DAY 53 天使たちの溜まり場チャンネル夏休み編スイカ割りで粉砕だった日
お昼を終え、施設の人に挨拶。
西崎華さんのお姉さん、楓さんが施設の案内をしてくれ、一通り見て回る。
「すごいなここ……リゾートホテルみたいだ……。これで一人千円……いいのかな……」
白を貴重とした内装になっていて、なんか海外のリゾートホテルみたいな雰囲気。
ここは西崎華さんのご両親が経営している『料亭西崎』の保養施設。
華にはお一人千円で大丈夫です、とは言われているが、ここまで豪華だとは思わなかった。
「分かった、これアレだよミャーマ、後から高額な使用料の請求来るパターンだよ! ど、どうしよう、ミャーマになら身体で払えるけど、華には何を差し出せばいいんだー!」
藤浪桃世さんも施設の豪華さに唖然とし、俺の腕にぴったりくっついてきた。
万……いや二桁万円か……? まずいぞ、帰ったら速攻でアルバイトしないと……!
「……あ、それいいですね。ごほん、ああ、残念ながら千円で入れるのは玄関までとなっていまして、それ以上入られたお客様には十万円のご請求となりますが、私も鬼ではありません、美山君が代表として全員分を身体でお支払いいただければ、この西崎華、全てを許する所存で……」
「華ー、これでいいか」
「え、ちょ……!」
何か閃いたっぽい西崎華さんが演技っぽく語り始めたが、伊江里クロワさんが溜息をつき、俺のシャツをめくってくる。
「はぅ……! 美山くんの鍛えられて割れた腹筋……! 良い……素晴らしいです!」
西崎華さんが大興奮で俺のお腹に顔を近付けて来る。
ちょ、鼻息がかかるレベル……くすぐったいし近付きすぎぃ!
「ぶふっ……あっはははは! あんたらマジ面白いなー! こんな楽しそうで生き生きとしてる華見るの初めてかもー」
俺たちの寸劇みたいなやり取りを見て、楓さんが大爆笑。
生き生き……? あの、妹である西崎華さんが最近暴走気味なんですが、お姉さんから何とか言ってあげてくれないですかね……。
その後、広い食堂、獅子の口からお湯が出てる大きな温泉、トレーニング施設を案内してもらい、荷物を各部屋に置く。
一休みして、午後からは「スイカ割り」動画撮影の予定。
水着着用で、夏っぽい動画を撮ろうかと。
「す、すいません、カメラのバッテリー交換してて遅れました……」
黒のハーフパンツタイプの水着を着用し、カメラを見たらバッテリー切れの赤ランプ。
慌てて予備のバッテリーに交換していたら、集合時間にちょっと遅れてしまった。
「おー、ミャーマ。何々ー、さっきの映像を繰り返し再生でもして良からぬことをしてたのかー! って、やっぱミャーマの身体すごー! 市民プール以来に見たけど、これをスルー出来る女っているのかねー、あははは!」
さっきバーベキューをやった、外だけど屋根付きの場所に行ったら、藤浪桃世さんがニヤニヤ笑いで俺の肩をバンバン叩いてくる。
藤浪さんは、さっきの黄色いカラーサングラス、上下別れた黄色が主体のスポーツタイプの水着か。
うーん、藤浪さんも鍛えているので、スラっとした良い身体をしているなぁ。
腰のラインと足が綺麗。
「てめぇ、何をエロい目で桃世を見てんだよ……って、うん……お前、マジで良い身体になったな……」
伊江里クロワさんが睨みながら近付いてきたが、俺の身体をジロジロ見て言葉少なになる。
クロワは赤のカラーサングラスに、赤いホルタービキニスタイル。
うーん、その、良い身体なのはクロワもなんだけど、言ったら怒られるか……。
「見てください楓姉さん! 以前の美山君がこちらで、現在がこう! エロティックな身体になりましたよねぇ……ふふふふ」
「ほーん……ええ、これマジ? 全然違うじゃん! うへー、美山君、どんな餌で釣られてダイエットしたの……ってこの三人と同時に付き合えるって餌かぁ。頑張ったんだなぁ……って、お姉さんも一枚噛んでいい? マジ良い身体してんじゃーん、つまみ食いしとこっかなー、あっははは!」
西崎華さんは水色のカラーサングラスに、水色のヒラヒラがついたフレアビキニタイプ。
うん……比較とか最低だけど、西崎華さんのお胸様がナンバーワンです……!
