不遇な転生
「召喚成功だ!」
俺は光の速さで思考する。事前に自身のスキルについては把握済みだ!
「うああああ!!ブリブリぶりぶりブリ!!」
俺のスキルは「排便」そう、排便スキルだ。この排便スキルは両手両足を失う代わりに質量保存の法則をガン無視して大便を産み出すことができるという不遇スキルだ。
「き、きちがいだ!!」
「ばかな!!召喚した勇者は知恵と力と勇気に・・・」
「に、にげろお!!」
時すでに遅し。俺を囲む10人の兵士と王女っぽいやつらは膝まで俺のうんこに浸かっている。粘度の高い俺の大便はあたかも泥沼・底なし沼。しかも扉は観音開きで内側に閂をかけるタイプ、俺の便圧によって脱出は不可能。
「このままじゃ窒息して死ぬぞ!」
「誰かあのきちがいを殺せえ!」
「やめなさい!あれを殺してこれが止まらなかったらどうするんです!!」
「こ、交渉だ!」
「怒りをお鎮めください、勇者さまああ!!」
ふふ、交渉のテーブルに相手を引きずり込んでやったぜ。
「きちがいだ障害者だと散々ばかにしてくれたなあ」
「・・・」
俺は首腰まで便に浸かった王女っぽいのに芋虫のように這いずって近づく。
「話を聞いてやる、だがその前に・・・俺のクソを舐めろ」
「ええ!?」
「良いか、俺はここに召喚されるまでは、五体満足な健常者だったんだぞ。それがなんでリアルうんこ製造機にならなきゃいけなかったんだよ。こんな姿にしておいて、お前、これで魔王を殺してくれ程度の願いだったら、どうなるかわかってんだろうな?」
「ど、どうなるんでしょうか・・・」
「・・・お前も俺と同じ姿にしてやる。聞いたところによると、お前らは魔法を使うんだろう?例えば、そこの若い兵士を脅して、お前の手足を切り落として傷口を回復させて、ケツの穴がめくれるまで兵士にまわさせてやる」
「そ、そんな・・・!!」
「それが嫌なら俺の条件を吞め。まず俺に魔王を殺せとか頼むな。俺の排便スキルは死んだらもう際限なく世界を覆い尽くさんばかりの勢いで排出される。魔王のところに俺を運んでぶっ殺して、魔王の領土を糞だらけにしようと考えても、いづれは世界全体が人の住めない人糞世界になるだろう。交通の便はもちろん悪くなる、俺のお通じは止まらないというのにな!!」
「ひぃい!!」
「だから俺の要求を聞けえ!!俺のところに毎日上等な女を連れてこい、それは俺のペットだああ!!俺の手足となるような屈強な兵士をあてがえ、この国のどこに行っても俺は金を支払わずにあらゆる物を手に入れられるようにしろ、特別扱いするんだ!!」
「そんなことはできません・・・」
「できないならそれで良い。俺は今から脱糞するぞ」
「・・・ごくり」
室内を静寂と悪臭が支配している。
「そうよ!!栓をすれば良いのよ!!」
「そうか!!栓だ!栓をすれば良いんだ!!」
「せーん!せーん!せーん!」
「ばかいってんじゃねええぞおおおおお!!ケツに栓したって口から出てくるだけなんだよお!!ケツと口に栓したって俺が破裂して終わりなんだよおお!!お前らは俺の要求をのむか、ここで俺のうんこをのむか、二つに一つなの!!今決めろよおおお!!」
「わ、わかりましたあ!!特別扱いしますから、どうかお怒りを・・・!!」
「それでいいんだよ。さあて、この便を片付けるとするか・・・」
俺は気乗りしないが食糞スキルを発動させた。これはあらゆる便をダイソンも真っ青な勢いで食すという攻守でいうなら守のスキルだな。何者も止めることのできない便と、その便を唯一喰らい尽くすことのできる口。俺は両手両足を失うことで、この矛と盾を手に入れた。
「ずぞっ・・・ずぞぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「ひいい!!すごい勢いで吸い込んでるウうううううううう!!」
ものの数分で学校のプール半分ほどの便を吸い込んだ俺に対して、連中の視線は絶望って感じでマジ悲しくなってくるんですけどーー。
「で、では勇者さま・・・こちらへ・・・」
「おう。誰か俺を運べえ!!」
こうして俺は成り上がった!!