表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画編
89/594

86話 20日目

18~20日目


「暁、おはよう。」


「凛様、おはようございます。こちらが昨日紅葉様が仰っていた2人…キュレアとリナリーです。キュレア、リナリーこちらが俺の主の凛様だ。この様に可愛らしいお姿をしているが、俺よりも全然強いんだぞ。」


「「えぇーーっ!!」


野盗を捕縛した次の日の朝、暁が少女達…キュレア、リナリーと一緒に屋敷へとやって来た。

キュレアとリナリーは最初暁の後ろにいて、どちらも初めて来て戸惑っているのかおどおどした様子だった。


しかし凛が屋敷の入口で暁達を出迎えた際に、暁が軽く凛の説明を行うと2人は驚きのあまり絶叫してしまう。




キュレアとリナリーはどちらもソアラから南西にある村からソアラへと来たのだそうだ。


キュレアは黒目のややたれ目でクリーム色の髪色で肩まで伸ばした髪をお下げにして少しそばかすがある女の子。

リナリーはクールな見た目で青い瞳で少しつり目だ。

それと少しウェーブがかった紺色の髪を背中まで伸ばした女の子の様だ。

どちらも15歳の成人となり冒険者登録をする為にソアラへと赴いたとの事。


「初めまして。僕が一応皆を纏めている凛と言います。朝食を用意してるので、先ずは皆で食べましょうか。」


「「「はい!」」」


凛は暁、キュレア、リナリーを玄関から入って直ぐのダイニングへ案内する。

ダイニングには既にガイウスが座っていて、凛達が座るのを待っていた。

凛は暁の隣にキュレアとリナリーを座らせ、自身もいつも座っている椅子へと座る。


「それでは皆さん揃いましたので食べましょうか。いただきます。」


『いただきます。』


キュレアとリナリーはきょとんとしていたが、横にいる暁も皆と同じ動作をしていたので慌ててそれにならい食べ始める。


「んー!美味しい!昨日の晩御飯はこんなに美味しい食べ物があったんだって位美味しかったけど、これもこれでかなり美味しい!」


「本当よね!私達の村にも果物はあったけどこんなに美味しくなかったわ…。」


彼女達が食べているのは昨日から今日にかけて実った果物を使ったフルーツにヨーグルトを掛けたものだ。

苺に至っては掌位の大きさなのに中も真っ赤で、甘さも水分もたっぷり入っていた。

先程試食をした凛達も驚いていた位だ。




「凛様、今日も凛様の胸を借りるつもりで挑ませて頂きます。」


「相変わらず固いなぁ…。それじゃ、始めようか。」


「はい!」


訓練部屋に入った暁が凛へ向かって頭を下げる。

凛は苦笑いを浮かべた後に武器を構えて合図を行い、暁が凛へと向かって行く。


朝食を終えて未だにキュレアとリナリーは凛が強い事が信じられない様だった。

暁が2人を驚かせるのも兼ねて、凛へ訓練部屋で手合わせ願えないかを頼んだ。

凛は快諾し、凛、暁、キュレア、リナリーの4人で向かおうとしたが皆が参考にしたいとの事で、全員で訓練部屋へと向かう事に。


「くっ…。今日も凛様をほとんど動かす事が出来なかった。やはり手数が足りないのか…。」


「けど、大分僕に付いて来れる様になったね。攻撃をかわされた後の対処が良くなってるよ。」


「ありがとうございます!」


10分程凛と暁が手合わせを行う。


暁は大太刀を両手で扱う為、それぞれの手に持った刀と鞘を使っての回避に優れている凛とは相性が悪い。

その為暁は攻撃の途中で軌道を変える等を行い、凛を時々驚かせていた様だ。


そして今回も凛へ猛攻を仕掛けるも、凛はなし、かわし、武器同士で弾いてことごとくかわされてしまい、軽い(?)手合わせは終了した。


暁は再び凛へと頭を下げる。

そしてキュレアとリナリーを見ると、彼女達は物凄い勢いでペコペコしていた。

どうやら暁の言っていた事を信じたようだ。

その後各自で訓練を行い、暁が帰った後もキュレアとリナリーは残った。

2人共最初こそ戸惑っていたが、数日も経てば少しは慣れたのか色々と聞いて来る様になった。




それと、魔力を大量に注いだ水を使った作物は一部収穫が終わってしまった。

その為収穫した後にイプシロン(5番機)へと、もう実を付けなくなった物の後処理等を頼んだ。




「以前、街にいる食事処の店主達に凛殿がいずれ料理法を伝授してくれるそうだと俺から伝えたんだ。しかし彼等は先日の試食、試飲会やバーベキューに参加していたみたいで、早くしてくれとせっついて来るのだ。凛殿、申し訳ないのだが近い内に伝授出来るだろうか?」


「ニーナさん達料理組が頑張ってくれていますが、種類が沢山ありますからね…。でしたら先に完成品を食べて貰って、気に入った料理を作るのはどうでしょうか?それでしたら直ぐに出来ますよ。」


「手っ取り早く行うにはそれしかあるまいな。俺から向こうに伝えておくので明日、遅くとも明後日には行える様にしておこう。」


「分かりました。」


ガイウスから映像水晶に連絡が入り、街の料理関係者が凛が開いたイベントに参加していたので早く料理を教えて欲しいと言って来た様だ。


「…と言う訳で明日か明後日には街で料理の説明に行こうと思う。」


「えー…、まだ自信がないのが幾つかあるんだけど…。」


その場しのぎになってしまったが近日に講習会の様な物を開く、と凛は屋敷のキッチンで練習をしているニーナ達料理組へと説明する。


ニーナ達は少し不服そうな表情で説明を聞いていた。


「けど、向こうが気に入った料理がニーナ達が既に作れるならそのまま伝えて貰って大丈夫だよ。それに考え方によっては喫茶店に専念出来るし、自分の作りたい料理へ取り掛かれる。」


「…そうね。そう考えないとやってられないわ。皆、絶対に成功させてやりましょう!」


『はい!』


凛がそう言うとニーナは半ばやけっぱちになりながらもやる気になり料理組の皆へそう言い、料理組の皆は返事をした。




凛は人間となったポイズンスパイダー、ソードビー2人、シーサーペント達へ名付けを行おうかを尋ねる。


ポイズンスパイダー、ソードビーの2人は付けて欲しいと返って来た。


しかし、シーサーペント達は凛が大変だろうからと辞退。


「格上だけどちょっと因縁のある奴がいるのよ。そいつに挑んだ後で良いかしら?」


「そうなんだ?分かった。」


女性はこう言って今ではなく少し後で良いと凛へ言った。


凛はそう言って了承した。


「それじゃ…、黄色の髪の君が『琥珀こはく』で、黒髪の君が『瑪瑙めのう』、紫色の髪の君はアメジストみたいな色だから『紫水しすい』だ。3人共宜しくね。」


凛がポイズンスパイダーの男の子にアメジスト…紫水晶から紫水、

ソードビーの双子の姉妹で姉の黄色の髪で黒目の女の子に琥珀、

双子の妹の黒髪で黄色の瞳の女の子に瑪瑙と名付けた。


3人共ダイニングにあるソファーで名付けを行った後に眠ってしまったので、凛はそれぞれ自室へと抱えて休ませたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