1 プロローグ
昔々、あるところにそれはそれは美しい惑星がありました。
その惑星では、長い歴史を経て、人間が生まれ、文明はどんどんと発達していきました。
しかし、ある時、自然を破壊する人間に怒った神様は、人間から文明を奪い、その惑星の天候をめちゃくちゃにしてしまいました。
しばらくして、絶滅したかに見えた人間も少しずつ立ち直り、新たな世界をつくろうとしていました。
まず、彼らが立ち向かわねばならなかったのは、ほかでもない荒れ狂う天候でした。
嵐や日照り、大雪、津波、地震ばかりの世界では、農作もままならなかったからです。
彼らが天候と戦うためにあみだした技術。
それが「魔法」でした。
かつて文明に頼って、神の怒りに触れたことを知っていた彼ら人間は、自然を傷つけない技術として、「魔法」をあみだしたのでした。
彼らの使う魔法は、自然と自ら一体化することで、自然の強大な力の一部を借りる、というものでした。
魔法を身につけた人間達は、荒れ狂う天候と折り合いをつけて暮らしていくようになりました。
物語は、そんな世界、「サウィール」に生まれた、一人の女の子、シロクジを中心に巡っていく。
彼女は、天候と暮らす世界で何を見て、何を学ぶのか。