガッ!?」

ボディーガードに思い切りミキはなぐられる、後ろの木箱に激突した。

(殺すか?いや人が多い)

俺は手が出ないように必死に留まり続ける。

「プレゼントだ」

エミリーの首に光り輝く石をかけた。

すると

(エミリー?)

目の色が変わった、なんと言えばいいのかわからないが別人のように..........

「僕と一緒に来てくれるな?」

ミクロス卿がエミリーの前に手を差し出すと、エミリーはその手を取った。

「はい」

「おい、エミリー何言ってるんだ!?」

「姉ちゃん!?」

(あの石が原因か.....)

「くそ、今助けてやるからな」

エミリーの首にかけられた石に手を伸ばすが....

「何言ってんだお前!!」

商人達に思いっきり顔面を殴られた。

「くっ」

普段なら避けるが今はくらっておく、

「なんだお前よわっちいな」

(今目立つのだけは避けたい、けどエミリーを助けないと)

「おい、ミキ今は引くぞ」

「えっ!?なんで!?」

「さすがに場が悪い」

あたりを見渡すと商人どもが取り囲んでいる。

俺はミキを掴み商人を飛び来れると、逃げ出した。

「逃すわけないだろ、全員そいつらを殺せ!誰を敵に回したか教えてやれ!」

ミクロス卿がそう叫ぶ、さすがに我慢をし続けたせいで痺れを切らした俺は振り返ると

「お前こそ誰を敵に回したのか覚えておけよ」

まるで悪人の逃げぎわのセリフの様なものを残して俺は逃亡した。



「なんでだよ兄ちゃん!!姉ちゃんが捕まったんだぞ!!また人間に酷いめに合わされるかもしれないんだぞ」

最近になって俺は、凶悪な人族から、兄ちゃんにランクが上がった。

「だろうな、だがあそこでいくらもがいても助けられない、逃げられる」

「でも!.....それでも俺!!」

馬宿に行こうとしているミキの肩に手を置き引き止める。

「大丈夫だ、今からエミリーを助けに行く、だからミキはカノンとリンを連れて来てくれ」

「わ、わかった!!」

ミキは一目散に宿屋に向かっていった。

「さて、と」

俺は路地裏に入り、人が全くいない場所にあえて入るそして。

「出てこいよ」

「ちっ、バレてやがったか勘のいいガキだ」

ぞろぞろと俺を取り囲むように大柄の男達が現れた。

「おい、お前最後の言葉はそれでいいのか?」

「何いってやがるそれはこっちのセリフだぜ、それとも俺達に勝てるおつもりですか坊ちゃん?」

その言葉に周りの奴らも笑い出す。

「全くだぜ、本当にお前ごときに俺達が借り出されるのが納得できないぜ」

「そっかじゃあな」

「何言ってんの?ぷっ!フグッ!?」

思い切り天高く蹴り飛ばす

「なっ!?」

「次」

1人また1人と次々にぶっ飛ばされて行く。

「に、逃げろやばい、こいつはやばい」

「逃がすわけないだろ、木造大蛇喰らい尽くせ」

その言葉と同時に大蛇は姿をあらわすと逃げようとしていた男に食らいついた。

「いやだ、俺はまだ死にたく......」

大蛇は男を噛み砕く、血が吹き出し大蛇の口を真っ赤に染めた、そして飲み込んだ、すると大蛇は一回り大きくなる。

(へぇ、成長するのか)

「木造大蛇ここの人間全部食べていいぞ」

俺の言葉にコクリと頷くと大蛇は全てを丸呑みにした、

「さて、誰の差し金だ?」

俺は1人を捕まえて壁に叩きつけ尋問をしていた。

「言うわけないだろ、へ、殺せよ」

「いやまだお前は殺さない、安心しろどうせ後で殺す」

俺は悪辣な笑みを浮かべると男に向けて手のひらを当てた。

しばらくの間路地裏からは妙な絶叫が響き渡っていた。


「ああ、いい買い物をした」

ミクロス卿は家に戻りエミリーに首輪をつけると自分の部屋に監禁していた。

「どうだ気分は?」

「ここから出しなさい!」

「やはり司令石をつけておいた方がいいのか?でもそれだと生の反応が見れないんだよな」

そう言っておもむろにエミリーの胸に手を伸ばす。

「やめてください!」

その手をエミリーは叩いた。

「手厳しいな、でも夜には僕のいぬになっているさ」

そう言って心底楽しそうに部屋から出て言った。

「キリアさん.....助けて....」

部屋にはエミリーの孤独な声がこだました。



「おい主様!これはどう言うことじゃ!」

「エミリーちゃんが拐われたって本当ですか!?」

「ああ本当だ、だからさらったミクロス卿を潰す、だが相手は大貴族だすぐに旅立てるようにしたい、だから馬車を手に入れてくる班と潰しに行く班で別れたいんだが、全員エミリー助けに行きたいよなぁ」

