始まり
「キーンコーンカーンコン」
チャイムが鳴ってすぐに私は帰る準備をしていた。
今日はなんだか早く帰りたい気分だったから。
「海女音(あまね)じゃあ、あたしもう帰るから。部活あんまり無茶しないでね。」
「そんな心配しなくっても大丈夫なんだから。あたしが彩音(あやね)のお姉ちゃんなんだから。なんか反対みたいじゃん」
クスクス笑いながら海女音はそう言った。
その笑顔を見て私は安心して教室をでた。
今日は占いでいいことがあるって期待していたわたし達は朝からわくわくしながら子供みたいにずっと待っていた。
けれどわたしには何にも起きなかった。海女音はすごく楽しそうだった。双子なのに・・そりゃ双子だからといって起きる出来事が同じなわけがない。そんなの当たり前だ。
「インチキ」
そう小さく言った。
「彩音!待ってよ。」
後ろから幼馴染の竜馬(りゅうま)が走って近づいてきた。
「何よ。そんな慌てて。」
「隆瑛(りゅうえい)から伝言預かってんの。B駅で待ってろだって。」
「え~!なにそれ~。ってかなんで一々竜馬が直接言ってくんの。隆瑛メールすりゃいいのに。」
「本当だよ。直接言えだと。ほんと勝手な奴だよ。」
「なんか、隆瑛たちも双子なのに性格ぜんぜんちがうよねぇ。なんかわたし達みたい。」
「ハハハ・・そんなことないよ海女音と彩音はすっごく似てるよ。じゃ、俺そろそろ部活だから気をつけて帰りなよ。」
「わかった。えっと海女音と一緒に帰ってあげてね。部活ガンバ。」
「おう。んじゃ!お前もな。」
そう言って竜馬はもう一度教室に行った。
「お前もなってなによ・・・。」
そうわたしは思いながらB駅に向かった。
これからの急な展開をお楽しみに!
次回も見てくれたらうれしいです!
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