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ウサギ狩り



終「桜~~、喉渇いた~お茶。」


桜「はい、直ぐに淹れますからね。」


縁側に座りぼーっとフェイを見るのにも飽きたので桜とお茶でも飲むことにする。


フェイ「ふぅ~。桜さん、私も喉が渇いたんですが…。」


額に滲む汗を腕で拭いながらそんなことを言うフェイ(バニーガール装備)


桜「うん?そこに水道の蛇口があるから好きなだけ飲んでね?」


フェイ「…………。」


桜は庭の角にある水道の蛇口を指差すとお茶を淹れる為にさっさと台所に向かった。


桜から返って来たのは北風のように冷たい言葉に呆然とするフェイ。


美少女が台無しな程の口の空きっぷりだ。




フェイ「私……何か桜さんに嫌われるような事しました?」


終「桜は基本的に俺以外にはいつもあんな感じだから、気にしなくていいぞ?」


フェイ「終さんと喋ってる時は優しそうな感じでしたけど…。」


終「俺は特別だからな!!あとこの家に住む奴等にも普通に接してる。桜も昔はあそこまで他人を拒絶しなかったんだがな……過去に色々あったせいでああなったんだ、怒らないでやってくれ。」


フェイ「…わかりました。けど!」


終「けど?」


フェイ「喉が渇いたので何か水道水以外の飲み物を下さい!」


終「ハハ、そうだな。天照!フェイに何か冷たいものでも持って来てくれ。」


天照「は~い。ただいま。」


………


……



終「で?すっかりバニーガールで忘れてたけどそのペンダントってなんなの?」


桜に持って来てもらったお茶とせんべいを食べながら聞いてみる。


そういや肝心な事忘れてたな。


フェイ「着させたのは終さんですけどね!これはお父さんの研究の集大成…らしいです。」


終「らしいって…お前はなんなのか知らないのかよ…。じゃあ、お前の親父さんは何の研究してたんだ?」



フェイ「えっと…環境再生に関係する生物の寿命延長の研究をしていました。」


終「へ~~。(せんべい食べながら。)」


バリバリバリバリ。


フェイ「自分から聞いておいて凄いどうでもよさそう!?」


終「じゃあそのペンダントに研究データでも入ってんのか?」


フェイからペンダントを借りて少し調べてみるが、どこから見てもただのペンダントだった。


フェイ「私もお父さんに託されたもののソレが何なのかわからないんです。」




終「アイツ等がSS級の封印指定魔導具って言ってたよな?そんなたいした物に見えないんだが?」


SS級といえば世界レベルで災厄をもたらす程の力を有していると付けられるランクだ。


フェイ「はい、私もそう思うんですが…。」


魔力は…微弱ながらも感じるけど危険な程ではないしな。


一体何なんだ?


玉藻「終さん!私にも見せて下さい!」


いつの間にか俺の横に玉藻が寄って来て、ペンダントに興味を注いでいた。


せっかくなので皆にも見せて意見を聞いてみたいと思い、家族全員に見てもらう。


玉藻「ほほ~~。これがSS級の封印指定魔導具ですか。」


天照「そもそもSS級て何の略なんでしょう?」


みこと「SS……はっ!?まさか、S(スティー〇ン)S(セガー〇)!?」


フィア「えぇっ!?ス〇ィーブンセガ〇ル級!?そ、それは強そうだね。」


奏「いやいやいや!?違いますからっ!?スティ〇ブンセ〇ールでは無いですから!?」


一体どこからスティーブ〇セガー〇が出て来た。


終「桜は何かわかるか?」


ペンダントを桜に渡して意見を聞いてみる。


特に何もわからないと思っていたが桜の反応は違った。


桜「嫌な感じがします、とても世界を救う代物では無いと思う。」


フェイ「なっ!?」


終「ほう。」


フェイは自分の父親の研究の成果をキッパリと否定され絶句していた。


桜はそんなことお構い無しに言葉を続ける。


桜「このペンダントから伝わってくるのは身勝手な欲望とかしか感じないです。こんな物、今ここで壊した方がいいんじゃないかな?」


フェイ「なな、何てこと言うんですかっっ!?」


フェイは桜の手からペンダントをひったくるように取り戻す、そして凄い形相で桜を睨み付けた。


フェイ「あなたに一体お父さんの何が分かるって言うんですか!!お父さんは世界をより良くする為に研究をしてきました、その研究をよりによって身勝手な欲望!?しかも壊した方がいいですって?ふざけないで下さい!?」


どうやらフェイの大切な部分に触れてしまったらしい。


桜も悪気は無いんだけどいかんせん俺の周り以外は気を配れ無いからな。



終「フェイ、少し落ち着け。桜は感じたことを正直に言っただけで悪気は無いんだ。」


フェイ「だとしてもっ!!」


終「それに桜の言うことは信じた方がいい、なにせ桜の人を見る目と邪悪とか悪い気を察知する能力は本物だ。」


桜は元々人を見る目があった、それが俺の眷属になった事でそういったある種の勘が異常に鋭くなった。今では俺以上に危機察知能力が高い、その桜がろくなもんじゃないと言っているのだ。


フェイ「結局桜さんの肩をもつんですね、恋人だからっ!!」


終「確かに贔屓目はあると思う、けど桜の言うことも…。」


フェイ「もういいですっっ!!」


そう言うとフェイはいきなり立ち上がり、そのまま庭から外へ出て行こうとする。


終「おい!ちょっと待てフェイ!今外に出たら……。」


フェイ「魔術統制局に見つかって危険だって言うんですか!?そんなことわかってますよ!!けどお父さんを馬鹿にする人達と一緒にいるくらいなら危険を冒した方がましです!!今までお世話になりました!!」


叫ぶように言いつつ走り去ってしまう。


終「……あいつ、あの格好のまま外に出て行きやがった。」



バニーガールのまま外に出て行く勇気は誉めてやりたいが……。


桜「終くん、フェイちゃんって実は馬鹿なんじゃないかな?」


終「言うな。とにかくあのアホを連れ戻すぞ!奏は戻ってくるかもしれないから家に居てくれ、行くぞお前ら!ウサギ狩りじゃー!!」


全員「「「「「お~~~!!」」」」」


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