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俺のワガママボディがクラスの三大美少女を溜まり場に引き込んだ件について ~天使たちの溜まり場チャンネル配信開始!~  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
1 結成『天使たちの溜まり場』チーム

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DAY 4 ご褒美マッサージからの伊江里クロワさんが笑顔だった日




「じゃあ腕を伸ばしてみよっかー。真上に向かってぐいーっと! そうそう、ほら、私たちが転ばないように支えてあげるから、思いっきりやっちゃってー」


「いだだだだだ! 無理、無理! 俺はゴム製じゃないんで……!」



 金曜日、やっと高校の一週間が終わった、明日からは好きなだけ肉料理を作れる肉天国だ、と思ったら、なぜかクラスの三大美女が俺の家に来訪。


 え、これなんていうラブコメなの? と思ったら、ダイエットがどうのと言われ百キロマラソンに駆り出された。


 実際には一キロ走った、いや歩いただけなのだが、普段運動なんてしない俺からしたら天文学的数字である。


 瀕死で家に帰り、シャワーを浴びたら、スポーツ女子藤浪桃世さんが元気に「ご褒美タイムー」とか言って俺を上下に伸ばし始めた。


 こ、これのどこがご褒美なの……!


 肉、みんなで肉を食べませんか、そのほうがご褒美感があると思うんですよ……!



「こら暴れるな! ちゃんと筋肉ケアしないとだめなんだぞ!」


 俺をどこまでも伸びるオモチャだと思っているのか、女性三人がぐいぐい俺の手を引っ張る。


 伊江里さんが背後からがっつり身体を密着させ、俺が逃げないように羽交い絞め。


 う……あ、あの……なんか柔らかいものが二つ背中に当たるんですけど!


「美山君のお腹、やわらかーい。……でも来月には無くなっているのかもしれないよね、このお肉」


 和風美人の西崎さんが、俺のワガママなお腹の肉をフヨフヨと触ってくる。


 え? 俺が長年連れ添った相棒が来月には無くなっている……? いやいや、まさか、そんな簡単にはいかないでしょう。


 だって俺、これからも肉を食いますし。


 


「はーい、ご褒美タイムのマッサージ&ストレッチ終了ー! じゃあご飯にしよっかー」


「……うぅ……もう伸びません……」


 腕を引っ張られたり、うつ伏せの状態の俺の上に女性陣が乗っかって来たり、携帯端末の動画を見ながら謎のダンスをさせられたり……なんなんだ……。


 やっと、やっと終わったのか……!


 女性に身体を触られまくるとかいう、ちょっとしたハーレム気分を味わったが、激しい運動と筋肉の痛みという対価を支払う羽目になった。


 はぁはぁ、よし、じゃあみんな帰ってね、俺は夕飯で肉たちの祝福を受けますので。



「ったくよぉ、さっきも見たけどマジで野菜ねぇな、この冷蔵庫。買ってこねぇと」


「このマンションの横にスーパーあったよね! 公園の手前に大型商業施設もあったし、買い物が楽だなぁ、ここ」


「学校も近いし、買い物も便利。結構いいかも……」


 ちょ、勝手に冷蔵庫開けて俺の肉たちをチェックしないで。


 え、買い物?


 材料の肉ならたんまりあるので、買うもの無いですけど。




「あれー? 進太ちゃん、彼女出来たのぉ? お泊りパーティーとか? あららぁしかも三人も、うふふ」


 マンションの横にはそこそこの大きさのスーパーがあり、食材はほぼここから買っている。


 近いし、子供のころから何度も来ているので、レジのマダムとは顔見知り。


 そのマダムが美女三人連れの俺に目を見開き驚き、最後はニヤァと笑いポケットの携帯端末を操作し始めた。


 え、ちょ、今何をしたの。


 彼女? そういえば、女性と買い物なんて初めてかもしれない。


 しかもクラスの三大美女と一緒とか、ちょっとテンション上がる。


 でも買い物かごを見ると、野菜野菜野菜果物ヨーグルト……状況としては嬉しいけど、買う物が嬉しくない。


「デザートもいい? 寒天ゼリー! 私オレンジー! みんなは?」


「いきなりデザートかよ。まぁ初日ぐらいはいいか。私マスカットな」


「うーん、こういうの悩むのよねぇ。違う味選んでシェアするか、好きな味の一点特化か……桃にしましょう」


 女性陣がデザートコーナーで騒いでいるが、寒天ゼリーって、何? 


