第3話 ダンジョン作成
この話で説明回は終わります。
男は、ダンジョンの作成メニューを開いた。
そして、ダンジョン作成の欄を覗いた。
・ダンジョンエリア作成
ダンジョンエリアは、任意のサイズで作成できる。
初心者向けに、小規模サイズ50m×50m、中規模サイズ100m×100m、大規模500m×500mという選択肢が用意されている。
このエリアは、後から土魔法で小分けにすることもできる。
また、同じ階層に複数のダンジョンエリアを作成できる。
ダンジョンエリアが多いほどDPが使用する。
・ダンジョンエリア属性付与
火、水、土、風、木、時間、空間の属性を一つ以上付与することができる。
ただし、ダンジョンを攻略することができるようにする必要があり、そのルールを守らない場合、属性の効果は無効となる。
例えば、火属性を付与すると、エリア全体の温度を任意に設定することができる。
そのエリアがダンジョン攻略に通る必要がある場合、61度以上には設定できない。
火、水、土、風、木の属性については、そのままなので説明を割愛する。
時間は、促進と停止の2種類が存在する。
促進は、木属性を付与して作成した植物やモンスターなどの成長を促すことができる。
停止は、促進の逆で成長を止めることができる。
停止は、ゾンビなど腐りやすいモンスターを配置するエリアにおすすめである。
時間属性は、ダンジョンへの侵入者には影響を及ぼさない。
空間は、エリアのサイズを大きくすることができる。
元のサイズに関わらず、サイズを拡張することができるのである。
全ての属性に言えることだが、エリアが大きいほどDPを使用する。
「説明が長い! しかも、結構よくある設定だよなぁ」
男がメニューの説明を見た後の感想がこれだった。
「いやいや、気を取り直してダンジョンを作ってみよう」
男は、メニューから小規模サイズを選択し、一階に配置した。
「……」
さらに男は、メニューから小規模サイズを選択し、一階に追加配置した。
「…… 実感がない」
ダンジョンにエリアを配置してみたが、全く実感が湧かなかった。
男がどうしようかと思っていると、メニューに《マップ》の文字が点滅していた。
「おぉ、こんなものがあるのか」
マップを選択すると、男のダンジョンのマップが表示された。
「これはいいな。よし、次はもう少し大きなエリアを地下一階に作ってみよう」
男は、メニューから中規模サイズを選択し、地下一階に配置した。
すると、マップに新しいエリアが追加された。
「この調子で、五階層ほど作ってみるか」
五階層というのは、初心者ダンジョンと言われる小さなダンジョンの指標でもある。
そして、男はメニューから中規模サイズを選択し、地下二階に配置しようとした。
すると、『他のダンジョンに干渉しますので配置できません』とエラーメッセージが表示されてしまった。
「え!? しょうがないか。小さいエリアで我慢するか」
改めて、小規模サイズを選択したが、結果は同じだった。
「なぜだ……」
困惑してマップを眺めていると、マップに《他ダンジョン表示》の記載を見つけた。
これだ、と思って選択すると、マップに変化が現れた。
男のダンジョンの表示は青色で表示されていたが、そこに赤色のダンジョンが表示された。
「この赤色が他のダンジョンということか」
「詰んだ」
男はマップをしばらく見て絶望した。
男のダンジョンの両隣に他のダンジョンがあり、男がダンジョンを作るスペースはもはやなかった。