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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第二章 2人目の復讐者
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第11話盗賊団

馬車の中では特にすることもなく外の風景をぼんやりと眺めながら馬車に揺られていた。

10分程で馬車の窓からブルベアの森が見えてきた。

ブルベアの森の前につくと俺はおじさんに「ありがとう」と軽く伝え森の中に足を踏み入れた。


森の中は、見慣れたいつも通りの景色が広がっていた。


(そういえば、盗賊団はどこにいるんだ?いままで6年間ここに来ていたけど見た事ないぞ?)


なら、自分が踏み込んだ事のない場所にいると踏んで、いままでいった事のない森の奥へ、奥へと突き進んでいった。


結構な距離を歩いたが特に何も無く、たまに壊れた石柱やら石像が見えるだけで森が奥深くへと続いている。


(本当に盗賊団は、いるんだろうな)


そんな事を考えていると、やみくもに歩き回っていると。


「ここで何をしている」


ふと、突然後ろから声を掛けられた。

声を掛けて来たのは男。身体が痩せ細って短剣を腰に刺し背中に弓を背負っている男だ。


(多分、こいつが盗賊だな)


少し血の匂いがする、人を殺したのかそれとも魔物を殺したのか。


「おい、早く答えろ」


声に怒気を含みながら聞いてくるが迫力が足りていない。


「すいません、私はクエストで薬草の採取をしていまして、取るのに夢中になっていたら森の奥まで来てしまったんです」


とりあえず適当に嘘をつく事にした、盗賊討伐のクエストを受けた冒険者とバレない様に。

それを聞くと男は、俺の装備を見てニヤリと笑った。

俺の装備は本当に初心者丸出しの、布・レザー装備6級、この装備はいろんな種類があり、装備じゃなく服のように見えることからおしゃれ装備とも呼ばれている。

そんな装備をつけているのだ、多分俺の事を弱いと判断したのだろう、それに俺の見た目は子供だからな。


「そうか、それは大変だな、休憩出来る場所に連れてってやるよ」


ニヤニヤしながら言う。

多分、俺を連れて行くのはアジトで、俺を奴隷として売るつもりなのだろう。っていうかそれよりも、


(もう少し、ポーカーフェイスってもんをできないのだろうか?)


そんな事を思ってしまう、まあ最初から正体がばれているから気にしなくてもいいが、よくそんなんで盗賊やっていけたなと心底そう思う。


(とりあえず、こいつの話に乗ってやろう。そしてアジトの中に入ったら全員、皆殺しにするか)


そう考えて男に作り笑いを浮かべ

「ありがとうございます」

と、口にした。

男は、俺の言葉を聞きまたニヤニヤしだす。まんまと俺をはめられているのが可笑しくて仕方ないのだろう。


「ついてこい」


渋い声でそう言うと歩き出した。


アジトには数分もせずにつく事ができた。

男のアジトは、大きな岩山に開いた洞窟を使っているようだ。

洞窟には、扉が付いている。

男は、その扉を一定のリズムで叩くと、中から扉を開ける音がした。すると中から2人の男が出て来た。

2人の男は、俺を見て酷く驚いているが、俺を連れて来た男が、小さな声で2人の男に耳打ちをするとニヤニヤと笑い始めた。男達は、しばらく笑ったあと、俺に


「入れ」


小さくそう言って俺を前と後ろから挟んだ状態で中に進んでいった。確実に俺を逃がさないように前と後ろでがっちり固められている、そういうことができるのなら、ポーカーフェイスを覚えろ。

扉を入った先は、とても汚かった。生活感はあったがゴミが散乱している。

そして、近くに地下へと続く階段があった。

その階段を見ていると


「進め」


男達にそう言われる。

俺は、言われた通り階段を降りて行くと、そこには鉄の柵があり、中には、獣人の子供達が囚われていた。

男が柵を開けると獣人の子供達は、アザや傷だらけの身体をガクガクと震えさせている。

また、殴りに来たのかと言った怯えの目を俺達に向けている。


「これは、お前達がやったのか?」


俺は底冷えする声でそう言った。

それを聞いて男たちは、ユウキがおびえていると勘違いしたのだろう自慢げに話しだす。


「ああ、そうだぜ、こいつらを鎖で繋いで棍棒で殴ったんだ。ほんとにいい声で鳴いてくれたぜ!