 俺のマシュマロセンサーには、一切反応しない食い物なんだけど。


 藤浪桃世さんがオレンジ、伊江里クロワさんがマスカット、西崎華さんが桃、俺はどれでもいいが……オレンジにするか。


 つかゼリーなんて飲み物だろ?


 肉で挟めばまぁ、なんとか食えそうだけど。




「はーい、出来たよー! ももよーん特製温野菜スペシャルー!」


 買い物後、俺の家のキッチンで調理開始。


 女性三人が楽しそうに野菜を切ったりしている姿は、まるでドラマのワンシーンみたいだ。


 昨日までは画面の向こうの世界、と思っていたことが今日いきなりいっぱい起きて、俺の頭の処理が追いつかない。


 こういうときは落ち着いて肉を食うべき……と思ったのだが、俺が冷蔵庫を開けようとすると、伊江里さんがすっごい睨んでくる……。


 え、あの、ご飯ってお肉ですよね?


 マラソンとかで体力削られたので、人類の命の源である肉を焼こうと思ったのだが……。


 みんな肉嫌いなの? 嘘だろ?

 

 牛、豚、鳥、どれでも冷蔵庫に常備してあるので、それを使って焼肉とか……。


 だが俺の前に並べられた物は、油滴る香ばしい肉ではなく、しなっとした野菜たち……あの、作ってもらっておいてあれですが、こういうのは肉に飽きた時に箸休めで食うものでは?


「ったくよぉ、こいつ、隙あらば肉焼こうとしやがって。最初にダイエットだって説明しただろうが」


「ごめんね、美山君、一か月は諦めてね。私たちも頑張るから」


「この温野菜にー、私特製のヨーグルトソースをかけるの! これがもう美味しくて、モリモリいけちゃうんだー」


 肉、無し……暖められた野菜にヨーグルトソース……?


 あれ、そういえば親友の波多野悠一、あいつがお弁当にヨーグルトがどうのと言っていたぞ。


 これか……


「……い、いただきます…………ん、あれ? これ美味い! 酸味とかニンニクが効いていて、確かに野菜なのにモリモリ食べられる……!」


 箸で野菜を突くが、しなっとした反応しか帰ってこない。


 ここで肉たちなら、じゅわっと油が出てきて、食欲を誘う香りが鼻孔を支配してくる。


 やはり野菜は反応が鈍い、リアクションがつまらない、と思いながら渋々口に入れるが……あれ、美味いぞ、これ。


 藤浪さんが言っていた、ヨーグルトソース、これがマジで美味い。


 これだけペットボトルで常備して飲みたいレベル。


「…………」


「あれれー? クロワがなんか嬉しそうだよー? 男子の前で笑顔になるとか、めっずらしー! あはははは!」


「頑張って作った料理を褒めてもらえる、これは誰でも嬉しいのでは? あと今日一日一緒にいて思ったけど、美山君ってとても家庭的。家を綺麗に保っていたり、洗濯もしっかりやっていたり、水回りも綺麗、ごみの分別もバッチリ。普段から料理もしているみたいだし……私的に、ポイント高い」


 まぁ親が厳しかったってのもあるが、掃除とか洗濯とか、子供のころから普通に手伝っていたし、料理も肉たちの為に覚えたしな。


 え? 伊江里さんが笑顔?


 そういえば、小学校のときはよく笑う子だったのに、中学からは眉間にしわ寄せた怒り顔しか見たことがないな。


 高校に入ってからも、イケメンたちに囲まれていても、一人ムスっとしている感じだった。



「飯が美味かったら笑顔にもなるだろうが! 桃世は寒天ゼリー没収な」


「えええええええ! これが楽しみなのにー!」


「ちょっと、ご飯は静かに食べましょう。あと、みんな普通にくつろぎすぎ。ここが美山君の家だって忘れてない?」



 ……そういえばこういうの、懐かしいな。


 家族は東京に引っ越し、春から俺一人でこのマンションに残り暮らし始めて、誰かと夕飯を囲むとか、久しく忘れていた感覚。


 ……なんか、楽しいな。






























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【以下定型文】



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         影木とふ




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