DAY 41 動画第4弾お魚昇天でモザイク動画だった日
「キタゾキタゾ! 我の大好物『寒天ゼリー』企画、満を持してここに参戦! お前等みんな混ぜて固めてやるー! フハハハ!」
買い物を終え、マンションに帰宅。
大型商業施設で食料品も色々買って来たので、まずは藤浪桃世さん熱望の動画企画、『映える夏の寒天ゼリー』企画。
オープニングから天使の衣装を着た2号さんこと、藤浪桃世さんが大興奮状態。
「今回は『寒天ゼリーの夏のアレンジ』ですね。2号がぜひやりたいと、すごい圧をかけてきていた企画です。とても簡単なので、みなさんも作って見てくださいね。ふふ」
「材料はこれだな。スーパーで買った粉末寒天とお好みの映えるアイテム、今回は魚の形をしたグミ、これを投下する」
3号さん、西崎華さんが2号さんの肩を押さえつつ説明。
1号さん、伊江里クロワさんが手書きのホワイトボード片手に材料の説明。
ホワイトボードとか寒天ゼリー用の型は百円ショップで買って来た。
動画撮影は久しぶりだけど、相変わらずこの3人の天使ナースコスプレは映えるな。
完成イメージも手書きで描いてあるが、寒天ゼリーの中を自由に泳ぐ魚のグミ、みたいなのを予定しているが……多分そうはならないだろうなぁ……。
「まずは鍋に水を適量入れ、粉末寒天を加え火を点けて数分かき混ぜます。良い感じになりましたら火を止めて、専用の容器に流し込むだけ。簡単です、ふふ」
「それだけ……? 今回は微塵切りは無いのか? 微塵にしたくてしたくて、腕が暴走して押さえられないんだが」
「ねぇよ。使うグミの選別でもしとけ」
2号さん、藤浪さんが右腕をブルブルと震わせ始めたが、今回は包丁すら使いませんので、微塵はまたの機会にお願いします。
「ええー……魚のグミなんてどれも同じ顔じゃないかー……ってあれ、結構個性があるー! こいつ! こいつのアホ顔最高! こいつはリーダーで真ん中に配置決定だ!」
3号さんに言われ、2号さんが渋々魚の形のグミの選別作業に入る。
最初つまらなそうな顔をしていた2号さんだが、魚の顔に微妙な違いがあることに気付いたらしく、群れのリーダーとそのライバルチーム、みたいな選別をし始めた。
……遠目からは魚グミの顔に違いは見えないが……藤浪桃世さんの感性は独特だからなぁ……。
「お魚さんの選別、終わりました? 寒天を型に入れたので、あとはお魚さんグミを沈めて冷やして固まったら完成ですね。ふふ、楽しみです」
数時間後、寒天ゼリーが完成。
さて、冷蔵庫から取り出すシーンから動画撮影開始、と。
「出来ましたねー、ふふ、美味しそう……あれ? これは……」
「……空に向かってやる気のない魚たちが群れている……」
「あれ? あれれーおかしい! さっき我が頑張ってこいつらの見せ場を作ったのにー! どうしたお前等……さっきまであんなに元気だったじゃないかー! 泳げよ、ここがお前等の新たな世界なんだぞ……自由を手に入れたのに、どうして……」
冷えて固まった寒天ゼリーを、ひっくり返してお皿に盛る。
それを見た2号さん、藤浪さんが期待の目から驚愕の顔に変化し、肩をガッツリ落とす。
当然重みで沈んでいた『お魚グミ』が天井付近にくるのだが、予想図では寒天ゼリーの中を自由に泳ぐ水中水族館、だが現実は、天井付近に固まって横たわる魚の群れ……。
しかもちょっと熱で溶けかかっている。
「ステファン……! お前がみんなを率いなきゃいけないんだぞー! どうして敵の悪役ジョニーと熱い口づけなんてしているんだー! 和解からのBLなのかー!」
2号さんがワナワナと震え、想像からほど遠い仕上がりに涙を流す。
ステファン……? ジョニー?
