第4話 メニューツアー
構想していた話を書いていたら、おかしいことに気付いてボツに……
投稿が遅れる上に、若干説明回っぽくなってしまいましたorz
男は、ダンジョンコアルームで大の字になって横になっていた。
完全なる無気力状態である。
それでも、人は考える生き物である。
「食事も睡眠も必要ないのか」
一日中この状態をしていても、食欲も睡眠欲も感じなかった。
ダンジョンマスターになると、食欲や睡眠欲は失われる。
食事は嗜好品に、睡眠は趣味や気分転換に変わるのである。
男は、このまま第二の人生(?)を終えても仕方がない、とも考えていた。
しかし、何もせずに過ごすことは人として難しい。
男は、暇つぶしにダンジョンのモンスターメニューを眺めることにした。
もしかしたら、という一縷の望みを持って……
メニューには、ファンタジーにお決まりのスライム、ホーンラビット、ゴブリンなどが表示されていた。
「今のDPで買えて、強そうなのはゴーレムか」
初心者のダンジョンで五階層にボスのゴーレム、よくありそうな組み合わせである。
ただ、男のダンジョンは二階層しかなく、両隣に大規模なダンジョンがある。
つまり、この周辺には、強い冒険者が訪れる可能性が高いのである。
「モンスターで状況を打破するのは難しいか」
そう言いつつも、モンスターメニューを一通り流していた。
「ドラゴンとか憧れ……る…… は!?」
男は驚きの声を上げて、パチパチと何回も瞬きをした。
「何で動物が表示されて?」
そう、モンスターメニューの下のほうに、地球でおなじみの動物、兎や牛などが表示されたのである。
しかも、通常のモンスターより安いDPに設定されていた。
「ん~、モンスターより動物のほうが、戦闘能力が低いからか」
しばらく考えて、男はそう結論付けた。
ダンジョンに兎が百匹いても脅威とはならないだろう。
モンスターを一通り確認して、次のアイテムメニューを選択した。
「こっちにも、地球の道具があるな」
一覧には、灯玉、闇灯玉、陽灯玉とよく分からないものの中に、蛍光灯があった。
・灯玉
空気中の魔素を使用して、光を灯す。
・闇灯玉
空気中の魔素を使用して、光を薄く灯す。
光が苦手なモンスターのエリアにおすすめである。
・陽灯玉
空気中の魔素を使用して、光を灯す。
太陽と同じ光を発し、植物エリアにおすすめである。
「この世界は空気中にある魔素というものを使うのか。地球の道具は電気がないとゴミだな」
現代の地球の電化製品は便利なものが多い。
しかし、この世界には《電気》が通っていないため、使えないものになってしまう。
さらに、一覧を読み進めていく。
「食器や調理器具は地球のほうがレベル高いな」
硝子のコップ、ステンレスのフォーク、テフロン加工のフライパンなどは、当然この世界では存在しない。
「でも、ダンジョンでフライパンを手に入れてもなぁ」
当然、ダンジョンで、食器や調理器具を入手してやったね、とはならない。
某RPGのように、フライパンを武器にしていれば別の話だが。
やはりモンスターと同様、武器や防具のほうが、必要DPが高かった。
やはり、ダンジョンに運営に有効なモンスターやアイテムのほうが、全体的にDPが必要となる。
「あ、本もあるのか」