第15話カノンの復讐
忘れてしまった人の為に
復讐者のスキルを一様ここに書いておきます。
復讐者:自分が恨んでいる者にダメージを与えるたびに相手の魔法、スキルステータスをランダムで奪う。
自分と同じように復讐心のある者に復讐者の固有スキル芽生えさせられる。だが同じ内容の能力かは、分からない。
恨んでいるもののステータスを全て見ることが出来る
ああ、これはひどい確かに殺したくなる、自分の大好きな者が目の前でギロチン、首と体が離れ離れになる光景を目の前で見せつけられて憎まないやつなどいない。
そしてここに来てからの盗賊たちの対応もよく分かった、
とりあえず俺は聞いた、当然である、ごくごく自然で当たり前のことを。
「なあ、カノンちゃんとりあえず盗賊は、殺したいよな?」
「カノンでいいです。はい、それはもちろん!」
満面の笑みで答えてくれる。
聞いた俺が馬鹿だったようだ殺したいに決まっている。
でも今カノンにはその力がない、だからと言って俺がカノンの復讐にちょっかいを出すのは、邪魔になる。
だから俺は間接的に手伝うだけだ、全てはカノンにやってもらう。
「じゃあ、カノンに復讐出来る力をあげるから、ちょっと待ってくれ」
「分かりました」
俺は、カノンに復讐者のスキルを渡そうと思っているのだが.......
(どうやって渡すんだ?)
とりあえず、カノンに復讐者のスキルを適当に発動させてみると、目の前に文字が浮かびあがった。
[復讐者の力を渡しますか?YES/NO]
そんな選択しがでてくる。
俺は迷うことなくYESを押した。
♯
ユウキさんが復讐出来る力をくれると言ってから、何か空中を見ている。
そして今、空中を押した。
すると、押した場所から無数の黒い塊のようなものが発生し煙をまき散らしながら私に近づいてきた 。
抵抗感があるものの私は恐る恐る黒い塊に触れた、その瞬間背筋がゾクリと凍りつくような恐怖を感じる、だがそれだけではない、触れている間耳元でささやいてくるのだ、殺せ、復讐を、と。
もう触れていたくない今すぐ離れたい、だがそんな思いはすぐに消えた。
何故か触れているのが心地よく感じ始めていたのだ。
カノンが両手を広げると黒い塊が体を突き抜けた。
そしてその黒い塊はカノンの中に何かを残すとまたユウキの体に戻り一体化した。
黒い塊が完全に心に入った。
カノンは自分の体を突き抜けた胸のあたりを手で押さえると熱いものを感じた。
するといきなり目の前に文字が浮かび上がった。
[復讐者のスキルを受け取りました。ステータスを確認して下さい]
「ステータスオープン」
私は文字の言葉に従いステータスを見た。
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カノン LV22 14歳
HP:129
MP:248
筋力:125
スタミナ:244
防御力:324
器用さ:168
魔法:無し
スキル:剣技LV2 短剣技LV4
二刀流LV3
固有魔法:無属性魔法(受諾)
固有スキル:復讐者(創造)LV1
称号:獣人のハーフ 奴隷 復讐者
創造する者
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奴隷の称号が増えていることに少し顔をしかめたがスキルと魔法の覧を見て歓喜に顔をゆがめた。
なぜならそこには復讐者のスキルそして無属性魔法が存在していたからだ。
そしてカノンはユウキは、とても凄い人だと改めて認識した。
スキルと魔法の内容........強いのかな?
カノンは少し疑っていたのだ、こんなに簡単に上げられるスキルが強いものなのだろうか、と。
だがそんな疑いも内容を見た瞬間全て晴れた。
復讐者(創造):2日に一度だけ自分の考えた物を作り出す事が可能になる。
作り方が分かった物は材料があれば
何個でも作り出す事が可能。
無属性魔法(受諾):スキルを渡したり受け取ったりできる。
とんでもない能力.....凄すぎる。
自分には持て余してしまうだろう.....
だがそれでも返すとは言わなかった、だってせっかく、やっと、盗賊を殺せる、村の奴らを殺せるだろう能力を得られたのだから。
狂気に満ちた目でカノンはステータスを閉じるとユウキを見て、和やかに、嬉しそうに、笑顔で。
「盗賊団殺してきます」
今から人を殺しに行くような顔ではなく、ただそこには無邪気な少女が映っていた。
「ああ、分かった」
そうユウキは言葉を返すと、これからカノンがどんな事をするのか気になりつつも邪魔はするまいと決め、素直に見送った。
♯
盗賊たちはいつも奴隷たちを嬲った後、酒を飲みあうのが日課だった。
それをカノンは知っていた、なにせカノンを嬲ったお頭とかいうやつが、親切丁寧に自慢げに教えてくれていた。
私は酒場につながる通路で復讐者(創造)のスキルを初めて使う、だがなぜか使い方が分かったしまった。
右手に炎、左手に氷、をイメージして短剣を作り出す。
すると、右の掌から紅の発光がほとばしり、左手からは蒼の光が輝いていた。
そして一気に光り輝くと、炎の短剣と、氷の短剣が現れた。武器の名前を見てみると、[焔の精霊剣、氷の精霊剣]と、出ていた。
私はその名前を見たとき少しだけ驚きを隠せないでいた。
子供のころよく母親が読んで聞かせてくれていた【精霊姫と不思議な王子】という童話。
