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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
プロローグ
9/594

8話

会話等で3人までは「」を使っておりますが、4人以上の場合は全て『』で統一していきますね。

「皆、遅くなっちゃってゴメンね。ウェル爺、試練はどうだった?」


「勿論合格ですぞ。」


「流石凛ちゃんね、おめでとう!」


「ありがとう、里香お姉ちゃん。」


里香先導の元で4人は大部屋の真ん中辺りに移動し、里香が凛と美羽へそう言った後にマクスウェルへ尋ねる。

マクスウェルが笑顔で答えると里香は嬉しそうな表情で凛を褒めると、凛は少し恥ずかしそうにしながら返事を返す。


「うんうん。これで凛ちゃんも外へ出れる様になった事だし、あの子達の事を紹介出来るわね。」


『…。』


里香がそう言った後にパチンと指を鳴らすと、少し離れた地点に魔方陣が現れる。

やがて魔方陣の上に、8人の人らしき者が姿を現す。


前にいた4人は少女の姿をしていた。

1番左の少女は年の頃が18歳位。

身長は173センチ程で、燃える様な赤い髪色を背中まで伸ばした様なワイルドな髪型をしており、髪色と同じで赤い瞳を持っている。

そして豪快な性格をしていそうな見た目をしている。


その隣の少女は年の頃が13歳位。

身長146センチ程と小柄で、少し薄い水色の髪色をストレートにしたショートボブの髪型をしている。

じと目ではあるが青い瞳を持っており、眠たそうな印象をしているのが窺える。


その隣の少女は年の頃が17歳位。

身長158センチ程で綺麗で真っ直ぐのエメラルドグリーンの髪を腰までの長さに伸ばし、白いシュシュでポニーテールに纏めている。

瞳は黄緑色をしており、明るそうな印象を受ける。


1番右にいる少女は年の頃が16歳位。

身長161センチ程でやや薄い茶色のミディアムショートをストレートに伸ばした髪型をしている。

そして茶色の瞳を持っており、少し儚い印象をしているのが窺える。


少女4人はローブを羽織っていたのだが、赤い髪の女の子はオレンジ色の、水色の髪の女の子は青色の、エメラルドグリーンの髪の女の子は黄緑色の、薄茶色の髪の女の子は濃い茶色だった。

少女達はフードを下ろしていた為顔は見えていたのだが、ローブの先が地面に着いていた為、首から下が見えない状態だった。


そして赤い髪色をした少女の後ろでは、一応人の形はしているものの地面から50センチ位の高さの所で猛々しい炎の塊らしいものが浮いていた。

その炎の塊は筋骨隆々な男性が上半身裸だけで構成されているにも関わらず、凛の背丈程の高さがある。


その隣には人間で言えば25歳位の見た目をしてはいるが、上半身が人間で下半身が魚と言う、まるで人魚の様な姿をしている女性がいた。

その女性は身長が160センチ程で、地面に出来た肩幅位の水溜まりから30センチ程の高さの所で浮いており、下半身部分を少し曲げた状態だった。

女性は全身が水色っぽい色をしていて、胸には貝殻の様な物が当てられていた。

そして少し薄い群青色の髪を腰までの長さに伸ばし、緩い三つ編みの髪型にしており、優しそうな印象をしているのが窺える。


その隣には背中から蝶々の羽を生やした身長50センチ程の少女が、元気そうな表情で羽をパタパタ羽ばたかせながら浮いていた。

その少女の背中に生えた羽は外側が黒で途中からは黄色くなって見た目をしており、背中まで伸ばした髪は少し薄い緑色でウェーブがかっていた。

そしてその少女は、レモン色でくるぶしまでの長さのワンピースを着用していた。


その隣には茶色の三角帽子を被り、大人しそうな印象を受ける30センチ程の小さな老人が地面に立っていた。

その老人はマクスウェル程では無いものの立派な白い髭と白髪を持ち、茶色の長袖と長いズボン、それとズボンより少し濃い茶色のブーツを履いていた。




「凛ちゃん、美羽ちゃん、紹介するわね。後ろにいる4体がウェル爺の部下の四大精霊で、左から…。」


「我はイフリート。」


「私はウンディーネ。」


「ボクはシルフだよーっ!」


「僕はノーム…。」


「それで四大精霊の前に立っている4人の女の子達なんだけど、前に凛ちゃんと会った後に私達が召喚してから、1ヵ月間訓練していたのよ。そしてこの子達はこれから凛ちゃんの部下になるから、貴方に名前を付けて欲しいの。」


