掌ですくいあげた物語13 ~浮遊する e… 〜
空が高くなった
偏西風にのって 雲は かたちを変えながら
窓枠のフレームのなかを ゆっくりと
右から左へ まわっていく
思いは 浮遊する energy
肉体をもたず 目には見えない
だけど そのチカラは まちがいなく
ぼくのまわりで 作用している
バラバラだった ひとつひとつの思いの粒は
自然と淘汰されて
引き寄せられ 秩序を保ち
大きな存在の渦となる
あなたは もういなくなってしまったけれど
あなたの存在は
それに立ち向かうための 心を整え
やり遂げるための からだを養った
あのときの あなたの言葉は
ぼくのなかで 存在しつづけている
ぼくのまわりに 存在する
たくさんのあなた
存在という名の energy は
大いなる 時空の風にのって
ぼくを地軸に 大きく ゆっくり回転する
その軌跡は やがて
詩となり
魂となる
魂の火種は 燃えつづけ 遠く響きわたる
誰かを癒し
誰かを奮い立たせる
そして ぼくの銀河は できあがる