姫が魔王にさらわれそれを助ける内容で、その途中で王子が精霊から授けられた最強の剣、それが、焔の精霊剣と氷の精霊剣。
私はその二つの剣を見ると少しため息が出てしまった。
「ふぅ、できることならこの剣は使いたくないんですが.....」
家族との思いでが入ってしまった物でクズを斬るのは、何故かいやだ.....でもこれしかないし、我慢しよう。
それにしても、と、私はふと思った。
「復讐を始めた私を、家族のみんなはどう思っているのでしょう?」
ポツリと返事が返ってくるわけもないのに虚空に呟くと、二つの剣を握りしめ、盗賊達のいるアジトの奥、酒場に入っていった。
「ぐわっはっはっはっはあ!!」
「馬鹿でしょうあいつ!」
「だな、今時人に言われて素直についてくるなんて馬鹿でも出来ねえぜ!?」
先程盗賊のアジトに閉じ込めた弱そうな男の話をして、盗賊たちは楽しそうに笑いあう。
「そういえばお頭!いつあの獣人ども売りに行くんですか!」
「そうだな女はミクロス卿に高値で売って、男どもは普通に売るだな」
私はその会話の中に、笑い声の中に静かに堂々と入っていった。
そんな私を盗賊たちは凝視して、罵り、笑い、お頭が席から立ち上がり私の前に来た、
「おい、なんでお前が牢屋の外に出ているんだ?そう言う悪い事をする子には、お仕置きが.....」
そこまで言うとお頭は持っていたビールを床に落とした。
「どうかしたんですか?」
お頭があまりに動かないので心配になって声をかけると、
「あっが....!?ぁぁぁぁぁあ!?やめ、やめろ!?」
「氷れ」
その瞬間無慈悲にもお頭の首以外が凍り付いた、
「お前は、最後だ」
お頭の巨体で見えていなかったが、精霊剣氷で最初に腹に突き立てられていたのだ。
なんにせよ異常事態に盗賊たちは戸惑う。
カノンはお頭にそう告げて他の10人の内の1人の盗賊に斬りかかる。
「ぐげっ!?」
そんな悲鳴がしてまず1人、焔の精霊剣で燃やされ死亡。
次の奴に斬りかかろうとするが、流石に盗賊達9人が警戒して、武器を構える。
だが私は、そんな事きにせず突っ込んで行く。すると、
「くらえ、『シールド...』がっ!?...」
目の前に大楯を持った男が立ちはだかるが、私はスキルを発動させられる前にそのまま、焔の精霊剣で大楯を真っ二つにして、氷の精霊剣を振りかぶり盗賊を頭から切り裂いた。
(さて次は、どいつだ?)
次の殺す相手が誰なのか回りを見渡し確認する。
「ひいっ!.....どうしてこんな化け物がここに」
横の方に完全に怯えきった男2人が腰を抜かしていて、前方にいる6人が、
弓をこちらに構えていた。
そして命令役の1人の男が、
「発射!」
と叫ぶと。
矢がこちらに向かって飛んで来た。
カノンに矢が当たる瞬間に、カノンは、氷の精霊剣を地面に突き刺し前方に氷壁を作り出した。
矢は、全て氷の壁にはじかれると。
第二射が来る前に、二本の精霊剣を構えて6人の男に急接近して、首を切り落としていく、6人の男達は、悲鳴や逃げ出す暇さえなく殺された。
(さてと、残りの2人は......いない、逃げたのかな?馬鹿だなぁ、ここから出て行った先には、私より怖い人がいるのに......まあ、いいか)
怖い人と言うのは......ひとりしかいないだろう。
頭の中に浮かぶのはあの狂気で染まるうっとりしそうな瞳。
(さてと、さっそく今までの借りを返させて貰うかな)
お頭に近づいて行く、するとお頭は、
「許してくれ!頼む!お金ならいくらでも払う、だから..........」
そんな事を言うお頭は、本当にバカだと思う、だってカノンが許すはずが無いのだから、
「許してくれ?ふざけてるの?じゃあ私が許してくれって言ったら見逃してくれた?」
「それは.....」
「まあ、いいやとりあえず苦しんで?」
「あ、あ、ああ、あああああああ!?」
悲鳴が上がる、お頭の腕をゆっくりとカノンが焔の精霊剣を使って焼きながら切っているのだ。完全に腕を切り捨てる、そして
「まず一本♪」
嬉々としてそんな事を言う。
「じゃあ2本目いってみようか♪」
カノンは、また炎の精霊剣でもう片方の腕もゆっくりと切り裂いていく。
「あ、あがっ!?うぎゃあああああ!?」
そんな光景を見ているカノンは、最高の気分だった、永遠に続けばいいのに、とさえ思えた時間だ。
お頭の腕をまた切り落とし
「二本めゲット〜〜♪次は、足いってみようか♪」
そう言ってカノンは、お頭の足を炎の精霊剣でまとめて突き刺し、中から焼いて行った。
「あ、あだ!?いあだ、死ぬ、じぬ!」
そんな悲鳴を言い続けるお頭に、すでに痛みでろれつが回っていない。
(もっと、苦しめ、苦しめ、苦しめ、苦しめ〜〜♪)
そんなお頭の事など知らず、そんな事を考えていた。
お頭の足が完全に焼けて跡形も無くボロボロになっている。
「三、四本目〜〜♪じゃあラスト行ってみようか、ゆっくりと心臓を刺し貫いてあげるね♪」
完全に興奮して、口調が変わったカノンが炎の精霊剣をお頭の心臓部分に合わせてゆっくりと差し込んでいく。
「ぁ……、ぅ……」
お頭は、完全に諦めた声を出す。
カノンは、それを気にせず心臓を貫き、心臓の中から徐々に、徐々に焼いて行った、絶対に楽に死ねないように。
お頭は、最後に悲鳴も上げずに燃えながら消えていった。
(さてと、殺る事やったしユウキさんの所に戻ろう)
そう思い、カノンはアジトから出て行った。
次の投稿は、あさってになると思います。