「えっ!?(里香お姉ちゃん、いきなり過ぎるんだけど!?)(チラッ)」


『…。(じーっ)』


「…。(…何か凄く見られてるね。えっと、どうしようか…。)」


里香は体を少し後方へ向け、顔だけ凛の方を向いてそう言うとイフリート、ウンディーネ、シルフ、ノームがそれぞれそう言った。

里香がにこにことしたまま凛に向けてそう言うと、凛は驚いた表情で答えた後に内心冷や汗をかきつつ里香へそう突っ込む。

そして凛が女の子達へ視線を移すと、期待された眼差しで返さ れてしまった為、凛は内心で更に冷や汗をかく事に。


「えーー…っと、左から火燐、雫、翡翠、楓…で良いかな?」


「おう、オレは良いと思うぜ…じゃなかった、私は良いと思いますよ。」


「…私もそれで良い…です。」


「あたしもそれで良いでーす!」


「はい…。私もそれでお願いします…。」


凛は1人1人の顔を見ながら火燐、雫、翡翠、楓の名前を呼ぶ。

それから5秒程経つと火燐がニヤリと笑いながら答え、雫はこくこくこくと小さく頷きながら答える。

翡翠は右手を上げて元気に答え、楓はそう言った後に軽くペコリとお辞儀をした。


「良かった…。これから宜しくお願いします。」


『よろしくお願いします。』


「うむ。火燐を宜しく頼むぞ。」


「雫、凛様の言う事を守るのですよ?」


「翡翠ちゃん、元気に頑張るんだよー!」


「楓、頑張って…。」


凛は4人の答えに安堵した表情で答え、そう言った後に火燐達と四大精霊に向けてお辞儀をする。

火燐達からはお辞儀を返され、イフリート達からはそう返事を返された。




「これで取り敢えずここでやる事は以上かしらね。」


「僕達はこれから、世界を回るんだね。」


「そうね。けど凛ちゃんが強くなって死滅の森をどうにかしちゃったら、凛ちゃんの国を興しても良いわよ。」


「え…?(冗談だよね?日本が幾つも入る様な広さの死滅の森をどうにかなんて、僕達だけじゃまず出来ないと思うんだけど…。)」


「あら?私はやると思っているわよ。その時は瑠璃ちゃんと一緒に、凛ちゃんの所に住まわせて貰うわね。」


「凛様、宜しくお願いします…。」


「えぇ…。(あれ?これって確定事項なのかな…?)」


里香が凛に向かってそう言うと、凛は頷いて答える。

しかし里香が続けてそう言った事に対し、凛は自信が持てないと感じた様だ。

何と返事すれば良いか分からない表情で言葉に詰まり、そんな事を思っていると里香は意外そうな表情で返事する。

里香は自身の顔の左で両手を合わせで嬉しそうに言うと、里香の斜め後ろに控えている瑠璃がそう言って頭を下げる。

凛は困った表情でそう言い、内心では更に困惑していたりする。




「まぁ半分()冗談なんだけど、凛ちゃんはウェル爺から合格を貰えたんだし、充分にやっていけると思うわ。凛ちゃんは半人半神(デミゴッド)で美羽ちゃんも少し位は下がるけど同じく半人半神、火燐ちゃん達4人は私とイフリート達から生まれた半人半精霊(デミスピリット)って所かしらね。普通ならまずないって位、豪華なメンバーよねぇ。」


「確かに、そう考えるとそうかも…。」


「あ、そうそう。そのうち凛ちゃんを利用しようとする輩が出てくると思うのよ。凛ちゃんが嫌だと思ったら、断ったり突っぱねたりして良いからね。」


「うん、分かったよ里香お姉ちゃん。」


里香は腕を組みながら頷いてそう言うと、凛は顎の下に右手をやりながらそう言って考える素振りを見せる。


誰も突っ込まなかったが、里香はもう半分は本気の様だ。


里香は少し前屈みになり、右手の人差し指を自身の顔の前に立てて凛を諭す様に言うと、凛は頷きながら答える。


「うんうん。美羽ちゃんをちょっとだけ借りるわね。」


「? 分かった。」


「(火燐ちゃん、雫ちゃん、翡翠ちゃん、楓ちゃんには既に言ってあるんだけど、帝国や神聖国みたいに権力を振りかざす人達が凛ちゃんを害したり、商国の商人達の様に利益を得る為に強引に凛ちゃんを利用しようとすると思うのよ。そんな連中は例え王族や貴族でも最悪排除してもらって構わないわ。どちらが大事かなんて比べるまでもないんだけど、凛ちゃんは優しいから人を傷付ける事を嫌がると思うのよ。私が世界の管理でろくに動けない以上、辛い思いをするだろうけど貴女達にお願いするしかないの。向こうの世界では見た目の可愛さで集まって来る凛ちゃんを私が出来るだけ守って来たけど、これからはその役目を美羽ちゃん達に引き継いで欲しいの…頼めるかしら?)」