その言葉にコクコクと頷く。

「なら今のうちに馬車を手に入れて、今日の夜にミクロス卿を潰すって事でいいな」

ミキを除く全員が悪辣な笑みを浮かべた。



俺は1人ある闘技場に来ていた、そこにはレイとキミヲがよく来ていると噂で聞いていたからだ。

(おお、戦ってる)

レイは剣に炎を纏わせ、キミヲは闇魔法を身に纏わせ戦っている。

Aランク冒険者にもなればこれくらいはやるのか。

レイとキミヲは相手を完封し闘技場から出て来た、俺はそのタイミングを見計らって声をかけた。

「あのーレイさんキミヲさん」

「ん?サインならまた後.....ってキリアか?」

「はい、少し聞きたい事が......」

「俺は構わないけど、キミヲは?」

「俺はもう一戦やってくる」

そう言って闘技場に戻って言った。

「あいつが悪いな」

「いえ別に、いきなり呼び止めたのはこちらですから」

「そうか、あ、聞きたい事があるなら場所を移そうか」

「はい分かりました」

俺はレイが言う通りについていく、ついたのは闘技場の上にある観覧席だった。

「ここでいいか、おっキミヲが戦ってるぞ、頑張れ!!」

声を張り上げキミヲを応援すると闘技場のキミヲは鬱陶しそうにレイをにらんだ。

「やっぱこえーなキミヲは、それでなにが聞きたいんだ?」

「あの、実はミクロス卿について教えて欲しいのですが」

「どうしてそれを聞きたいんだ?」

「少し気になっただけですよ」

「そうか?まあ教えてやってもいいけど交換条件でいいかな?」

「条件とは?」

「キミヲと戦ってくれ」

(うわ、めんど)

それって弱い振りしなきゃいけないじゃないか。

「どうかな?」

「無理ですよ、私はキミヲさんより弱いですし、死んじゃいますよ」

「大丈夫だって、キミヲにも手加減するように言うからさ」

(そうしてまで戦わせたがると言う事はやはり布石の事を意識してるのか)

「.........そこまで言うなら、分かりました」

「そっか良かった!じゃあ俺も教えるよ、ミクロス卿はこの国の4大貴族の1人と言われている、その中でも最も嫌われている貴族だな、まあ、ぶっちゃけると俺も嫌いだ」

「何故ですか?」

「あの方、いやあのクソ野郎は大の女好きで気に入った女を自分のものにしては飽きたら少し金を渡してポイ捨てだ、しかも税金も払わず御託を並べて逃げて、店の人間に気に入らないとか言って店を壊したり、本物のクソ野郎だ」

(へぇ、それは殺しがいがあるなぁ)

「だからあんな奴詮索しようとかしないほうがいいし、関わらないほうがいいと思うぞ」

「あの、ミクロス卿の住んでいる場所はどこですか?」

「えーと確か第8地区の貴族街の一番奥の屋敷だったはずだが、なんでそんな事聞くんだ?」

「いえ、ただの興味本位です、それよりミクロス卿の被害は今後無くなりますよ」

「どうしてそんな事が........」

言えるんだ?レイがそう聞く前に俺はその場に立ち上がり。

「さて、キミヲさんと戦いますか」

俺は理由を聞かれる前にそそくさと逃げだした。


キミヲと戦い結果、俺は負けた。

俺なりに上手く負けれたつもりだが、どうだろうか、上手くできていただろうか。

「では私はこれで」

俺は逃げるように立ち去った、これ以上ボロを出したくないからだ。

「おう、じゃあな...ってもういないか、で?どうだった」

「普通に弱かった」

その言葉を聞いてレイは少し嬉しかった。

だってキリアが弱ければ敵になる可能性は限りなく低いのだから。

「だが少しおかしい」

「おかしい?」

「戦いになれば確実に殺気が出る、逆に殺気を出さないほうが難しい」

「まさか、キリアから殺気を感じなかったのか?」

「ああ、殺気を隠せるほどの実力者なのか、それとも本当に弱いのか、どっちが有力だと思う?」

「.......どっちだろうな、けどもし前者なら、わざと実力を隠してるって事だから、俺達の敵になる自覚があるって事じゃないか?」

「それなら最悪だな」

「ああ、だが俺達はどんな困難でも2人で乗り越えてきたじゃないか!」

そう言ってレイがキミヲの首に手を回す。

キミヲは怪訝そうな表情をするがやめろと口にはしなかった。

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