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種族:人間ではじまるクソゲー攻略! ~レベルとスキルで終末世界をクリアする~  作者: 灰島シゲル
【第一部】 極夜の街と幼い吸血鬼

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三日目・夜 LUKステータス

「そう考えると、納得が出来ます。……そもそも運なんてものは受け手にとって都合のいい結果論にしかすぎないんです。その結果によって、誰しもが運が良かった、悪かったなんて当てはめているにすぎません」


 ミコトはそう言った。



 ミコトの言ったことを分かりやすく考えてみる。

 例えば、当たりと外れの二種類があるクジを二人で同時に引いたとして。

 クジの当たりを引いた人はもちろん〝運が良かった〟と思うだろう。反対に、外れのクジを引いた人は〝運がなかった〟と思うに違いない。

 けれど、もう一度クジを引いて、今度は外れを引いた人が当たりを引いたのだとしたらどうだろうか。

 すると、今度は直前に外れを引いたにも関わらず〝今度は運が良かった〟と思うだろう。反対に、直前に当たりを引いた人は〝今度は運がなかった〟と思うに違いない。



 当たりと外れ。その結果が、ただ入れ替わっただけなのに。それなのに、勝手に人はその結果に対して〝運〟という要素を当てはめてしまう。

 おそらくだが、ミコトはそう言いたかったのだろう。

 運の良し悪しなんて、結局のところ結果論に過ぎない、と。



「……よく考えれば分かることでした」


 とミコトは言葉を続ける。


「先ほども言いましたけど、INTとLUKを除いたすべてのステータス項目は、直接――すぐさま私たちの身体に影響を及ぼします。けれど、INTとLUKがステータスの中でも別枠だとしたらどうでしょうか。INTはスキルの回数を、LUKはスキルの獲得率を上げるためのものだとしたら、話は変わります。ステータスの数値は重要です。その項目の数値次第で、この世界における私たちの生死が変わってくる。だから、わざわざ貴重なSPを割り振ることが出来るようになっている――。そう、私は思うんです」



 ミコトはそう言って言葉を締めくくった。



 俺は口元に手を当ててミコトの言った言葉を考える。

 ミコトの言うように、この世界におけるステータスという項目は重要だ。

 それこそ、数値一つ違うだけでこの世界での生存率は変わる。

 でも、それと同じぐらいに――いや、それ以上にスキルという存在は大きい。

 たった一つのスキルの効果で――俺がチートと呼ばれるぐらいには――この世界のスキルにはゲームバランスを崩壊させるほどの力がある。

 それぐらい重要な要素であるスキルを、SPという俺たちが割り振ることが出来る唯一のポイントがあるのに、完全な運任せで入手の是非とはしないだろう。



 SPというレベルアップでしか手に入れることが出来ない有限なポイントは、本当にただ、STRやDEFといった身体能力が向上するステータスにだけ割り振るものか?


 ――もしそうだとしたら。


 だとしたら、このゲームの攻略はまさに、レベルを上げて物理で殴ればいいという言葉に尽きてしまう。

 本当に、この世界(クソゲー)がそんな単純な言葉で片付く世界か?



 勘違いをしてはいけない。この世界は『リアル×レベル&スキル制』なのだ。

 『レベル×ステータス制』のゲームではない。

 STRやDEFといった身体能力が向上するステータスはあくまで戦闘のサポート。そこに、超常の力はない。

 人間が出せる身体能力の限界なんてたかが知れている。いくらSTRを高めて怪力になろうが、いくらDEXを上げて身体のしなやかさと器用さを上げようが、いつかは限界がやってくるはずだ。



 人である限り、昼間のように夜を見通す目は手に入らない。

 視力が急に上がり、遠くの物を見通すことも、スローモーションで動く物を見ることが出来ない。

 身体能力向上と、スキルの効果は全くの別物だ。

 戦闘をサポートするものと、下手をすれば戦闘の方法そのものを変えてしまう力を一緒にしてはいけない。



「…………」


「…………」



 お互いに無言となって、俺たちはそれぞれのステータス画面を見つめた。

 モンスターとの戦闘そのものに直に影響するSTRをはじめとするステータス項目。

 スキルの使用回数に影響するINT。

 そして、スキルの入手確率そのものに影響するLUK。

 一つ一つのステータス項目の重要性が分かってきたからこそ、心の中には不安がよぎる。



 ――本当に、自分のステータスはこれで良かったのか、と。



「はぁ……」


 ため息をついて、ミコトが沈黙を破った。


「ステータスのリセットがしたくなってきました」

「まったくだ」


 と俺はミコトの言葉に同意した。



 けれど、そんなことは出来ない。

 このゲームに、ステータスリセットなんて機能はついていないのだ。

 だったら、これから軌道修正をしていくしかない。



「SPの割り振り、今まで以上に難しくなっちゃいましたね」


 とミコトは苦笑した。


「そう、だな。こうなってくると、一回のレベルアップで使えるSPって、結構少ないんだな」

「それ、ユウマさんが言います? 私なんて、一回のレベルアップで貰えるSPは5ポイントですよ? 全部のステータス項目に割り振ろうと思っても、割り振れないんですから」



 ミコトは呆れた表情となった。

 ステータス項目は全部で七つだ。


 俺は一回のレベルアップで10もSPが手に入るが、【曙光】のないミコトはその半分しか手に入らない。

 俺以上に、ミコトは今後SPの割り振りに悩むことだろう。

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