何ならおまえにも聞かせてやるよ!!」


そう言って壁に立てかけられている棍棒を手にして、子供たちのいる牢屋に入ろうとした瞬間


赤い鮮血が空を舞った。


「あがぁぁぁぁぁあ!?」


悲鳴が上がった、そして地面にぼとりと落ちた左腕。


「お....俺の腕が..ああ..ああああああ!?」


自分の腕を見ながら泣きわめき痛さのあまり気絶してしまった。

そんな様子をみていた、男2人は、怒りをあらわにしている。


「てめぇ、よくもやりやがったな!」


1人の男が怒りのままに背中に背負った弓を構えて、弦を引き


「くらえ」


そう、叫んで矢を俺に向けて射ち放った。

矢の先端には、毒か何か塗ってあるのだろう、俺は先端に触れないように矢を掴む。

そして、その矢をステータスの筋力を全力で使って、矢を射った男に投げつけた。

投げつけられた矢は、弓で射ったものより格段に早かった、当然男が躱せるわけもなく矢が男の肩に深々と突き刺さる。


「いってぇー!?」


痛いからなのか男は、地面を転げまわったあと急に動かなくなった、麻痺の薬でも塗ってあったのだろうか。

最後に一人残った男は、顔を青ざめていた。


「ひぃー!?」


悲鳴を上げながら走り出そうとするが腰が抜けているのか転んでしまう。

俺は男に歩いて近づくと顔面を容赦なく蹴りとばした。


「あぎゃ!?」


悲鳴と共に少し[グチャ]と顔面が潰れた音がしたが気にせずもう一発叩き込む。また同じ音がして男は、気絶した。



柵の中に入って行くと獣人の子供達は、俺にひどく怯えていた、俺が暴力を振るうと思っているのだろう。

俺はそんな事は無視して1人の子供の腕を掴む、子供は、暴力されると思ったのか目を瞑っているが、俺はそんな子供のアザに回復魔法LV1の『ヒール』をかけてやる、獣人の子供は、びっくりした様子でぽかんとしている。


「他に痛いところは、ないか?」


俺が聞くと焦りながら


「あ、ありません!」


元気よく答えてくれる。


「分かった、他の子達もおいで治して上げるから」


他の子達も俺の前に順番に並ばせて1人づつ治していった。


全員直すと子供達が一斉に


「「「「「ありがとう

お兄さん」」」」」


お礼を言ってきた。


「いいよお礼は、それよりも他にも子供は、いるの?」


聞いて見るが分からない様で誰も何もいわない、ただ、ずっと下を向いている、すると1人の狐耳の女の子が


「1人だけいるの...........その子の牢屋は、ここから右に真っ直ぐ進んだところにあるの、その牢屋からは、いつも打撃音が聞こえてくるの、なのに悲鳴は、聞こえてこないの、だから本当にいるのか分からないの」


そう言ってしょぼんとする。俺はその子の頭を撫でて


「ありがとう、じゃあ見てくるよ、けどその前に」


そういって俺は気絶した男達を抱き上げ柵に縛り付ける。

そして獣人の子供達に俺は、言った。


「こいつらに散々酷いことをされただろう。だから、もしやり返したいと考える子がいればこいつらを好きにしてくれて構わない、あそこの壁に棍棒も掛かっているからあれを使ってもいい、分かったね」


俺の話を聞いた子供達はコクリとうなずき合い半分以上が、棍棒に手を伸ばす、そして男達に殴りかかった。

俺はその光景を楽しみながらその子の牢屋に向かった。


牢屋は鮮血で染まっていた、そして壁には猫耳の女の子が繋がれている。これほどまでに血を流せば死んでいてもおかしくはないだろう。

女の子は、身体の至るところから血を流し喉が潰れ、痣が付いていた、むごい仕打ちを受けてきたのだろう。

俺はその子に近づき剣を手にすると鎖を立ち切った。

すると女の子は膝から力なく地面に倒れこんだ、俺はそっと近づき生死の確認をしようと手を伸ばすと、瞼が開き睨みつけられた。


俺を睨みつけてきたその目は、紅い色をしていて、そしてとても濁っていた。

すべてを壊したい、殺したい。

そんな感情が見て取れた。

復讐者として何か感じたのだろうか、それとも復讐者のスキルのおかげなのかもしれない。

その目を見た瞬間理解してしまった、こいつも俺と同じなのだと、俺と同じ復讐者なのだと、だから俺は、質問をした。


「お前は、誰を殺したい?誰に復讐したい?もしお前が復讐を望むなら俺が力を貸してやる。どうする俺の手を取るか?」

その言葉を聞いた女の子は、怪訝そうな顔をしたが、俺の目をまっすぐと見ると、俺の手にゆっくりと自分の傷だらけの手を重ねた。


「とりあえず、回復してもいいか?」


その俺の言葉にコクリと女の子は頷く、その動作だけでも痛そうだ。

女の子からOKが貰えたので一通り回復と自然治癒をかけていく。喉も回復すると女の子が


「ありがとうございます」


頭を下げてくる。意外と美声だ。


「いやお礼はいい、それより頭を触っていいか?」


これは、猫耳を触りたい訳じゃなく俺の無属性魔法記憶を使って俺の記憶を渡したいからだ。


「はい、いいですよ」


頭をこちらに向けてくる俺はそれに触り記憶を送り込んだ。

すると少しぴくっとした。


「今のは、あなたの記憶ですか?」


「ああそうだ、俺の記憶を送らせてもらった。俺の目的も分かっただろうそれでも一緒に復讐しようと思うか?」


とりあえずもう一度確認する、それほどに俺の復讐相手は多いのだ。


「はい、それはもちろん一緒に復讐させて頂きます。ですがユウキさんの目的が分かっても私の目的がわからないんじゃ意味がないのでは?」


それは遠回しに記憶を見てくれてもいいと言っているんだよな?


「じゃあ、記憶をみてもいいのか?」


「はい、どうぞ」


そういって生座している。

俺は女の子の頭に手を置き記憶を覗いた。




次の話は、女の子の過去の話になります。

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