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仲間の実力

「クレア、ですか?」


ノックに気付いた寝起きのルークが答える。「はい。こちらの方へ遊びに来させていただいたと思うんですけれど…」

「ええ、さっきまではここにいたんですけど…迷子かな?」


さすがに迷子なんてことはないだろう。だがそれ以外に何があるというのか。

「迷子じゃないとは思うんですけど……」

「なになに、何があったの?」

俺も起こされた。眠い。辛い。もっと寝たい…


「実はクレアがまだ帰ってきてなくて…」

「あー、なるほど。クレアならきっと帰ってきますよぉ、強い子ですよあの子は」

頭を右手でボリボリかきながら適当に答える。


「本当に帰ってきてないんです…村中を探したんですけど…」

その言葉に返事を返そうとしたその時だった。


「まって!誰かが窓の外から覗いてる!」

驚いたようなユウハの声に、一同はバッと窓の方を見た。

すると、黒い影のようなものが走って逃げていくのが見えた。


「追え!!」

ルークの声に、一斉に全員が外へ出て走り出す。黒い影は森の方へと走っていく。

そのまま追おうとした時だった。後ろから「待てい!!」という声が聞こえた。


「いいのか?そのまま追って。俺たちはこれから村を焼きに行こうと思ってたんだが」

そこには見知らぬ黒いマントを羽織った男が十数人立っていた。

「…誰だ?お前ら」


ルークが尋ねる。見知らぬ男達はニヤニヤと笑いながら答える。


「勇者討伐を頼まれた殺し屋軍団、って所かなぁ?…知ってるんだぜ?神速スキル、使えないんだろう?」

「な、なんでそれを!?」


これには流石に動揺する。俺たちと、あの盗人しか知らないはずなのだが…


「はっ、まあいい。ほら、早くいかねぇと子供の命が危ねぇんじゃねぇのかい?さぁどーするよ、『元』勇者さんたちよぉ!」

全くタチの悪い奴等だなぁ。はぁ、とため息をつく。


「…んじゃ、2人で頼んだわ」

「おーけー、任せとけ」


ルークが親指を立て、ユウハはこくりと頷く。

それを見て俺は森の中へと駆ける。

「おいおい〜、『元』勇者抜きのお二人さんだけで大丈夫なのぉ〜?」

ヒヒヒ、と十数人が笑いながら喋りかけてくる。

「はぁ…俺たちも落ちたものだな」

本当に落胆したような素振りを見せながら、ルークは背中にかけた弓をスッと取り出す。



「ーーー何秒もつかな?楽しみにしてるよ、黒マント(雑魚)軍団さん」





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