人肉、食べるのか!?
水滸伝は、山賊たちのお話です。
だからなんですかね。かなりエグいです。
人肉とか、結構食べてるっぽいよね?
いえ、たしかに喜んでは食べないですけど。普通のことではない、みたいですけどぉ!
でも、さほどの罪悪感を感じないんですよ。
まあ、こんなお話があります。
武松という罪人(実は天魁星の生まれ変わり、梁山泊第十四位)が孟州の牢城へ送られる途中、護送役の役人と一緒に、居酒屋に度々寄るのです。
武松は罪人なんだけど、役人より金持ちだし、虎を素手で殺したすごい男として護送している役人に尊敬されちゃってるという設定です。
そんなわけですから、酒屋によると、金を払うのは武松なんですよ。
「ここは俺のおごりでい」
「へえ、武松さん、ありがとうございやす!」
……ちょっと、どうなの?
って感じです。
まあ、そのときも峠を超えたところにいい感じの居酒屋があったので、役人二人と武松と三人で、入るわけです。
護送役の役人なんか
「武松さん、首枷外しちまいやしょう」
「おぉーい! 酒持ってきてくれ!」
なんて、すっかり油断してます。
出てきた女は。多少派手ではあるけれどもいい女でね
「美味しい肉饅頭もあるわよ」
なんて勧めるもんだから
「おう! 肉饅頭三十個!」
と、宴会になるわけです。
武松は天性の鋭さで「この居酒屋、あやしい」と思うわけですね。
で、飲んだふりをして酒を地面に捨てる。
するとやはり役人二人はバタンと倒れてしまうわけですね。
もちろん武松も倒れたふりをします。
「おーほっほっほ! お前たちコイツラをお運びよ! この男、いい体してんじゃない? 上等の肉になるわあ。そっちの護送役は、出汁にしてやろうかしらねえ」
なんて言うから、武松は跳ね起きて女の首を絞め「てめえ、やっぱりさっきのは人肉まんじゅうだったんだな! ひでえもん食わせやがって!」
となるわけです。
ええ、ここまではOKです。
ところがですねえ。このあと武松は
「お待ちくださいまし! 全く申しわけないことをいたしました!」
と出てきた亭主の張青と意気投合。悪人義兄弟の契りを交わすという……。それでいいのか! 武松! と言う展開になるわけですよ。
その後もね、武松さんったら、この夫婦に捕まってごちそうにされそうになるんですよ。
ある日、大立ち回りの末、武器もなくし倒れていたところを、ぐるぐるに縛られてしまった武松。運ばれた先の建物は、人の足が天井から吊り下げられているような場所だった。
「俺もこんなところで死ぬのか……」と思っている武松の前に現れたのが、張青の妻、あのときのけばい女、孫二娘。
「いい体の男運んできたんだって? アタシが料理してやろうじゃないのぉ!」
と舌なめずりしながらのぞくと……
「アラヤダ、武松さんじゃないの、これじゃ、食べられないじゃない!」
ってわけで、助けてもらったみたいです。ほぅ。
でもさ、これって、武松じゃなかったら食べてたんだよね……!?




