第30話つまらない
ようやく30話達成しました!
「うーん...........もう朝か..............」
ユウキが机からむくりと起き上がり、窓を見やる。
窓からは明るい日差しが立ち込んでいた。
(指輪を作り終えて寝落ちしたのか...)
机に出来上がった三色の指輪を見る。
(まあ、ちゃんとやる事やったみたいだし寝落ちしてもいいか.........)
実はもう一つ作りたいものがあったのだが寝落ちしてしまったため、作る事が出来なかったのだ。
それにユウキは少し不満げだった。
「さて、今日もやる事が多いな早速取りかかるか」
そう言ってユウキは何処にでもある普通の石を机の上に置いた。
そしてその石に、毒魔法LV2のスモッグと火魔法LV5の獄炎を付与する。
(これは、きついな全然上手く合成できない)
ユウキは両方の魔法に同じ量の魔力を送り続け、混ぜ合わせていった。
だが一瞬だけ魔力が乱れた、
(あっこれやば...........)
その瞬間...........部屋が爆発した。
♯
廊下からドタドタと足音が聞こえる。
ユウキの部屋まで足音は響き。
ドン、とユウキの部屋の扉が開けられると同時にカノンが飛び込んできた。
「ご主人様大丈夫ですか!?」
心配しているカノンの声。
それを聞いて、部屋を埋め尽くす爆煙を振り払い、扉の前へ。
「ゲホッ、ゴホッ、俺は大丈夫だ、心配かけて悪い」
「何があったんですか」
「少しミスっちゃってな」
そう言ってユウキはカノンに苦笑いを浮かべた。
♯
カノンが自分の部屋に戻り、ユウキは1人で部屋の中にいた。
「これ、どうやって直そう」
爆発してできた天井の穴を見る。
「とりあえず、木魔法で穴を塞いでおくか」
木魔法LV1の木材創生で屋根を作り出す。
材質も色も違ってしまうがひとまずこれでいいだろう。
「これでしばらく持つかな......さて、次は少し変えてやって見るか」
そう口にして石に毒魔法LV2のスモッグだけを付与し始めた。
(これは、楽だな)
すぐに1個を作り終える。
出来上がったスモッグ石を早速とばかりに窓から外に投げいれる。
スモッグ石が地面にあたり石が割れるとスモッグが発生した。
(上手くいったな、あとは、これを量産して..........)
アセロラのプライドも痛めつける、最高の考えが浮かぶ。
「残りも作っちゃうか」
ニヤリと口を歪め、スモッグ石を量産し始めた。
♯
「やっと終わった」
椅子に体重をかけ、身体をのけぞらせる。
(今、何時だ?)
部屋にある時計を見てみると短い針が12を指し示していた。
(もうこんな時間か...........すぐ次の事をしたいが.......)
その時食事をしろとばかりにお腹の音が鳴る。
(そういえば最近ご飯全く食べてなかったな......お昼たべてからにするか......)
魔力切れで気怠い身体を持ち上げ下の食堂に向かった。
食堂では、子供達がご飯を美味しそうに食べていた。
その光景を見るだけで昔の孤児院が思い出せてしまって、目頭が熱くなる。
「あっユウキさん、ご飯できてますよ、そこに座ってください」
彩香利が台所の席を指でさす。
ユウキは、言われた通り席に着き子供達を見ていると。
「どうぞ、食べてください」
彩香利がご飯を持ってきてくれた。
ミートソースの上にトロリと溶けたチーズがのっている。
「これは、なんて言う食べ物なんだ?」
「これは、私の国に伝わる料理でドリアって言うんですよ」
彩香利が教えてくれるが、どうやって食べればいいのか分からないでいると
「スプーンですくって食べるんですよ」
隣に座っているカノンがおしえてくれた。
ユウキは、言われた通りにスプーンを手に取りドリアをすくう、そして口に入れた。
「美味しいな、彩香利が作るのは、どれも美味しいものばかりだな.......けど」
「けど?」
「なんか少し変わった味だよな、俺は好きだけど」
「それは、私も思ってました、なんていうか独特な味ですよね」
カノンもユウキの思ったことと同じ事を思っているらしい。
「多分、それは、私の国の作り方のせいだと思います」
「へぇー、今度彩香利の故郷にも行ってみたいな」
俺がそう言うと彩香利は、少し困ったように頬をかいた。
「でも私の故郷は、とても遠いところにあるので..........」
「そうなのか、名前はなんて言うんだ?」
また彩香利は、困った顔をする、そして口から出た言葉は。
「............日本と言います.........」
「日本?そんな国聞いたことありませんね」
カノンが分からず首を傾げている。
だがユウキには、思い当たることがあった。
(日本?何処かで聞いたことが.........それって!まさか!?)
