表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創作の種記録  作者: 観月
PR
4/12

腐っているのは私です。

 ご存知の方はご存知かと思いますが、私、一時期腐っている作品たちを量産しておりました。今は、全年齢向けの作品が多いですけど。

 時々ほのかにそういった香りのするお話を書きます。おほほ。


 なので、今回はそういった萌目線で水滸伝を眺めてみました。

「そんなの、ありえない。許せん!」

 という方は、この先は読んではいけません。

(あ、でも全く色っぽくはないので、逆に期待されても困ります)



 考えてもみてくださいよ。

 水滸伝って、男ばっかりなんですよ。

 少しは女性もいますけど。

 先の居酒屋のドロンジョ様、張青の妻孫二娘(そんじじょう)だとか、美人でありながら騎兵も率いたという、姐さんの扈三娘(こさんじょう)とか。


 でも、男性に比べたら雀の涙ほどの少なさなんです。

 もうね、腐った方々に、妄想してくれと言わんばかりのキャスティングじゃあないですか。


 私が今の所、一番萌える設定なのは、虎殺しの武松(ぶしょう)ですよ。

 彼には兄がいるんです。

 武松は身体が大きく、がっしり男前なんですが、お兄さんの武大(ぶだい)は、150センチ位しか身長がなくて


「うそでしょ、二人って、兄弟だったんですか!?」


 って、言われちゃうくらい似てないんです。


 大酒飲みで正義感が強くて喧嘩っ早い弟の武松。優しくて、真面目で弟思いの兄武大。

 ……おそらく、腐っていると言われる貴腐人の方々は、この設定を聞いただけでご飯三杯はいけるはず……。


「お兄ちゃん、もうお腹いっぱいだから、お前が食べなよ」


 なんて言いながら、武大はいつだって、自分は我慢してきたんです。武松のために。

 だからこそ、チビで周りから馬鹿にされている兄のことを、武松は大好きなわけですよ。


 本当に水滸伝の作者さん、ツボを良く知ってらっしゃる。


 武松は役人としての仕事で二ヶ月ほど出張するんですけど、それだって腐ったフィルターを通すと


「美人の奥さんと暮らす兄を、そばで見ていられなかったのね!」


 となってしまいそう。


 しかし、その美人の奥さまがくわせものだった!

 官能小説「金瓶梅」の主人公のひとりでもある潘金蓮そのひとです。(←水滸伝のスピンオフ作品ってウィキさんには書いてあった! 私は読んだことはないです)


 夫である武大がまんじゅうを売っている間に、薬問屋の西門慶と浮気三昧の日々。それどころか、夫の弟の武松にまで色目を使う好きものです。

 武松が出張に行く前に


「姉さん、どうか兄を大切にしてやってください」


 なんて言ったものだから、逆に潘金蓮の怒りの炎を燃え上がらせてしまうのです。


「なんですって! 私が夫を大切にしてないとでも言うの? 夫のやつが告げ口したのね!」


 です。


 あれですよ。虐待していた人が、虐待を指摘されると、余計に暴力がひどくなるという現象です。今も昔も同じなんですね。

 そして、武松が留守の間に、浮気相手西門慶と共謀して、武大を殺してしまうのです。



 水滸伝には、登場人物の豪傑たちが落ちる瞬間というのがあります。

 もともと悪い奴らも多いのですが、林冲や武松は、もとはと言うと正義感が強く、役人だったり体制側の人間だったりするのです。そういった人物が、絶望し、落ちる瞬間。それも水滸伝の魅力でしょう。

 林冲ですと、自分を暗殺しようとした牢番人の心臓を、棒で一突きにした、その瞬間でしょう。

 そして武松が落ちるのは、兄が殺されたのだと、知ったときでしょう。


「今日限りで仕事を辞める」


 と職を辞し、武松は義姉と西門慶を斬り殺します。

 まるでただの作り物のように転がる二つの首。

 その首を兄の墓前に供え、自首する武松。このとき、兄とともに、武松の中にあった何かが、一緒に消えたのかもしれません。

 そしてその後、人肉饅頭売の張青夫妻とめぐりあうのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