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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画編
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89話 23日目

その次の日の23日目


「因縁の相手との決着を付けようと思うの!だから私に着いて来て!!」


シーサーペントの代表の女性は、暁との訓練が終わった凛の方へと仁王立ちしながらそう言った。


「凛様、俺も行った方が宜しいですか?」


「どうなんだろう…。その因縁の相手って強い?」


「私より少し強い位だから暁は来なくても大丈夫だと思うわ!」


「成程…。それじゃ、俺は向こうに戻りますね。」


「あ、うん。暁、ありがとう。昨晩襲われたって言ってたからまた来ないとも限らない。大丈夫だと思うけど気を付けてね?」


「はは、俺達があれ位の盗賊に遅れは取りませんよ。しかし俺達以外だと話は変わりますからね。皆で話しましたが俺達が分かる範囲内で、助けが必要であればなるべく応えるつもりです。」


「うん、お願いね。行ってらっしゃい!」


「はい。凛様も。」


暁が尋ねるとそこまでじゃないらしく、暁は来なくても大丈夫だそうなので紅葉達がいる所へ戻る事に。


凛は暁と話して頷いた後、軽く手を振って見送る。

暁も会釈を返して屋敷から離れたのだった。




紅葉達は早ければ明後日には王都に着くそうだ。

これまでソアラを含めた4か所の街や都市に訪れていて、その都度街や都市の中に物件を買っているのに、だ。


距離で言えば日本の九州最南端から北海道最東端迄を一直線に結んだ距離よりも更に長い。


暁は前回キュレアとリナリーと一緒に屋敷へと戻り凛と手合わせをした後、任務が終わり屋敷へと戻った時には火燐達に強さの順位が抜かされているだろうと思った。

訓練はまだ近しい存在がいるので何とかなるが1日の半分位は移動に費やす為、ただ馬車に乗って移動するのは勿体無いと感じた様だ。


なので少しでも肉体の強化に充てると言う事で馬車に乗らず走ったり、

飛行及び魔力の訓練と称して空を飛んだり、天歩を駆使して空中をジグザグに飛んで馬車と並走していた。


それを商人と商業ギルド副マスター、ルルは凄い!と感動しながら見ていた。


これに紅葉達やゴーガンが触発された。

ゴーガンはひたすら走り、紅葉達は走ったり空を飛んで王都へと進む。


更に、馬車に積む予定の物は紅葉が預かっている。

それに馬車には御者である商人と商業ギルド副マスター、それとドワーフのルルだけしか乗っていない状態なので、馬車を引く2頭の馬の負担も軽い。


暁が馬車と並走し始めた時は馬も吃驚びっくりしていた。

しかし慣れたのか肝が太いのか分からないが、暫くすると暁とどちらが速いかの勝負をする位には余裕がある様だ。


いきなり競争が始まった時は商人や副マスター、ルルが後ろへひっくり返っていたが、娯楽の様に感じたのか馬に声援を送っている程だ。


馬も移動を楽しんでるみたいで、普通に進むよりもペースが早いのに疲れ等を溜めていない状態の様だ。




そんな中、昨晩も慣れた手付きで夜営の用意をしていると街の方角から8人の盗賊達がやって来た。


「これは家…なのか?…まあいい、女は俺達が貰って行く!男には死んで貰おうか!」


商人は盗賊が来た事に軽く驚いたが、紅葉達はどうする?と顔を見合わせた。


「…僕が行こう。最近少しなまった気がするし、皆は僕にとって大事なお客様だしね。」


「おい!お前!少しばかりデカいからって調子に乗ぷぎゅあ!」


「…話が長い。そこの人達も掛かって来たまえ。」


「くそっ、よくも仲間を!皆、やっちまえ!!」


ゴーガンが前に出ると盗賊の1人がゴーガンをあおり始めたので、ゴーガンは素早く盗賊の前へ行き左の裏拳で盗賊を殴り飛ばした。


そして右手に持った斧を右肩にトントンと乗せ、溜め息をつきながら盗賊達へ掛かって来る様に行った。


これに憤慨した盗賊達は持っている短剣で一斉にゴーガンへ攻撃を仕掛けるも、ゴーガンは1分も掛からずに盗賊達を無力化させる。


因みに無力化した盗賊達は、紫水が練習で編んだ蜘蛛の糸を束ねた紐で縛ってある。

進化して糸が炎や斬撃に強くなったので盗賊達がいくらもがいてもびくともせず、そのまま一晩中夜営地から少し離れた所に放置したそうだ。


凛はひょっとしたら明後日まで盗賊に狙われるかも知れないと心配になったが、暁の自信に満ちた顔を見て暁達を信じる事にした。




「私達がいた湖の西にハーピィの群れがあるのよ。あいつら空が飛べて風魔法が使えるからっていい気になり過ぎよ!今日こそ私がぎゃふんと言わせてあげるわ!」


『(ついこないだ自分が言ってたよね{よな}。)』


一緒に来た凛達はそう心の中で突っ込みを入れた。


「キ、キキッ?(あら、お客さんかしら?)」


「見付けた!今日こそあいつに勝ってみせるわ!そこのハーピィ、私をクイーンの元に案内しなさい!」


凛達は湖から西に5分程進む。

すると地上から30メートル程の高さの木の上にハーピィがいた。

そのハーピィに向けて女性はそう叫んだのだった。


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