揺れがすごっ……!
って携帯端末の写真を楓さんに見せつけて西崎華さんが自慢気だが、まぁ数ヶ月前の俺と今は全然違いますからね。驚くのも無理はないです。
そしてなぜか西崎華さんのお姉さん、楓さんも水着なのだが……なんといいますか、さすが西崎華さんのお姉さんって感じで、とんでもグラマラスボディ……。
二人並ぶと大迫力……!
おっと、伊江里クロワさんが睨んできたので移動開始。
施設のほうで用意してもらった大きなスイカをビニールシートの上に置き、準備完了。
観光地で売っているような木刀も用意してもらったので、それを使いスイカ割り動画撮影といきますか。
「いいかボス、邪魔しちゃだめだからな」
「ボッス!」
「うわっ、ってまたボスかよ。夏は毛が暑いんだっての」
愛犬のボスも連れて行き、一応注意するが、ボスが楽しそうに伊江里クロワさんにダイブしていく。
あかん、リード短めにして地面に固定しないとダメだなこりゃ……。
「夏だ! 海だ! スイカ割りだー!」
「つか、マジでこの木刀でスイカって割れんのか?」
「ふふ、今回は夏休み特別編! いつものキッチンを飛び出して、海に来てみました。スイカ割り……ああ、憧れの夏のアクティビティが今目の前に……!」
オープニングっぽいのを撮り、スイカ割り開始。
ルールとかよく分からないので、適当にやるか。
とりあえずタオルで目隠しをしてもらい、五メートルぐらい離れたところからスタート。
最初にグルグル回って目が回った状態で始まるスイカ割りもあるみたいだが、今回は普通にやってみよう。
「一番手はこの2号が務めようじゃあないか! フハハ……感じる、感じるぞ幹部の気配を……!」
最初の挑戦者は藤浪桃世さんこと、2号さん。
木刀を構え、目標のスイカとは別方向でカメラを構えている俺のほうをグリンと向き、猛然とダッシュしてくる……って、なんで俺……!
「うわぁぁ……!」
「フハハハ……! そう、これ、これだ……! 私は幹部の悲鳴が聞きたかったのだ……! 目標達成! ではスイカ割りとかいうヌルゲー、サブイベントへ移る!」
カメラを向けつつ逃げるが、俺が恐怖で悲鳴を上げると満足した顔で2号さんが笑う。
ちょ、マジで襲われるかと思った……
俺に向かって走っていた藤浪桃世さんが、急激にターンをして方向転換。
迷いなくスイカ方向へダッシュ……って、おいマジか……目隠ししているのに、まるで見えているかのような動き……藤浪さんて、デフォルトでスイカレーダーでも積んでるのか?
「ムッ……見えた! さらばだスイカ、原型すら無くなる私の斬撃を喰らえ……爆砕覇斬剣!」
藤浪桃世さんがスイカに向かってドンピシャ斬撃。
──…………ボン!
振り下ろされた木刀が見事にスイカに命中。
だがスイカは割れることなく沈黙──
しかし数秒後、スイカがブルブルと震えだし、中から弾けるように爆発。
「フハハハ! 見たかスイカめ! これぞ2号が最終奥義、即席スイカジュースを召し上がれ、だ!」
「ちょ……」
見ていた全員が口をあんぐり。
まぁ藤浪桃世さんだから、真っ二つなんだろうな、と思っていたのだが……予想を超えてきた。
まさかの原型が無くなるレベルの粉砕……。
スイカジュースどころか、欠片すら霧散して残っていなんですが……その……。
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影木とふ




