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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第四章 獣人の国崩壊
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第33話潜入3

バルザと別れた、カノンはポケットから紅色に輝く指輪をつける。

この指輪をカノンは気に入っていた、なにせユウキからもらった物なのだから。



お気に入りの指輪を少し見てから、書斎に向かい歩いていく。

だが気分はあまり乗っていなかった。


(はぁ〜さっきはついやってしまいました)


アセロラの部屋での事を反省する。

結果的には良かったが、確実にバルザにカノンがアセロラを殺そうとしていた事がバレてしまった。

自分ではやってはいけないとわかっていたはずなのに、

どうしても耐えられなかった。

クズが、あんなゴミが、私を救ってくれた人を侮辱する事が....


(本当に駄目ですね、私は.......)


自分を責め続けながら書斎に歩き続けたが、そこで重大な事に気がついた。


(そう言えば書斎ってどこにあるんでしょう?)


今更そんな重大な事に気がつき、ちゃんと聴いておかなかった自分のダメさにため息を吐くと、部屋を順番に開けていった。



(ようやく見つけました.......)


何個もの部屋を開けてようやく見つけた書斎。

そこは書斎と言うにはあまりにも大きかった。

本がズラーと並びその真ん中に机と椅子が置いてある。

書斎と言うより図書館といった方がしっくりとくる感じだ。


(さてと契約書の紙は........)


机の中を漁ろうと近づいた時にようやく気がついた。

たくさんの散らばった本の上に一人の獣人がいる事に。

姿は見えないので近づいてみると寝ている事がはっきりとわかる


「すぴー、すぴー」


寝息を立てるほどに。


(女の子.......ですよね?)


寝ていたのは銀色の短髪の女の子で頭に可愛らしい猫耳がぴょこんとついていた。

そして腰には、武器と思われるレイピアがつけられていた。

(兵士でしょうか.............無防備ですね、まあ、起きていても姿が見えないから問題ないでしょうが........)


指輪に信頼を寄せ、兵士を気にせず机を漁ろうと手を伸ばしたその時。


「誰かいるのかにゃ〜?」


そんな声と同時に兵士は目をこすりながら起き上がった。


(もしかして気配でばれた!?)


そんな心配をしていると


「あれ?誰もいないのかにゃ?匂いがしたんだけどにゃ〜」


そう言って鼻をすんすんと鳴らした。


(そうでした!この指輪は、匂いは隠せないんでした!)


こちらに鼻を向ける女の子に少し後ずさりながらも冷や汗を垂らす。


「やっぱり誰かの匂いがするにゃ〜でもいないのにゃ、うーん?」


そう言って首をかしげる。

普通の知能がある人ならばここで気のせいにしてすませるだろう、だがこの女は。


「匂いの元は........ここにゃ!!」


叫びながら腰についているレイピアをカノンめがけて突き刺してきた。


(なっ!?)