「(分かりました!マスターの事はボク達が守ります!)」


「(ふふっ、流石美羽ちゃん。話が早くて助かるわー。)」


「(えへへ…。)」


凛は何故そう言って里香が美羽を呼んだのか分からなかったが、大丈夫だろうと思い承諾する。

凛達から少し離れた場所で里香は申し訳なさそうに美羽へ小声で話すと、美羽はどこで学んだのか敬礼しながら答えた。

里香は美羽へ微笑んで言うと、美羽は少し恥ずかしそうに答える。


「二人で何を話してたの?」


「ふふっ、いくら凛ちゃんでも話の内容は言えないわ。美羽ちゃんと2人だけの乙女のひ・み・つ・なのよ。」


「そうそう、乙女のひ・み・つ・なのですよー♪」


「「ねー!」」


2人は話を終えて皆の所へ戻るのだが、揃ってにこにことしていた事を凛は不思議に思った様だ。

凛が2人へ尋ねると2人共右手の人差し指を唇の前に当て、左目を閉じながら悪戯っぽく微笑んだ。




「2人共、そろそろ下に送ろうと思うんだけど忘れ物はないかしら?」


「ないよー!」


「ボクもです!」


「あっ、そうだ。里香お姉ちゃん、向こう(地球)より少し味が落ちるけど、お姉ちゃんの好きなオムライス渡しておくね。」


「凛ちゃんありがとー!後でゆっくり食べさせて貰うわぁー!!」


『………。』


里香が尋ねると、凛と美羽がそれぞれ答える。

そして凛はそう言いながら、無限収納からデミグラスソースがかかったサフランライスのオムライスを里香へ渡す。

里香はそう言って受け取った後、うははーいと言いながら凄く嬉しそうにオムライスが乗った皿を掲げながら小躍りをしていた。


その様子を翡翠と楓は興味深そうに見ていたが、火燐と雫の2人はオムライスをガン見していた。


「(こほん)そう言えば凛ちゃん。ポータル()を設置すれば、ここへの行き来が出来る様になるわよ。」


「本当?キッチン使いやすかったし設置してみようかな。里香お姉ちゃん、ポータルの設置の仕方を教えてくれる?」


「私は皆、普段はやる事があってここにはいないけど、たまに集まる事があるから会う事があるかも知れないわね。ポータルは便利な移動手段だから覚えておくと良いわよ。説明も兼ねて生活部屋へ向かいましょうか。」


「分かった。」


里香は我に返ったのか、オムライスを無限収納へ直した後にたたずまいを正し、咳払いをして話を進めた。

凛はゲームでポータルを使った事があった為少し嬉しそうにした後に里香へ尋ねると、里香はそう言って凛と一緒に生活部屋へ向かう。


「終わったよ。」


「ご苦労様。それじゃ転移するから私の前に集まって頂戴。」


「分かった。」


『はい。』


凛は里香から説明を受けて創造魔法でポータルを創造し、生活部屋のダイニングに当たる場所に早速ポータルを設置する。

凛はポータルの設置を終えて訓練部屋にいる里香に伝えると、里香がそう言った事で5人は返事して里香の前に集まる。


「最後に凛ちゃん。私が招いておいて言うのも何だけど、管理者って立場を重く受け止めないで楽しく生きて欲しい…って言うのが私の願いよ。」


「うん、分かってる。マクスウェル様を見たら、里香お姉ちゃんがこっちでも優しいって言うのはすぐに分かったよ。またね、里香お姉ちゃん。」


「ありがとう…しばらくしたらまた会いましょうね。…転移。」


里香は申し訳無さそうな表情で凛へそう言うと、凛は笑顔で答える。

里香は嬉しい様な、安堵した様な表情でそう言った後に少し下を向く。

それからほんの少し経ってから里香が転移魔法を唱え、魔方陣の中にいた凛達はどこかへ移動した。




「…行ってしまいましたな。」


「ええ、そうね。私の都合で家族を巻き込むかも知れないと思って、2人の姉と凛ちゃんに私の力のほんの一部を渡していたんだけど…本当に巻き込んでしまう事になるとはね。凛ちゃんに申し訳なく思うわ…。」


「こればかりは仕方ありませぬ。一月以上前に死滅の森深層に現れた個体が、かつて攻めてきた侵略者の影響を受けている様ですからな。」


「まあね…。私やシロちゃん達だと直接世界に介入する事は出来ないし、魔素の濃さの影響でウェル爺達精霊は中層までしか行けないから手が出せないものね。あの子達が成長してくれるのを待つしかないわ。」


「そうですな。では、我々も戻りましょうぞ。」


「ええ。」


凛達を送り出した後、里香とマクスウェルは複雑な表情で話し合い、やがてそれぞれの場所へ戻るのだった。

次に里香達が出てくるのは大分先になる予定ですが、こう言うキャラがいるんだよって意味も込めて出させて頂きました。

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