ああ、リーダーとそのライバルの設定のお魚グミね。
寒天ゼリーの熱でちょっと溶けて、お互いの口がくっついて固まっているな。
「そ、それではアレンジの仕上げとしまして、アイスクリームを添えて頂きましょうか」
3号さんが落ち込む2号さんの背中をさすり、4つに切り分ける。
アイスを添えると、雲から勢いよく飛び出した元気の無いお魚さんたち……って見栄えだが……まぁいいか。
「ステファン……ジョニー! お前たちは永遠に私の中で生き続ける……うん、アイスと絡めるとうまーい!」
涙を流し、2号さんが責任を持ってくっついた2匹の部分を一口。
笑顔で彼等を吸収していく。
「うん、美味いな。アイスが溶けて贅沢なソースみたいでいいぞ」
「ですね、見栄えは失敗しましたが、味は満点です」
1号さん、伊江里クロワさんと、3号さん、西崎華さんもご満悦。
俺にも切り分けてくれたのでいただくが、うん、美味い。
「美味いか幹部ー! そう、私たちは日々命をいただいているのだ! 栄養となったお魚さんのためにも、我らはもっと動画を撮らねばならぬ! 天使たちの溜まり場チームはまだまだ動画を撮り続けるぞー!」
2号さんが急に熱くなり、一人黒い布をかぶり、カメラに対して後ろ向きで食べていた俺に抱きついてくる。
うわ、ちょ……! 引っ張らないで……布が取れますって!
「……いい加減にしろ2号。幹部が嫌がっているだろ」
横にいた1号さん、伊江里クロワさんがムスっとした顔で俺を引き寄せ、2号さんから離す。
って、うわ……伊江里さんの胸にガッツリ顔を抱き寄せられたけど……今どういう絵になってるんだろう柔らかい……。
「フハハ……1号よ、主の目は節穴か……? 我が抱きついたときの幹部の顔、まるでステファンのように笑顔でまさに昇天寸前だったぞ! 絶対に喜んでいた!」
「ああ? こいつ、サングラスにマスクしてっから顔見えてねぇだろ。それに喜んでいるのは今だ。2号のまな板じゃあこいつは反応しねぇよ。見ろ、呼吸が荒い」
2号さんと1号さんが言い争いに……え、俺の顔がステファンみたいだった?
彼、溶けかけてたけど……?
まぁ確かに藤浪さんのお胸様の感触で、緩んだ顔にはなっていたかもしれない。マスクの下で。
「ふふふふふふ……あら、大きさ自慢ですか? あらら、それはそれは、では幹部さん、そぉれっと! ほら、1号なんて比較にならないでしょう……? ふふ」
ちょ、3号さん、西崎華さんまでもがこの戦いに参戦してきたぞ……。
ど、どうすんだよこれ、まとめ役がいねぇじゃねぇか!
しかも余裕の笑みだし。
背中にたっぷりと伝わってくる重み……大きさでいえば……その…………3号さんの圧勝、です……。
「我はまな板じゃなーい! そりゃあ二人には勝てないけど、そこそこあるってのー!」
「……おわり。えーと、この動画、大丈夫だろうか……」
その後、撮った動画を編集するが、後半のドタバタが色々際どい。
「何かに引っかっかるのか? モザイクかけときゃいいだろ」
金髪ヤンキー女子、伊江里クロワさんが助言をくれたが、モザイクかぁ……余計エロっぽくならないかなぁ。
その後、動画を公開したが、後半のモザイク処理部分に視聴者からの突っ込みが殺到。
『え、何? 魚昇天からの後半モザイク動画なんですけどー?』
『もしかして幹部昇天した?w』
『魚BLからの後半怒涛のモザイクw』
『まな板じゃなーい! エンド。何この驚異の胸囲格差w』
『π 3号 > 1号 ┃┃超えられない壁┃┃ 2号』
……なぜか天使たちに数式が出来上がった模様。
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【以下定型文】
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影木とふ