それをカノンはとっさに右手でかばう。

その時とんでもない不運がカノンを襲った。

なんとレイピアはカノンの指輪に直撃し粉々に砕いてしまったのだ。

赤い宝石の破片がキラキラと空を舞う。

その結果カノンは姿が見えるようになってしまった。


「やっぱりいたにゃ」


その言葉と同時に兵士はカノンから離れて距離を取る。


「何の用でここに来たのにゃ?いや、やっぱりそれは言わなくていいにゃ、敵なのかにゃ?味方なのかにゃ?」


気に入っていた指輪を粉々に粉砕されてご立腹な様子のカノンは、キッと兵士をにらみ


「少なくとも味方ではないですよ」


そういって精霊剣炎と氷、二本を腰から抜き取り構えをとった。


「まあいいにゃ敵なのか味方なのかは倒してから聞くに

ゃ!!」


そういってレイピアを手に構え地面を蹴った。

その速さを殺さず、勢いのままカノンに突っ込んでいく。

それを二本の短剣を使い防ぐ。

短剣とレイピアがあたりキンと、金属音が上がった。


その瞬間にレイピアを捌き兵士に向かって剣を振り抜く。

が、虚しくも空を切った。

兵士はカノンが短剣を振り抜くと同時に後ろに飛び上がっていた。


「まさか最初の突きを防がれると思わなかったにゃ、うーん勿体無いにゃ......名前はなんて言うのにゃ?」


「そちらから名乗るべきでしょう?」


生意気にもそういうと、手をポンとうった。


「確かにそれもそうにゃ、私の名前はフィリスと言うにゃ、そして獣国騎士団、副団長にゃ!」


「私の名前はカノンです」


「カノンと言うのかにゃ..........ねえ、カノンにゃん?騎士団に入らないかにゃ?」


「どうして敵である私を誘うんですか?」


「私は強い奴が好きにゃ、出来ればカノンちゃんみたいに強い獣人を倒したくないのにゃ」


さも当たり前のように倒せる発言をする。


「そうですか、じゃあ倒してから言ってください」


流石に今のいいようにイラっときたカノンは吐き捨てるようにそう言った。


「残念だにゃ、せめて本気の私で倒してやるにゃ!」


その声に応じて、フィリスの足には風が纏わりつき靴のようになった。

そして、フィリスが足を動かしたと思ったその瞬間、フィリスは目の前から消えていた。


「えっ?」


驚きのあまり声が出てしまう。


「ここにゃ」


その時声が後ろから聞こえてきた。

とっさに振り向くとそこには足に風をを纏っているフィリスが本棚に捕まっていた。


「行くにゃよ」


そういってフィリスは本棚を蹴った。

本が舞う中、猛スピードでカノンに迫ってくる。

それをとっさに横にかわすが、かわしきれず左腕を擦り血が流れでた。


「まだまだ行くにゃ!」


そういってフィリスは反対側の本棚を蹴る。

また猛スピードで迫ってくる。

またかわしきれず傷を追う。

同じような事を何度も何度も繰り返してくる。

同じ行動を繰り返しているだけだがいくら短剣を振っても当たらない、はっきり言って速すぎる。


「くっ..........」


どうすれば、そんな事を考えながら、擦り傷を追い続ける。


「かわしてばっかりじゃ私は倒せにゃいよ?」


余裕そうにフィリスは言う。

もしかしたら精霊剣炎に魔力を送り『炎柱』をフィリスに向けて放てば倒す事が出来るかもしれない、だが書斎が燃えてしまうのだ。

書斎が燃えた場合資料も燃えて灰に変わるだろう。だから精霊剣炎は使えないのだ。


(どうにかしてスピードを下げさせないと...........)


そこである考えが浮かんだ。

その考えが浮かんでしまった自分が恐ろしく、変わっていることがよくわかる。

でもこれは当然結構な賭けになる。


(でもやるしかない.......)


賭けに出る事を心に決めて、精霊剣氷を地面に手放した。


(んっ?なんのつもりかにゃ?)


急に抵抗をする事をやめるかのようにカノンは体から力を抜いた。

フィリスはそれを警戒する。

はっきり言ってどこをどう見ても罠としか思えないからだ。


(罠......なのかにゃ?)


だが青色の短剣を地面に置いたところを見るに諦めたと取る方が頷ける。

諦めたのかそれとも罠なのか..........

だがそこでフィリスは考えるのをやめた。

なにせ罠だろうとカノンには自分を捕まえる手段が無いのだから。

万が一さっきの速さにはついてこられたとしても最後の一撃で突進スキルLV1『突進』と細剣スキル内で最速LV4『絶突細剣(ぜっついのレイピア)』を使えば確実だろう。

そう考えて本棚に掴まりながら、『絶突細剣』を発動させた。


『絶突細剣』それは自身のスピードをレイピアを穿つその瞬間のみ一時的にスピードを飛躍させる。

名前の由来は絶対に(レイピアで)突く事が出来る事から来ている。


「これで終わりにゃ!」


その言葉と同時にフィリスが本棚を蹴った、さっきとは比べ物にならない程の速さでカノンに向かって跳躍する。

絶対に躱さなくてはまずい、それを見ている者ならば誰でもわかるほどの、だがそれでもカノンは動かなかった。

カノンが動かないことにフィリスはニヤリと笑みを浮かべレイピアを突き刺した。


地面には穴が空き周りの本は舞い散る。


「以外と呆気なかったにゃ...........」


(はぁ、仲間にしたかったにゃー)


そんな事を思いながらレイピアをカノンの心臓から抜.........けなかった。

何故なら心臓を狙ったはずのレイピアはカノンに右手で掴まれていた。


「にゃっ!?」


(どうしてレイピアが防がれてるのにゃ!?)


そう思いカノンの方を見てみるとレイピアは防がれたわけでわなかった。

実際レイピアは、深々とカノンの左肩に突き刺さっていた。

ただそれを抜けないように右手で掴んだだけだった。

どうやって心臓の狙いをそらしたのかなど、いろいろと聞きたい事があったがフィリスはただ称賛した。


「すごい度胸にゃ、はっきり言って一歩間違えれば死んでいたにゃんよ?それにしてもこんな方法を使うなんてにゃ、そこだけは褒めてあげるにゃ」


そういってカノンを褒めた後問題点を告げた。


「でも私が優勢なことに変わりないにゃんよ?カノンにゃんは左肩も動かないし右腕もレイピアを掴むために使っているから、いくら私を捕まえても攻撃できないにゃんよ?」


その言葉にカノンはただ笑った。

勝利を確信したように。


「それはどうでしょうか」


その言葉を言うカノンに少し恐怖した。歴戦の勘という奴だろうか。

確実に自分の方が有利なはずなのに、何故か逆転されてしまいそうな恐怖にかられる。

だがそんな心に自分は絶対に認めないぞと、「ハッタリだ」、と言おうとした瞬間にフィリスを強い衝撃が襲った。


「ふぎゃっ!??!?」


変な声を出してフィリスは空中に投げ出された。

何をされたのか理解しようと試みるが、その前に自分が落ちて(気絶して)しまい、すでに意識はなかった。


「ふぅ、なん.....とか勝てました」


そういって地面に倒れこんだ。

隣を見てみるとそこには完全に伸びているフィリスと『氷壁』があった。

カノンが何をしてフィリスをぶっ飛ばしたのかと言うと。

ただフィリスの顎の真下で『氷壁』を発生させただけだ。

最初に精霊剣氷を事前に地面に落としておく。

そしてうまくフィリスを精霊剣氷の真上まで陽動する。

そして、後は隙をついて精霊剣氷を足で踏み魔力を注ぎ込む。

そうするとフィリスの顎目掛けて『氷壁』のアッパーカットが繰り出されるのだ。

簡単な事を言っているように聞こえるかもしれないがはっきり言って不可能に近かった。

あれ程の速度で動ける者を『氷壁』が発動するまでの一定時間足止めしなければならない、それをやる事自体が命がけだった。


(はぁー、流石に疲れました、しばらく休んでもいいですよね?.....)


甘えだと理解しながらも疲れには勝てず瞼を閉じた。



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