失踪
「僕の名前はクレア。よろしくね」
決闘後、少年・クレアは自己紹介をした。
「おう、よろしくな!少年!」
「クーーレーーーアーーー!!」
和やかな会話が繰り広げられる。
「案外、精神年齢的に合ってるのかもな」
やれやれ、と言った感じでルークはユウハに話しかける。
「聞こえてるぞぉ、ルーク…お前も昨日おれとじゃれあってたよなぁ!」
「あっ…あれはお前が落ち込んでたから!」
「ブブー、ざんねーんあれは落ち込む前ですー!」
今度は男3人でまたギャーギャー言い始めた。ユウハはその光景を見ながら微笑んでいる。
「よっしゃ!ユウハも」
「セ、ク、ハ、ラ」
ユウハをじゃれ合いの中に取り入れようとした俺の頭にビシッとチョップが降ってきた。
「も、もしやこれが神の手…」
「フツーの手だから!アホ!」
ケラケラと笑いが起きた。こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
「んじゃ、また遊びに来るね!」
バイバーイと、クレアは手を振りながら向こうのほうへ走って行ってしまった。
「いやー、なかなか面白い子だったな」
村人が届けてくれた飯を頬張りながら、ルークが率直な感想を述べる。
「…しっかしまあ、あの年でスキルが使えるってなるとなかなかの才能があるに違いないよなぁ」
俺はあのシーンをもう一度振り返る。
「分裂のスキルか…あいつのもオリジナルだろうな」
オリジナルスキルなんてなかなか簡単にできるもんじゃない。それを一番よく分かっているつもりだ。
「まあ色々考える前に……」
「前に?」
ルークとユウハが被って聞いてきた。
「…寝るか!!」
ズッコーン。効果音が鳴り響いた気がした。
「寝んのかよ!!」
すかさずルークがツッコむ。
「もーおれ疲れたよぉ、寝ようよ、な?」
「…ってもう布団入ってんじゃねーか!!寝床決めるたらうんたら言ってたの誰だよ!!」
息をつく暇もないルークのツッコミの最中に、俺は深い眠りに落ちてしまった。
「どーやったら今のシチュエーションで寝れんだよ…まあいいか。俺たちもそろそろ寝る?」
「そだね、明日に備えて今日はもう寝ちゃおっか」
「うん。おやすみ、ユウハ」
「おやすみ〜!」
そして勇者パーティー一行は、村での1日目を終えたーーはずだった。
◇
「クレアを、見ませんでしたか?」