DAY 50 コスプレカラオケでボディタッチ多めだった日
「ああああ、そう、これです! 私がエンヴィー様と初めて一緒に食べたクリームたっぷりパンケーキ! あまりに美味しくて夢中で食べていましたら、急にエンヴィー様が私の頬に触れ『クリーム、ついてるよ』と優しくクリームを拭って下さりそのままペロリと……そしてその夜私ごとペロリと……!」
コラボカフェという所に初めて来たが、簡易ではあるがコスプレをするのが入店条件となっていた。
それぞれキャラの服を模した上着やカツラを付け、アニメの中で出てきたデザート等を実際に食べられるという、その作品が好きな人にはたまらない場所。
俺はこのコラボカフェの元となっている作品は知らないのだが、西崎華さんが大好きらしく、ずっと大興奮状態。
「さぁ、さぁどうぞ……!」
「え?」
俺はフルーツ山盛りパフェ、伊江里クロワさんがマロンケーキ、藤浪桃世さんがハチミツたっぷりワッフルを食べていたら、西崎華さんが頬をぐいっと俺に向けてくる。
「……多分さっき華が言っていた、クリームついてるよ、からの指で拭ってクリームを舐める、をやれってことだろ。ここは華のおごりらしいから、それぐらいやってやれ」
伊江里クロワさんが溜息をつきながら西崎華さんの行動の説明をしてくれた。
「う、うん……。ク、クリームついてるよ……うん、甘くて美味しい」
西崎華さんが鼻息荒く、今つけました! という感じのクリームを頬から拭い、ペロリ、うん、普通に美味しい。
コラボカフェだから見た目優先かと思えば、味もこだわっているらしく、かなり美味しい。
さっきメニューを見たが、そこそこお高い理由が分かる。
西崎華さんがおごってくれるとのことなので、スポンサー様のご要望に応えるのは義務。
「ホワハァアアアア……! この後私を甘く美味しくいただきます宣言きました……! もう無理です我慢が出来ません……! 裏にあるラブなホテルに直行しましょう! そこで二人の愛が最高潮に……」
「言っとくけどー、ここを出たら私はマリアベルの恋を応援する親友フランメイアじゃなくて、自分の幸せ最優先のももよーんメイアに戻るからー。一人抜け駆けはアウトー、揉め事回避のために全員一緒だからねー」
「私ってライバルキャラなんだろ? もちろん妨害するし一人じゃ行かせねぇぞ。それにこいつとするのは全部私が最初って決まってんだっての」
言われた通りにすると、西崎華さんが立ち上がり大興奮、俺をぐいぐい引っ張ってお店の外に出ようとする。
ラブなホテルって……多分そこ、未成年は利用できない場所ですって……!
「あー、ここカラオケもあるってー! やろうやろう! ももよーん歌姫、爆誕!」
コラボカフェも堪能し、そろそろ出ようかと思ったら、藤浪桃世さんが壁に貼ってあるポスターを指す。
「追加料金を支払えば、この格好のままカラオケが出来るようですね。さすがに作中にカラオケをするシーンは無いですが、これはifのアナザーストーリーとして受け入れましょう。さぁ行きましょうか!」
「結構狭い部屋なんだな……よし、合格だ」
西崎華さんと伊江里クロワさんも乗り気。
狭いから合格ってのはどういう意味だろうか。
「五人の力が一つとなってー行くぞ必殺惑星破壊光線ー!」
カラオケルームに入り、藤浪桃世さんが戦隊物と思われる主題歌を歌い始める。
「相変わらず歌うめぇのな、桃世」
「桃世の歌は勢いがあって好きです、ふふ」
二人が褒めているが、確かに藤浪桃世さん、歌が上手いな。
綺麗な歌声というよりは、西崎華さんが言った『勢い』がある迫力ボイス。
とりあえず全員歌いたい曲を入れて一回り。
伊江里クロワさんはよく通る声で、中音域が得意なタイプ。
西崎華さんは、これがまぁ綺麗な歌声。ソプラノ歌手か、ってレベルの高音域ボイス。
俺は特筆すること無しの、普通。
この部屋は狭いので、設置されているソファーに座ると、隣の人と肩が当たる。
カラオケとか、男友達としか来たことがなかったから、そういうのは何とも思わなかったけど……女性とだと話が違うな……。
「おいてめぇ、華にくっつくな」
「え、あの、普通に座っているだけですけど……」
ソファーに座って藤浪桃世さんの迫力戦隊シリーズメドレーを聞いていたら、右隣の伊江里クロワさんが睨んできた。
俺の左側には西崎華さんが座っているのだが、普通に座るだけで太ももが当たる。
もちろん伊江里クロワさんの太ももにも当たっているのだが、もっとこっちに来いと俺を引っ張る。
「あの、スペース的に無理……」
「あぁ? うっせぇな、わざと華にくっついてねぇでこっち来い」
わざとではなくて、このソファーに三人座ると大きさ的に必ずこうなるのでは……。
「ふふ、アンメリー? 私とエンヴィー様は両想いなので抱き合うのが日常で当たり前なのです。足が当たるぐらい、なんともないですよ? 裸でしたら別ですけど」
あれ……西崎華さんが『キャラ名』で呼んできたぞ……これは……入り込んでいる。
「はい次いいよー! 歌い疲れたー、飲み物ちょーだーい。あれ、ミャーマの膝の上あいてるー! よっしゃぁ、ドーン!」
伊江里クロワさんと西崎華さんが揉めていたら、藤浪桃世さんが歌い終わり、俺の膝の上にドカーンと座ってきた。
「うわわ……! 桃世、向こうのソファーあいてる……」
「えええええー、私だけ仲間外れとかひどーい! いいじゃんミャーマの膝の上あいてるんだしー」
そう、この部屋にはテーブルを挟んで向かい合うように二人用ソファーが二個置かれている。
……のだが、なぜか女性陣が俺を挟むように座り、二人用なのに三人座ったら……まぁぎゅうぎゅうだよね、と。
そして藤浪桃世さんが座ろうとしたが俺の横があいておらず、『あ、でもここあいてるじゃーん』と勢いよく俺の膝の上に座ってきた。
あの、俺の膝の上は椅子じゃあないですって!
その、藤浪桃世さんのお尻の感触がモロに来る……。
「てめぇ桃世! やっちゃいけない一線超えやがったな!」
「はぁー? 仲良しなんだからこれぐらい問題無いでしょー。だったら二人も座ればいいじゃーん」
「……! なるほど、仲良しだから問題無い……! なんという素晴らしいワード! 確かに仲が良ければ多少のボディタッチとか当たり前、私たちは『天使たちの溜まり場チャンネル』チームで超仲良し! そして私はエンヴィー様の膝の上に座って疑似お姫様抱っこをする権利がある……! そぉれ……!」
西崎華さんが藤浪さんをどかし、膝の上に座ってきたが……その、なんで跨いで座ってきたの……。
これ、お姫様抱っこじゃないよね……その、男女のアレの体位の対面なんたらって構図なのだが……
「華ぁ! てめぇ、それはダメだろうが!」
「えぇ? なんでです? 私とエンヴィー様は毎晩裸で抱き合っているので、これぐらい普通の行為なのですが?」
伊江里クロワさんが激オコ。
西崎華さんはキャラに入り込んで、架空の記憶で喋り始めてしまった。
……もう出ましょう。
とりあえずコスプレをやめてマリアベルから離さないと、西崎華さんが帰ってこない……。
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影木とふ




