DAY 52 料亭西崎の保養施設到着で夏の海が最高だった日
「はい到着ー! ここが料亭西崎の保養所『海の遊び場』さー!」
西崎華さんのお姉さん、楓さんが車を降り、白く大きな二階建ての建物を指す。
途中で寄った道の駅から十数分、海のすぐ横にある施設に到着。
かなりの大きさの建物、海側は屋根付きになっていて、バーベキューも楽しめるとか。
屋上はベランダになっていて、夕日が綺麗に見えるらしい。
「うわー、マジでプライベートビーチ付きの保養所だー! すっご、料亭西崎バンザーイ!」
藤浪桃世さんが建物のすぐ横から砂浜になっていることに感動し、謎の万歳三唱をする。
「まぁ正確には、小さな砂浜の横にあるのがウチの保養所だけなので、プライベートビーチに見える、ですけど。でもほぼ人は入って来ませんし、自由に遊んでいただいても大丈夫ですよ、ふふ」
西崎華さんが車から荷物を降ろしながら言う。
おっと、手伝いますよ。
しかし重い……随分と大きな旅行カバンがパンパンですけど、何が入っているんだろう。しかも三個。
「お昼はあとにして、とりあえず海行くか?」
「ボッス!」
伊江里クロワさんが海を眺め、珍しく興奮気味。
愛犬ボスも海を見て興奮気味。
まぁ分かる。この環境、子供だったら奇声を発しながら海に走っていくところだ。
時刻はお昼。
道の駅で買って来た食材でいきなりバーベキューもいいのだが、俺も……まずは海を見たいかな。
「みんな、まずは海を見てこようか。お昼はそのあとにしよう」
「リーダー命令キター! もう興奮が抑えきれないから全員水着で並べってさー! 順番にアレコレされちゃうー!」
「ゴクリ……わ、分かりました……! 美山君がとても積極的……やはり海……海は全てを解決するんですね! 開放的な青空の元、心も衣服も解き放ち、獣のようにお互いを求め合……」
「いきなりかよ。楓さんがいるのにお構いなしとか、半端ねぇな。なんにしても最初は私だからな、まず私に来い」
……?
まずは海を見に行こうか。
俺、誤解されるようなこと言いました?
ちょ、西崎華さんが服を全部脱ごうとしている……!
「ち、違いますって! 天使たちの溜まり場チャンネルの動画を撮ろうと思いまして、海に来ました編のコスプレをしていない、プライベートショット、的に撮ろうかと。なので水着じゃなくて、そのままの格好でお願いします!」
「……はぁビックリした。着いていきなりおっぱじめるって、若い子ってパワーすっご……って思ってお姉さん驚いちゃった。まぁそういうの、私のことは気にしないでいいからね。私もしたことないから、今後の参考の為に間近でライブで見たいし。華の初めてを見届ける姉の義務もあるし」
興奮しながら服を脱ぎだした西崎華さんを羽交い絞めにしていたら、楓さんが赤い顔でピースサイン。
姉の義務……?
「うぉぉぉぉー! 海に来たぞー! 見ているか戦闘員共ー! ポロリは無いが、幹部をペロリと行くかもだぞー! フハハハハ!」
「夏は少女を大人へと変える……はぁ、夜が待ち遠しいです」
「裸足で砂浜最高だな。うん、これなら押し倒されても大丈夫そうだ」
学校祭の出店ランキング戦の優勝商品で貰ったアクションカメラ、起動!
おお、さすが高級カメラ、携帯端末とは違い、歩いているのに手ブレがあまり発生しない。
全員衣装はそのままで、100円ショップで買った、それぞれの色のカラーサングラスをつけてもらっている。
藤浪桃世さんが2号の色、黄色いサングラス。
西崎華さんが3号で水色、伊江里クロワさんが1号で赤いやつ。
とりあえず海に着きました映像、かな、これは。
セリフはカットで、映像だけ数秒使う、的な。
いやぁ、さすがに映えるなぁ、白い砂浜に青い海は。
うーん、そしてやはり西崎華さんの大きなお胸様がすごい……跳ねる……。
「あーー! 幹部が3号の胸にズームしてるー! 胸囲格差! 胸囲格差はんたーい!」
なんとなく西崎華さんにカメラを向けていたら、2号さん、藤浪桃世さんが激オコで飛びかかってきた。
「うわっ……! し、してないっす! ズームとかしていないですって! 動画配信には規制があって、そういうのはあんまりよくないから際どいのは撮らないですって!」
藤浪桃世さんがとんでもない速度で走ってきて、砂浜に押し倒される。
うおお……! 映像的には襲いかかってくるエネミー的で大迫力!
倒れるところと青空まで撮れば完璧! いいぞ、これはいい映像だ!
「あら、2号が押し倒されましたね。どうします1号、反撃で幹部さんを脱がしちゃいます?」
「まぁあいつは撮る側だし、脱いでも問題ないか」
「ボッス!」
え、ちょ、西崎華さんと伊江里クロワさんも悪魔みたいな笑顔で迫ってきたけど……認識がだいぶ違いますって! 押し倒されたのは、俺!
そして愛犬は俺を助けろ……!
「うーん、浜辺で襲いかかってくる天使、みたいな映像になったが……まぁ、いいか。セリフ全カットすれば何かに使えそうだな」
とりあえず海に来ました映像はおしまい。
飛び掛かってきた3人から何とか逃げ出し、いい加減お昼。
施設のほうで、外にある建物横の屋根付きの場所でバーベキューを用意してくれていて、追加で道の駅で買った食材も焼く。
ナスとか玉ネギとか、地元野菜を色々買ったんだよね。
「いやぁさっきは面白いの見れたー。そっかー、動画ってああやって撮っているんだねー。台本無しで一発撮りだとは思わなかったよー、あっははは! あんたら普段から面白いことやってんのねー。そりゃあ華がここ最近、笑顔が増えたわけだー。はい炭酸」
一応撮った映像を確認しながらバーベキューを食べていたら、西崎華さんのお姉さん、楓さんが爆笑しながら飲み物を持ってきてくれた。
「そういや台本とか一回も作ってないな。全部こいつの言いなりでやってた」
伊江里クロワさんがナスを食べながら言うが、俺の言いなり、ではなくて、3人が自由気ままに動いている、の間違いです。
「ミャーマが台本作ったら、ここで服を脱ぐ、とか平気で書いてきそー。あははは!」
藤浪桃世さん、さっきも言いましたが、配信には結構厳しいルールがあるんですって。
そういうのは全部アウトです。
「刺激的な映像は配信出来ませんけど、多分美山君が個人的に使うのではないでしょうか。恥ずかしいですが……綺麗に撮って下さるのであれば、私は全力でお応えします」
西崎華さん……だからそういうのは撮りませんって。
個人でも使いま……その、普通に撮って、ちょっとエロいなーってのは当然全カットで、まぁ……ふぅ~んエッチじゃん、的にチラっとスローで確認の為に何度も見返したりはするかもしれませんけど。
まだ来たばかりだけど、やはり夏の海は映像を撮るのに最高すぎる。
こんな豪華なところで泊りがけで動画撮影とか2度と出来なそうだし、思いっきり夏を楽しみつつ、映像のストックをいっぱい撮るぞ。
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影木とふ




