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第二十二話:掃討

聖なる光の余波に焼かれ、残った四体のグールたちが苦悶の声を上げながら後ずさる。

その動きは明らかに鈍り、先ほどまでの凶暴な勢いは完全に失われていた。


(――これなら!)


この程度の相手に、バルガンが魂を込めて作った貴重な『ブレイカー・ボルト』をこれ以上使う必要はない。


俺は即座に思考を切り替える。【アイテムボックス】の中から選択するのは、カスタムメイドの弾丸ではない。かつてミノタウロスを倒した時のように、道端で拾った石ころや、工房の隅に転がっていた鉄屑だ。


俺はまず、一番近くでよろめいていたグールに狙いを定める。

そして、ただの石ころを――射出した。


ビュッッ!と鋭い音を立てて飛んだ石は、グールの額に命中。

聖なる光で弱っていた肉体は、超高速で飛来する石の運動エネルギーに耐えきれず、頭蓋骨を砕かれてぐらりと後ろに倒れ伏した。


やはり、これで十分だ。

俺は立て続けに、アイテムボックス内のガラクタを射出し続ける。

鉄屑が一体の胸を貫き、別の石がもう一体の膝を砕く。


もはや、それは戦闘ではなく、一方的な掃討だった。

抵抗すらできずに次々と斃れていく仲間を見て、最後のグールがようやく恐怖を覚えたのか、踵を返して逃げ出そうとする。


「逃がすか」


俺が放った最後の一片の鉄屑が、その背中に深々と突き刺さり、完全に沈黙させた。


静寂の中、俺はゆっくりと息を吐く。隣では、リリアが信じられないものを見るように、自分が起こした奇跡の残滓と、ガラクタによって仕留められたグールたちを、ただ見つめていた。


「わたしの魔法が……あの、一撃だけで……」

「ああ。あんたの魔法で敵の主力を削り、弱ったところを俺が叩く。これが俺たちの戦い方だ」


リリアは涙ぐみながらも、力強く頷いた。

自分の力が、誰かを傷つける『呪い』ではなく、仲間を勝利に導く『切り札』になった。その事実が、彼女に自信を与えてくれていた。


俺たちは聖堂の奥まで念入りに調査し、これ以上グールがいないことを確認する。そして、討伐の証拠として魔石を回収した。


不気味な地下聖堂を出て、地上に戻ると、空には満月が昇っていた。

俺たちの初陣は、最小限のコストで、完璧な勝利を収めた。


月明かりの下、俺は隣を歩く頼もしい仲間と共に、次なる戦いへの期待に胸を膨らませていた。

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