ユウキは昔クソ勇者が言った国の名前を思い出していた。
『なあ、海斗の故郷ってどう言う所なんだ?』
『俺の故郷ですか、俺の故郷は異世界の日本と言う所です、そこは、とても文明の栄えた所で魔法なんてなくて、魔王がいなくて、とても平和な所でした』
『俺もそんな平和な所に住みたいよ』
海斗とユウキが昔、故郷の話をした時の言葉が頭に流れる。
(どう言うことだ?彩香利は、異世界人で勇者だったのか?それとも別の方法でこの世界に来たのだろうか...........いや、決めつけはよくない一度聞いてみない事には........)
「なあ、日本って異世界の事か?」
ユウキがそう言うと彩香利は、とても驚いた表情をする。
「........知っている人が....いたんですか......」
そう言っていまにも泣き出しそうな顔をする。
「あなたも.....転生したんですか?」
転、生?、言葉が全く理解できない。
「すまないけど何を言っているのか分からない、1から説明してくれ」
そう言うと、
「分かりました」
と言って、彩香利が自分の過去の話を始めた。
♯
彩香利は、当時高校2年生だった。
長い黒髪をなびかせ、
窓際でよく本を読んでいた。
クラスでは、お淑やかな女の子で美人なため有名だった。
だが、何処かで近寄りがたい雰囲気があり彼氏ができた事はなかった。
つまらない
彩香利は、何もかもがつまらなかった。
この日本と言う世界がつまらなかった。
争いも、戦争も無く、ただ平和に暮らしていく、普通の人からすれば最高の暮らしだろう。
だが、私には、とてもつまらない生き方だった。
つまらない、そんな言葉を心の中に秘め、高校に向かう。
いつも通り、同じ時間に、同じバスに乗って、高校に行き、くだらない授業を聞き、そして1日が終わる。
こんな事を繰り返して、何も才能の無い私のためになっているのだろうか?
このまま生きても私に輝かしい未来はあるのだろうか?
あるわけが無い。
ならなんで、どうして......
(私は生きているのだろう.....)
そう思い
私なんて死んだほうがいいのでは?
と、言う考えが彩香利の頭の中に浮かび上がる。
けど私は死ぬのが怖くなってしまう、死のうとすると足が震えてしまう。
(結局の所、口では死にたいなんて言っても、実際は、死にたくないんだ.......私は......)
死のう、死のう、と考えるが、怖くて死ねない。
そして、結局いつも通りのつまらない毎日を繰り返す。
そんなつまらない毎日を繰り返していたある日の事
私はいつも通りの時間にバスに乗った。
バスに揺られながら外の景色をぼんやりと眺める。
その時バスに大きな衝撃が走った。
浮遊感が彩香利の体を襲う。
そして、背中に大きな衝撃を受けた。
目をゆっくりと開けると空が赤く染まっていた、彩香利は、すぐにそれが自分の血だと気づく。
(これで、死ぬんだ......)
そう思っていると、聞き覚えのある声が聞こえた。
「よかったね、死ねて」
その声はいつもどこでも聞いていた、私の声だった。
(そうだその通りだ、死にたかったはずなのに..........)
その時私は、ほんの一瞬だけ思ってしまったのだ。
(生きたい)と........
彩香利の1度目の人生が幕を閉じた。
そして2度目の人生が始まった。
視点変更の時に
カノン視点とか、ユウキ視点とか入れない方がいいんですかね?




