〜集いし胤華の生徒達 4〜
ー
「……」
キーンコーンカーンコーン。
『「本日の授業は現時点をもって終了致しました。各生徒は……ーー」』
授業終了の合図が終わり、放課の時間になる。
「…さて、帰るか…」
「あー君っ、今日はこのまま下校?」
「風華か。会長の用事は昼に済ませたしな、このまま帰宅だ」
「そっかそっか!私も今日は何も無いし良かったら一緒に帰らないかな?」
「別に構わないが…あのお嬢はどうしたんだ。いつもは一緒に帰ってるだろ?」
「雪延ちゃんは今日はご家庭の用事だって、さっき久我夜君が迎えに来てたよ」
久我夜ってのは確かお嬢のボディガードか。
つまり口うるさい人物は居ない訳だ。
「ならさっさと帰るか、誰に絡まれるか分からん…」
「唯菜ちゃんは?」
「あいつは最近同盟生と出かける事が多いからな。心配無用だろう」
「唯菜ちゃんしっかりした娘だもんね、羨ましいなあ妹ちゃん…」
「風華はそう言えば独りっ子だったな」
「うん。だからあー君達見てると少し羨ましいと言うか…微笑ましいよねっ」
「最近反抗期だけどな…あいつ…」
「あ、あははは…」
等と言いつつ教室から出ると、見知った同盟生を見かけた。
「アイツらは…確か」
「あっっ、葵衣ちゃんだ!葵衣ちゃーーん!」
二人の同盟生の内、片方の女生徒へ駆け寄る風華。
「…風華さん、こんにちは」
「……」
「こんにちは葵衣ちゃん、乖斗君も!」
礼儀正しくお辞儀をし、返事を返して来たのが西園寺 葵衣。風華の友人だ。親友…とまではいかないまでもよく話している印象を受ける。
そしてもう片方の無口な男子生徒が紅柳 乖斗。正直あまり会話はしないが、俺の中では会話をする人間と言うだけで関わりはある方…なんだろうな。
共に俺たちX組の同盟生だ。
「やっぱりいつも二人で居るね、今日も二人でお出かけ?」
「あ、えと…その……まぁ、そんな所…ですね」
「おい風華、あまりそう言うのはだな…」
「…構わない。周りからはそう見られているだろうしな、そして自覚もしている。だがそれは仕方がない」
「そ、そうか…」
相変わらずクールと言うか…何考えてるか分からない男だな…。
「少し…生徒会室に用事があってですね、それで今から二人で行くところだったんです」
「へぇ、会長に用でもあるのか?」
「赫凛ちゃんに?あ、大事なご用事かな?」
「それほどの事でも無いんですよ、お聞きしたい事があるだけなので…」
「西園寺、そろそろ行くぞ」
「あ、うん。ごめんね風華さんまたっ」
「ううん!こっちこそ引き留めてごめんね、また明日っ」
そう言うと二人は生徒会室へと向かって行った。
「俺たちも帰るか」
「そうだね、帰ろっか!」
こうして、俺達は校内を後にした。
ー